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2024年05月

金管四重奏 メディテーション(瞑想)

金管四重奏 メディテーション(瞑想)
オルガンのための12の作品から
8.Meditation
from Douze pieces d'orgue (12 Pieces)
J-N.レメンス
Jacques-Nicolas LEMMENS

編成はTp.、Hn.、Tbn.またはEup.、Tubaです。
クラリネット四重奏、サックス四重奏、木管四重奏版は発売中です。

気品に満ちた荘厳なベルギーの作品をお楽しみください。

金管四重奏 メディテーション(瞑想)
オルガンのための12の作品から
8.Meditation
from Douze pieces d'orgue (12 Pieces)
J-N.レメンス
Jacques-Nicolas LEMMENS

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https://youtu.be/NhSmv6aZ3i8

Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCbc_7CUTWTYOuyu_WQcflxQ

アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

Lemmensの『Douze pieces d'orgue』(ドゥーズ・ピエス・ドゥ・オルグ、12のオルガンの小品)は、ベルギーの作曲家・オルガニストである
ジャック=ニコラ・レメンスによって作曲されたオルガンのための12の作品であり、
オルガン音楽の中でも重要な作品の一つとして高く評価されています。
この作品は、19世紀後半のオルガン音楽の発展に大きな影響を与え、オルガニストやオルガン愛好家によって広く演奏されています。

『Douze pieces d'orgue』は、オルガン音楽の重要な作品の一つとして、現代のオルガニストやオルガン愛好家によって広く演奏されています。
レメンスのオルガン作品は、その優れた音楽性と技術的な高難度から、オルガン演奏の技術向上を目指すオルガニストたちにとっても
重要な学習教材としても知られています。この作品集は、オルガニストたちにとって、演奏技術の向上や音楽の表現力の探求を通じて、
オルガン演奏の新たな境地を切り拓く機会を提供しています。

また、『Douze pieces d'orgue』は、オルガニストたちにとって、オルガンの多彩な音響やレジスターの使用法を探求する機会を与えています。
各曲は異なる音響効果やレジスターの組み合わせを用いて、オルガニストに多様な音楽的表現を可能にします。
これにより、オルガニストは音響の使い方やレジスターの選択について深い洞察を得ることができます。

さらに、レメンスの『Douze pieces d'orgue』は、音楽の歴史的背景や文脈を考える上でも興味深い作品集と言えます。
レメンスは、自身の作品において、伝統的なオルガン音楽のルーツやバロック音楽のスタイルを踏襲しつつ、
現代的な音楽の要素を取り入れることで、当時の音楽の進化を示しています。
このように、レメンスの作品は、その時代の音楽の変遷や流行についての理解を深める上でも興味深い研究対象となっています。

「Meditation」は、ト長調で書かれた3部形式の曲です。テンポは比較的ゆったりとした作品であり、静かな雰囲気を持っています。
「Meditation」は、豊かな和声と情感的な旋律によって特徴付けられています。静かな序奏に続いて、繊細で歌唱的な旋律が現れます。
オルガンの響きを活かし、表情豊かに表現される旋律が、聴衆を感動的な瞑想の世界に誘います。中間部では、瞑想的な旋律が変奏され、
和声の変化やテクスチャーの対比が用いられます。最後には序奏の旋律が再び現れ、静かに曲を結びます。
「Meditation」は、Lemmensの『Douze pieces d'orgue』の中で、感動的な旋律や和声を持ち、オルガニストにとって技術的な挑戦を含む
優れた作品の一つです。オルガンの持つ独特な音響効果を活かし、静かな瞑想的な世界を表現しています。
オルガニストは、豊かな和声や情感的な旋律を丁寧に演奏し、曲の持つ感動的な雰囲気を聴衆に伝えるために、音楽のフレーズやバランス、
タッチなどを注意深く扱う必要があります。
また、この曲はオルガンの技術的なスキルを要するため、練習を重ねて音楽的な表現を磨くことが求められます。
特に、和声や旋律の表現、オルガン独特の音響効果の理解と活用、そして指使いやフィンガリングの適切な使い方などに
注意を払う必要があります。
「Meditation」は、感動的な音楽を演奏したいオルガニストにとって魅力的な作品であり、レメンスのオルガン音楽の中で
人気のある作品の一つです。その豊かな和声や繊細な旋律により、オルガニストや聴衆を瞑想的な音楽の世界に導くでしょう。

最後に、レメンスの『Douze pieces d'orgue』は、オルガニストの演奏技術や音楽性を高めるだけでなく、
オルガン音楽の魅力や可能性を再発見する機会をもたらしています。

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  2024/05/19   animato

サックス五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2.孤独なさすらい人

サックス五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2
孤独なさすらい人
Lyriske smastykker op.43-2
2. Einsamer Wanderer(Solitary Traveler)
Grieg, Edvard Hagerup

編成はソプラノ、アルト2本、テナー、バリトンです。
金管五重奏、クラリネット五重奏、木管五重奏版は発売中です。

北欧グリーグの名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。

サックス五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2
孤独なさすらい人
Lyriske smastykker op.43-2
2. Einsamer Wanderer(Solitary Traveler)
Grieg, Edvard Hagerup

編成はソプラノ、アルト2本、テナー、バリトンです。
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

1867年、《ピアノ協奏曲イ短調 作品16》で一躍有名になったグリーグは、この年から1901年にかけてこの作品集を書き上げました。
生涯にわたって作曲されているため、グリーグの作風、ピアニズム、その変遷すべてがその中にあらわれていて、グリーグの作品の中でも中心的な存在です。
いずれも1分~6分程度のかるめの小品であり、ステージ用というよりは、主にサロンや家庭で広く親しまれていました。
いずれの曲も標題がつけられていて、それぞれの曲に対して、一つの感情、気分、情景が表現されています。
1867年、第1集を発表しましたが、その後ピアノ、作曲、指揮など多忙だったこともあり、第2集が発表されたのは、その16年後でした。
第2集から第10集は間隔をおきながら続けて作曲されました。全10巻で、計66曲の作品がおさめられています。

エドヴァルド・グリーグ(Edvard Grieg)の「抒情小品集 第3集 作品43」は、ノルウェーの作曲家による
ピアノ曲のコレクションで、6つの小品から成り立っています。
この作品集は、19世紀末に作曲され、グリーグの音楽の特徴であるロマンティックなメロディ、
ノルウェーの民俗音楽からの影響、美しい自然への愛情が表現されています。

1. 蝶々 (Butterfly - Sommerfugl)
「蝶々」は、優美で軽快なメロディとアーペジオ(分散和音)を特徴とする小品です。
タイトル通り、蝶の羽ばたきをイメージさせる音楽で、自然の美しさと軽快な雰囲気を表現しています。

2. 孤独なさすらい人 (Solitary Traveler - Ensom Vandrer)
「孤独なさすらい人」は、静けさと孤独感が漂う小品で、静かなピアノ音色が心に響きます。
この曲は、一人の旅人が自然の中で孤独な冒険に出発する様子を表現しています。

3. 故郷にて (At Your Feet - For dine Fotter)
「故郷にて」は、ロマンティックな愛情をテーマにした小品です。
優美なメロディと優れた対位法の使用が特徴で、愛する人に対する献身と情熱を表現しています。

4. 小鳥 (Little Bird - Liten Fugl)
「小鳥」は、小鳥のさえずりや飛び跳ねるような楽しさを表現した小品です。
軽快なリズムと陽気なメロディが特徴で、自然界の生命力を感じさせます。

5. 愛の歌 (Erotikon - Erotikon)
「愛の歌」は、情熱的で情感豊かな小品で、愛と情熱のテーマが探求されています。
感情的なメロディと魅力的なハーモニーが特徴で、愛の情熱を表現しています。

6. 春に寄す (To Spring - Til Varen)
「春に寄す」は、春の訪れと自然の復活を祝う小品です。
明るく、希望に満ちたメロディが春の美しさと活気を表現しています。

これらの曲は、グリーグのロマンティックなピアノ音楽の魅力を存分に楽しむことができるもので、
各曲が異なるテーマや感情を表現し、ピアノ奏者や聴衆に感動を与えます。

「抒情小品集 第3集 作品43」は、グリーグのピアノ作品の中でも美しい作品の一つであり、
彼のロマンティックな音楽の魅力を堪能できるものとなっています。
各小品は、自然や愛情、孤独な旅など、さまざまなテーマを通じて感情を表現し、
ピアノ奏者や聴衆に感動と共感をもたらします。

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  2024/05/18   animato

木管五重奏 ザット・テキサス・ラグ

木管五重奏 ザット・テキサス・ラグ
ネル・ライト・ワトソン
That Texas Rag
NELL WRIGHT WATSON

編成はFl.、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
クラリネット五重奏、サックス五重奏、金管五重奏、鍵盤打楽器とベース三重奏版は発売中です。

20世紀初頭のアメリカを席巻したラグタイム音楽を、ぜひお楽しみください。

木管五重奏 ザット・テキサス・ラグ
ネル・ライト・ワトソン
That Texas Rag
NELL WRIGHT WATSON

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クラリネット五重奏、サックス五重奏、金管五重奏、鍵盤打楽器とベース三重奏版は発売中です。

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

●ラグタイム(Ragtime)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカで発展した音楽ジャンルであり、ピアノ音楽のスタイルです。
独特なリズムやメロディが特徴であり、踊りや娯楽のために演奏されました。

特徴:
ラグリズム: ラグタイムの最大の特徴は、独特のリズムパターンである「ラグリズム」です。
これは、強拍と弱拍が交互に弾かれ、スウィング感や軽快なリズムを生み出します。

ピアノのフィンガーピッキング: ラグタイムは、ピアノの演奏技法としてフィンガーピッキング(指で弦をはじくように弾く)を特徴としています。
これにより、複雑なリズムや旋律が生み出されます。

キャッチーなメロディ: ラグタイムの楽曲は、しばしばキャッチーなメロディを持っており、親しみやすいものが多いです。
多くの楽曲が独自のテーマやムードを持ち、耳に残る旋律が特徴です。

セクショナルフォーム: ラグタイムの楽曲は、セクションごとに異なるリズムやメロディを持つ「セクショナルフォーム」と呼ばれる
形式を採用しています。これにより、楽曲内での変化と興味を維持します。

歴史と影響:
ラグタイムはアフリカ系アメリカ人の文化に影響を受け、アフリカ系アメリカのミュージシャンたちによって発展しました。
最初はピアノロールという形式で録音・再生され、後に楽譜としても広まりました。
特にスコット・ジョプリンは、ラグタイムの中でも最も有名な作曲家の一人で、「Maple Leaf Rag」などの楽曲で知られています。

ラグタイムはダンスホールや娯楽施設で演奏され、社会全般に影響を与えました。ジャズやその他のポピュラー音楽の発展にも影響を与え、
音楽の歴史において重要な位置を占めています。

ラグタイムは、その特有のリズムとメロディ、踊りや楽しみを提供する性格から、アメリカの音楽文化の重要な一部として親しまれています。

●ネル・ライト・ワトソン
このテキサスの作曲家は、作曲よりも名字の方がはるかに多い人でした。
テネシー州の両親トーマス・ヤング・ライトとその妻サディ・ルイーズ・ウィリアムズの間に生まれたネル・ライトは、テキサス州フォートワースで育ちました。
彼女の父親は商業旅行者で、しばしば移動していました。1900年の国勢調査では、フォート・ワースのライト家にネルの兄弟ジョセフ・オリバー(1884年9月12日)と
フランシス "フラニー"(1890年12月12日)、それに住み込みの家政婦が1人いました。
1906年頃、ネルはラルフ・グラント・ワトソンと結婚し、兄にちなんでラルフ・ライト(1907年7月4日)と
ジョセフ・オリバー(1909年2月15日)の2人の子供をもうけました。
フォートワースで行われた1910年の人口調査では、ラルフは家屋の引っ越し請負業、ネルは無職でした。息子のハーバートはこの年の暮れに生まれました。
1911年1月、ワトソン家の息子ラルフが3歳半で亡くなるという悲劇が起こりました。ネルは1912年末にもう一人の息子ウィリアムをもうけました。
ネルの2つの有名な作品のうちの最初の作品『That Texas Rag』は、フォートワースのフィリップ・エプスタインから彼女の最初の結婚名で出版されました。
ワトソン夫妻は翌年中に離婚。そして1914年半ばに彼女はA.C.スローターと結婚し、同じ年の秋にネル・ライト・スローターとして2作目にして
最後の作品『Broncho Billy Rag』を発表しました。この作品は、ダラスの有名なハウス、ブッシュ&ガーツから出版されました。
1915年1月、ネルはクライド・スローターを出産しましたが、彼はわずか4ヶ月しか生きられず、5月に亡くなった。娘のフランシスは1916年末に生まれた。スローター夫妻は1917年に離婚し、1918年9月、ネルはテキサス州ジョンソン郡の石油掘削業者ゼノフォン・スコット・ロブソンと結婚した。
1920年の国勢調査では、スコットとネル・ロブソンはフォートワースでオリバー、ハーバート、ウィリアム、フランシス、
そして幼い双子の息子スコットとハワードと暮らしていました(1919年2月)。
ネルは再び離婚し、1920年代半ばに今度は画家で装飾請負業者のドナルド・コリンズ・コーカーと再婚しました。
1930年の記録では、ジョー、ハーバート、ビリー、フランシスとともにフォートワースにいた。双子の消息は不明でした。
1931年までのフォートワースの名簿によると、コーカ夫妻は別居しており、ドナルドはすぐに再婚し、1940年の国勢調査ではフォートワースで新妻と一緒にいました。
ネルはテキサスに元恋人が多すぎると判断し、場所を変えることを選んだようです。次に彼女が姿を現したのはカリフォルニア州ロサンゼルスで、
ネル・ライト・ワトソンという最初の結婚名を使っていました。彼女はおそらく、ようやく恋愛運に恵まれることを願っていたのでしょう。
1935年3月25日、ネルはニューヨークの65歳のネルソン・J・リード・ジュニアと再び結婚しました。
婚姻届には年齢を少し縮めて42歳と書いてあり、6歳ほどずれていました。しかし、今回は長寿以外はすべてうまくいったようです。
1940年の国勢調査や有権者名簿には、ネルソンもネルも職業を示していないことから、リードは比較的裕福だったと断言できます。
ネルソンは1945年9月30日に74歳で亡くなりました。ネルはさらに15ヶ月生き延び、1947年初めにロサンゼルスで60歳で亡くなりました。

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  2024/05/17   animato

クラリネット四重奏 トッカータとフーガ第4番

クラリネット四重奏 トッカータとフーガ第4番
ヨゼフ・セーガー
Toccata & Fugue No.4
from 8 Taccatas and Fugues
Seger, Josef Ferdinand Norbert

編成はCl.3本、Bs.Cl.です。
木管四重奏、サックス四重奏、金管四重奏版は発売中です。
ボヘミアの格式と感性を味わえる音楽を、ぜひお楽しみください。

クラリネット四重奏 トッカータとフーガ第4番
ヨゼフ・セーガー
Toccata & Fugue No.4
from 8 Taccatas and Fugues
Seger, Josef Ferdinand Norbert

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

Josef Ferdinand Norbert Seger(1716-1782)による「8 Toccatas and Fugues」は、バロック音楽の中でも
特にオルガン音楽の優れた作品の一つとされています。
この作品は、その優れた対位法の技術、バロック様式の特徴、そしてオルガンの魅力的な音色によって、音楽史上重要な位置を占めています。

1. Josef Ferdinand Norbert Segerについて

Josef Ferdinand Norbert Segerは、18世紀のボヘミア(現在のチェコ共和国)出身の作曲家で、
バロック期のオルガン音楽の重要な代表者の一人です。彼はプラハで生まれ、音楽と宗教の教育を受けました。
オルガン奏者、作曲家、そして音楽教育者としての経歴を持ち、彼の作品はバロック音楽の特徴を充分に表現しています。

ヨゼフ・セーガー(Josef Seger、本名Josef Ferdinand Norbert Segert、姓はSeegerまたはSeegrとも)
(1716年3月21日 - 1782年4月22日)は、チェコのオルガニスト、作曲家、教育者です。
プラハのカレル大学で哲学を専攻し、ボフスラフ・マチェイ・チェルノホルスキー、ヤン・ザックらに師事して音楽を学んだ後、
プラハの2つの教会のオルガニストとなり、亡くなるまでそこに留まりました。


非常に多作な作曲家であったセーガーは、18世紀のチェコ・オルガン楽派の最も重要な代表者の一人となりました。
彼の弟子には、ヤン・アントニン・コジェリューやヨゼフ・マイスリヴェチェクがおり、彼のフィギュアド・バスの練習曲は、
何世代にもわたって教師たちの役に立ちました。


生涯〕

セーガーはボヘミアのミェルニーク近郊のŘepínで生まれました。プラハのイエズス会ギムナジウムで学び、後にカレル大学で哲学を専攻しました。
また、オルガン演奏をボフスラフ・マチェイ・チェルノホルスキーに、対位法をヤン・ザッハとフランティシェク・トゥーマに、
そしてドラバシュによれば、フィギュアド・バスをフェリックス・ベンダに師事しました。
1741年頃、セーガーはティーン正面の聖母教会のオルガニストになり、1745年にはプラハの十字軍教会でも同様のポストを得ました。
1781年、皇帝ヨーゼフ2世はセーガーの演奏に感銘を受け、作曲家に宮廷の任命を申し出たましが、
セーガーは確認書が届く前の1782年にプラハで亡くなりました。

セーガーが生前に作曲した曲は出版されませんでしたが、
彼は重要な教師であり教育者でした。
彼の弟子には、カレル・ブラジェイ・コプジーヴァ、ヤン・アントニン・コジェリュ、ヤン・クシュティテル・クチャジュ、
ヨゼフ・マイスリヴェチェク、その他多くの著名なボヘミアの作曲家や音楽家がいました。
1790年代には、セーガーの作品のいくつかは印刷物に掲載されました。
8曲のオルガン・フーガのセレクションは、1793年にD. G. テュルクによって出版されました。
特に重要なのは、彼のフィギュアド・バスの練習曲の一部が出版されたことで、これは彼の死後数十年にわたって教師たちに使用されました。


作品
セーガーは、18世紀チェコで最も多作なオルガン作曲家であった。何百もの前奏曲、フーガ、トッカータ、
その他のオルガン曲が写本として残されています。
一般的に言って、彼の前奏曲とフーガは短い作品ですが(その長さはカトリックの典礼によって課された制限によって決定された)、
豊饒な和声的想像力と後期バロックの対位法の実践を完璧に把握していることを示しています。
彼はまた、ミサ曲、モテット、詩編も作曲しましたが、これらもまた古風な対位法に支配されていました。

2. 8 Toccatas and Fuguesについて

「8 Toccatas and Fugues」は、Segerによるオルガンのための8つのトッカータとフーガから成る作品です。
この作品は、バロック期のオルガン音楽の伝統的な形式であるトッカータとフーガを収録しています。

トッカータ(Toccata):トッカータは、速いテクニカルなパッセージや即興演奏の要素を持つ作品です。
Segerのトッカータは、オルガン奏者に高度な技巧を要求します。その中でも「トッカータ」は、自由なリズムとテンポが特徴で、
オルガニストが即興的な演奏を含めることができる場面があります。

フーガ(Fugue):フーガは対位法の要素を含む楽曲で、主題(主題と呼ばれる)が導入され、その後で変化したり組み合わせたりします。
フーガは対位法の技法を巧みに用いた作品で、複数の声部が交錯し、合奏が行われるため、演奏の難易度が高いことがあります。

3. 技術的要素と音楽的特徴

Segerの「8 Toccatas and Fugues」は、オルガン音楽における技術的な要素を豊かに含んでいます。
オルガン奏者は、迅速な指の動き、フットペダルの巧妙な操作、そして対位法のテクニックを駆使して、これらの作品を演奏します。

バロック音楽の特徴的な要素も随所に見られます。これらの作品は、複雑なリズムと対位法の美しさに特徴があり、
バロック期の音楽の豊かな表現力を示しています。バロック音楽は、音楽のコントラストを強調し、
情感豊かな表現を持つことが一般的で、これらのトッカータとフーガもその伝統に則っています。

4. 宗教的なコンテクスト

バロック期の音楽は、宗教的な儀式や礼拝のために頻繁に作曲されました。オルガンは教会で重要な楽器であり、
教会音楽の一環として演奏されました。Segerのオルガン作品も、宗教的な文脈で演奏されることを念頭に置いて作曲されました。
それゆえ、これらの作品は宗教的な音楽表現に貢献し、教会音楽の一部として重要な役割を果たしました。

まとめ

Josef Ferdinand Norbert Segerの「8 Toccatas and Fugues」は、バロック期のオルガン音楽の中で輝く作品の一つです。
その対位法の技術、バロック様式の美しさ、そして宗教的なコンテクストによって、音楽史において重要な存在となっています。
これらの作品は、オルガニストや音楽愛好家にとって、バロック音楽の魅力と美しさを探求する貴重な資料であり、
バロック期の音楽が持つ複雑な対位法や情感豊かな表現を体験する機会を提供しています。

Segerの作品は、バロック音楽の優れた例として現代に伝えられており、オルガン奏者や音楽学研究者によって演奏と研究が続けられています。
彼の音楽は、バロック音楽の時代背景と、その時代の音楽が持つ豊かな表現力を探求するための貴重な遺産の一部として尊重されています。

総括すると、Josef Ferdinand Norbert Segerの「8 Toccatas and Fugues」は、バロック音楽のオルガン作品の中で優れたものであり、
その音楽的な特徴や宗教的なコンテクストによって、音楽史上で重要な位置を占めています。
この作品は、音楽の歴史と文化におけるバロック期の貴重な遺産の一部として賞賛されています。

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  2024/05/16   animato

金管四重奏「歌劇ベレニーチェへの序曲」から 3.アンダンテ ラルゲット

金管四重奏「歌劇ベレニーチェへの序曲」から 3.アンダンテ ラルゲット
ヘンデル作曲
Overture to Berenice
3.Andante largetto (hwv 38-3)
G.F.Handel

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ヘンデルの隠れた名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。

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ヘンデル作曲
Overture to Berenice
3.Andante largetto (hwv 38-3)
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

「ベレニーチェへの序曲」(Overture to Berenice)は、ドイツの作曲家
ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル(George Frideric Handel)によって作曲された作品の一つです。
この作品はオペラ「ベレニーチェ」(Berenice)の序曲として書かれました。

この序曲は4つの曲から構成されています。
1.ラルゴ Largo
2.アレグロ Allegro
3.アンダンテ ラルゲット Andante largetto
4.ジーグ Gigue

1.ラルゴ (Largo):
ラルゴは通常、ゆっくりとしたテンポの楽章を指します。ヘンデルのラルゴはしばしば豊かな旋律と重厚な和声で知られています。
この部分では、静かで感情豊かな音楽が奏でられるでしょう。ラルゴはしばしば物語性や感情の表現に力を入れた楽章となります。

2.アレグロ (Allegro):
アレグロは速いテンポの楽章を指します。ヘンデルのアレグロは、軽快でリズミカルな要素が含まれ、
明るく活気に満ちた音楽になることが一般的です。この部分では、速いテンポによる興奮やエネルギーが感じられるでしょう。

3.アンダンテ ラルゲット (Andante larghetto):
アンダンテは中庸なテンポを指し、ラルゲットは少し広めのテンポで、どちらも比較的ゆったりとした速さを示します。
この部分では、メロディが流れるように進み、静かで穏やかな雰囲気が広がるでしょう。

4.ジーグ (Gigue):
ジーグは通常、軽快な舞曲の形式で、特にバロック期の音楽でよく見られます。
この部分では、軽快で踊りやすいリズムが特徴で、ヘンデルの場合はしばしば器楽曲や舞踏音楽に取り入れられます。
ジーグは活気に満ち、楽しさや軽快さが感じられるでしょう。

ヘンデルはバロック期の作曲家で、彼の作品は力強い旋律、豊かな和声、そして様々な楽器の魅力的な組み合わせによって
特徴付けられています。「ベレニーチェへの序曲」もその典型的な特徴を持っており、それぞれの楽章で異なる雰囲気や
表現が聴取者に提供されています。

ベレニーチェ(Berenice)HWV 38は、ドイツ出身の作曲家ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル(George Frideric Handel)によって
作曲されたオペラ・セリアです。
このオペラは1737年に初演され、ヘンデルの後期のイタリア・オペラの一部として広く知られています。

作曲の背景: ヘンデルはイタリア・オペラの作曲家として成功を収めていましたが、その中でもロンドンにおける成功が最も著しかったです。
Bereniceはロンドンでの一連のオペラ作品の中の一つで、その中でも1737年に作曲され、初演されました。

台本: ベレニーチェのリブレット(台本)はジャコモ・ロッシーニ(Giacomo Rossi)によって書かれました。
ベレニーチェは歴史的な出来事に基づいており、エジプト女王バレニケ2世(Berenice II)の物語を扱っています。

物語の要素: オペラはエジプト女王バレニケ2世とその政治的な状況を中心に据えています。
ベレニーチェはローマ帝国との政治的な同盟や愛の葛藤といった要素が物語の中で重要な位置を占めています。

音楽的特徴: ヘンデルのオペラはその深い音楽的な洞察力と劇的な表現力で知られています。
Bereniceも例外ではなく、美しいアリアや合唱、力強いレチタティーヴォが特徴です。
ヘンデルは歌手の個々の才能を引き立てることに巧みであり、そのための個別のアリアが多数含まれています。

成功と後世への影響: Bereniceは初演当初は成功を収めましたが、その後はあまり上演されず、一時期忘れ去られていました。
しかし、近年ではヘンデルの作品全体に再評価の機運が高まり、ベレニーチェも新たな興味を引き起こしています。
Bereniceはヘンデルのオペラの中で相対的に知名度が低い作品の一つかもしれませんが、その深い音楽と舞台芸術の要素により、
近年では再び注目を浴びています。

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  2024/05/15   animato

吹奏楽 バレエ音楽「コッペリア」から序奏・マズルカ

吹奏楽 バレエ音楽「コッペリア」から序奏・マズルカ
レオ・ドリーブ作曲
瀬 浩明編曲
Prelude & Mazurka
from Coppelia A Ballet in Three Acts
L.Delibes

編成はFl.*2、Cl.*2、A.Sax.*2、T.Sax.、B.Sax.またはBs.Cl. (B.Sax.)
Hn.*2、Tp.*2、Tbn.*2、Eup.*2、Tuba*2、
Vib.(Trgl.、S.D.)、Marim.(B.D.、Cym.)、Timp.、計23名です。Cl.は2名ずつが望ましいです。
Trgl.を部分的に省略、B.D.、Cym.を一人で、Eup.、Tubaは一人で演奏なら計19名です。

フランスの作曲家ドリーブによるバレエ音楽「コッペリア」の中から序奏・マズルカを小編成吹奏楽で楽しめます。
演奏時間は6分30秒程度です。コンテストなどに、ぜひどうぞ。

吹奏楽 バレエ音楽「コッペリア」から序奏・マズルカ
レオ・ドリーブ作曲
瀬 浩明編曲
Prelude & Mazurka
from Coppelia A Ballet in Three Acts
L.Delibes

編成はFl.*2、Cl.*2、A.Sax.*2、T.Sax.、B.Sax.またはBs.Cl. (B.Sax.)
Hn.*2、Tp.*2、Tbn.*2、Eup.*2、Tuba*2、
Vib.(Trgl.、S.D.)、Marim.(B.D.、Cym.)、Timp.、計23名です。Cl.は2名ずつが望ましいです。
Trgl.を部分的に省略、B.D.、Cym.を一人で、Eup.、Tubaは一人で演奏なら計19名です。

フランスの作曲家ドリーブによるバレエ音楽「コッペリア」の中から序奏・マズルカを小編成吹奏楽で楽しめます。
演奏時間は6分30秒程度です。コンテストなどに、ぜひどうぞ。

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

『コッペリア』は、ロマンティック・バレエ最後の作品として注目される作品です。
フランス・ロマン派の作曲家レオ・ドリーブにより作曲され、1870年にパリのオペラ座で初演されました。
ロマンティック・バレエとはロマン主義思想に基づくバレエのことで、女性が舞台の中心を占めます。
『コッペリア』はその中でも「後期ロマンティック・バレエ」と呼ばれています。
人形を主題とし、非現実世界に憧れるというこの作品はまさにロマンティック・バレエの典型といえます。
作品の完成までに3年の年月がかかりましたが、この作品は大成功を収め、世界中で有名になりました。
『コッペリア』は人形をテーマにしたバレエ作品の中でも大きなの影響力を持ち、
プティパの作品「くるみ割り人形」や、フォーキンの「ペトルーシュカ」といった、人形がテーマの作品に影響を与えました。
ストーリーは、陽気で明るい喜劇として描かれています。
舞台はポーランドのある農村。主な登場人物は、コッペリウスが作ったからくり人形の可愛い少女コッペリア、明るい村娘スワニルダ、そしてその婚約者フランツ。
青年フランツは、そのあまりの可愛さに人形コッペリアに恋をしてしまいます。
彼と婚約しているスワニルダは、不安になり、友達とともにコッペリアに意地悪を仕掛けます。
『コッペリア』は喜劇なのでコミカルな動きや演出が随所に見られ、見ている人を愉快にしてくれます。
また、バラエティ豊かな民族舞踊が見られる点がコッペリアの特徴でもあります。

『コッペリア』のあらすじ

『コッペリア』のストーリーは、ドイツの小説家E.T.A.ホフマンの『砂男』が基となっていて、陽気で明るい喜劇として描かれています。
舞台はポーランドのある農村。主な登場人物は、コッペリウスが作ったからくり人形の可愛い少女コッペリア、明るい村娘スワニルダ、そしてその婚約者フランツ。
青年フランツは、そのあまりの可愛さに人形コッペリアに恋をしてしまいます。
彼と婚約しているスワニルダは、不安になり、友達とともにコッペリアに意地悪を仕掛けます。

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  2024/05/14   animato

サックス四重奏 7つの小品から1.前奏曲

サックス四重奏 7つの小品から1.前奏曲
テオドール・デュボア
1.Prelude from 7 Pieces for Organ
Theodore Dubois

編成はソプラノ、アルト、テナー、バリトンです。
金管四重奏、木管四重奏、クラリネット四重奏版は発売中です。

たおやかなフランス・ロマン派の和声が溢れる作品をぜひ味わってください。

サックス四重奏 7つの小品から1.前奏曲
テオドール・デュボア
1.Prelude from 7 Pieces for Organ
Theodore Dubois

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

クレマン・フランソワ・テオドール・デュボワ(Clement Francois Theodore Dubois)による
「7 Pieces for Organ」(オルガンのための7つの小品)は、オルガンの演奏用に作曲された作品集です。
デュボワはフランスの作曲家で、19世紀末から20世紀初頭にかけて活動し、オルガン音楽においても
重要な作曲家の一人とされています。

特徴:
ジャンルと用途: 「7 Pieces for Organ」は、オルガン奏者やオルガニスト向けに書かれた作品集で、
宗教的な儀式や礼拝での演奏に適しています。オルガンは教会の礼拝で頻繁に使用され、
オルガン音楽は宗教音楽の一部として発展しました。

小品の形式: この作品集には合計で7つの小品が含まれており、各小品は異なるタイトルとキャラクターを持っています。
例えば、小品の中には「Prelude」(前奏曲)、「Offertoire」(奉納曲)、「Sortie」(退場曲)などが含まれていることが一般的です。
各小品は独立した楽曲として演奏されることがあります。
1.前奏曲(ハ短調) - Prelude (C minor):
前奏曲は、情熱的で荘厳な雰囲気を持つ曲です。ハ短調はしばしば力強く、感情的な音楽のキーとして知られており、
この前奏曲はその特性を生かしたものと言えます。オルガンの響きが堂々と響き、聴衆に印象的な音楽体験を提供します。

2.宗教的カンティレーヌ(ハ長調) - Cantilene religieuse (C major):
このカンティレーヌは、ハ長調の明るく美しい旋律が特徴です。宗教的な性格を持ち、聴衆に平和と神聖な感覚をもたらします。
ハ長調は希望や喜びのキーとして知られており、この曲はその感情を表現しています。

3.マルシエッタ(ヘ長調) - Marcietta (F major):
「マルシエッタ」は、ヘ長調の軽やかで舞曲風の小品です。明るく陽気な雰囲気があり、オルガンの音色が軽快に響きます。
これは聴衆を楽しませる素敵な音楽です。

4.間奏曲(変ホ長調) - Interlude (E♭ major):
「間奏曲」は、変ホ長調で書かれた穏やかな小品です。感傷的で美しい旋律が中心にあり、静謐な雰囲気を醸し出します。
オルガンの音色が宇宙的な響きを持っています。

5.祈り(ニ長調) - Priere (D major):
「祈り」は、ニ長調の優美な旋律が特徴で、熱心な祈りや精神的な静けさを表現しています。
オルガンの音色が感動的で、聴衆に神聖な瞬間を提供します。

6.後奏曲-歌(変ホ長調) - Postlude-Cantique (E♭ major):
「後奏曲-歌」は、変ホ長調の明るく華麗な音楽で、終わりの華やかな演奏を提供します。
この小品は美しい旋律と技巧的な演奏を組み合わせ、聴衆を感動させます。

7.行進曲・終曲(ト長調) - Marche-Sortie (G major):
最後の小品である「行進曲・終曲」は、ト長調の明るく華やかな行進曲です。
力強く演奏され、オルガンの響きが建物全体に広がります。終演にふさわしい華やかな曲で、聴衆に感謝と歓喜をもたらします。

これらの「7 Pieces for Organ」は、デュボワのオルガン作品の中でも特に人気があり、
オルガン奏者やクラシック音楽愛好家によって広く演奏されています。
各小品は異なるキーと感情を持ち、多彩な音楽的体験を提供します。

難易度: デュボワのオルガン作品は一般的に技巧的であり、オルガン奏者に高度な技術を要求します。
彼の作品はオルガニストの演奏技巧を披露する機会としても知られています。

宗教的な性格: デュボワの作品は宗教的な性格を持っており、キリスト教の礼拝や宗教的な儀式で演奏されることが多いです。
オルガンの豊かな音色と力強い響きは、宗教的な雰囲気を醸し出すのに適しています。

クレマン・デュボワの「7 Pieces for Organ」は、彼のオルガン音楽の中でも重要な作品の一つであり、オルガニストやオルガン愛好家にとっては魅力的なレパートリーとされています。これらの小品は宗教的な儀式やオルガンのコンサートで演奏され、オルガン音楽の豊かな伝統を示すものとなっています。
Clement Francois Theodore Dubois(1837年8月24日-1924年6月11日)は、フランスのロマンチックな作曲家、オルガニスト、音楽教師でした。
パリ音楽院で学んだ後、デュボアは1861年にフランスの最高の音楽賞であるローマ賞を受賞しました。彼はパリのいくつかの有名な教会で
オルガニスト兼合唱団長になり、同時に音楽院の教授として調和を教えました。 1871年から1891年まで、そして1891年から1896年まで作曲し、
アンブロワーズ・トーマスをコンセルヴァトワールの監督として引き継ぎました。
彼は前任者の厳密に保守的なカリキュラムを継続し、モダニストのモーリス・ラヴェルが勝つことを防ぐためにローマ賞の競争を
仕掛けようとした教員の試みをめぐってスキャンダルが勃発した後、早期に引退を余儀なくされました。
作曲家として、デュボアは有能で上品であると見なされていましたが、驚くほど独創的でも刺激を受けたものでもありませんでした。
彼はオペラ作曲家としてのキャリアを望んでいましたが、彼の教会の作曲でよりよく知られるようになりました。
彼の音楽理論に関する本は影響力があり、長年使用され続けました。

デュボアは、ランス近郊の村、マルヌのロスナイで生まれました。家族は音楽の職業とは関係がありませんでした。
彼の父ニコラスはバスケットメーカーであり、彼の祖父ジャンは学校の先生でした。彼の母親のセリニー・デュボア(旧姓シャルボニエ)は職業がなく、
主に若いテオドールを育てるために時間を費やしました。デュボアはランス大聖堂の聖歌隊指揮者であるルイ・ファナートにピアノを学び、
ロスナイ市長のヴィコント・ユージーン・ド・ブレイユの弟子であり、ピアニストのジャン・アンリ・ラヴィーナを紹介しました。
ラヴィナの連絡先を通じて、デュボアは1854年にダニエルオーベールが率いるパリ音楽院に入学しました。
彼はアントワーヌ・フランソワ・マルモンテルでピアノを、フランソワ・ブノワでオルガンを、フランソワ・バジンでハーモニーと 、
アンブロワーズ・トーマスで対位法と作曲を学びました。学生時代、彼は1855年からセントルイスデインヴァリデスで、
1858年からサントクロティルデ(セザールフランクの下)でオルガンを演奏することに従事していました。
そしてオルガン、そして最後に、1861年にフランスの最高の音楽賞であるローマ賞を受賞しました。

1861年12月から、デュボアはジュール・マスネを含む仲間の学生の友人になりました。
彼の研究の合間に、彼はローマとその周辺の田園地帯のモニュメントを訪れ、システィーナ礼拝堂の音楽演奏に出席し、ナポリ、ポンペイ、ヴェネツィア、
ヴェローナ、マントヴァ、ミラノ、フィレンツェを訪れました。彼はイタリアのクラシックスタイルの序曲で彼の印象を音楽的な形で与えました
buffo opera(La prova di opera seria オペラセリアのリハーサル)そして最後に荘厳ミサを作曲しました。
ローマ滞在中に出会った著名な音楽家の中には、ミサを聞いて若いデュボアを励ましたフランツリストがいました。

1866年にパリに戻ったデュボアは、サントクロティルデの聖歌隊指揮者に任命されました。1867年の聖金曜日に、彼の軍隊は彼の
レセプトパロールデュキリスト(キリストの最後の7つの言葉)を演奏しました。
カミーユサンサーンスとロマンビュシーヌが1871年に国民音楽協会を設立したとき、デュボアは、とりわけアンリデュパルク、 ガブリエルフォーレ、
セザールフランク、エルネストギロー、マスネとともに創設メンバーでした。同じ年に、彼はマドレーヌ教会の聖歌隊指揮者に任命されました。
普仏戦争中1870年から71年にかけて、彼は国家警備隊に加わりました。彼の伝記作家であるヒューズ・インベルトは、
「彼とサン=サーンスがマドレーヌ寺院で頻繁に会ったのは軍服で、一方は礼拝堂の聖歌隊を率い、もう一方は偉大なオルガンに登った」と記録しています。
両方の男性は、パリコミューンの血なまぐさい最後の日を逃れ、サンサーンスはイギリスに、デュボアはロスナイの彼の実家に逃れました。

デュボアは1871年に音楽院の学部に加わり、アントワーヌ・エルワートを調和の教授として引き継ぎました。彼は次の20年間そのポストを保持しました。
そして後に彼の作曲のクラスの生徒たちには、ポール・デュカス、ジョージ・エネスク、アルベリク・マニャール、フローラン・シュミットが
含まれていました。1872年8月、デュボアはピアニストのジャンヌデュビナージュ(1843-1922年)と結婚しました。
その父親はオペラコミックの指揮者でした。それは生涯にわたる幸せな結婚でした。彼らには2人の子供がいました。

デュボアはオペラ作曲家になるという野心を持っていましたが、パリの主要なオペラ会社に足場を築くことができませんでした。
古い劇場アテネでは、ジュール・バルビエとミシェル・カレによる台本付きの彼のワンアクト・ラグズラ・デ・レミール(エミールのリュート)が、
1873年にジャン・グレゴワール・ペナヴェールとポール・ラコームによる短いオペラの三重法案で首尾よく与えられました。 
1878年に彼はパリ市によって設立されたコンクールミュージカルで賞を受賞したベンジャミンゴダールと共有し、彼のパラディスペルドゥ(パラダイスロスト)は
最初に公費で1878年11月に行われました。

1877年にサンサーンスはマドレーヌのオルガニストとして引退しました。デュボアは彼に取って代わり、フォーレによって合唱指揮者として引き継がれました。
 1879年、デュボアはパリの主要な家の1つでオペラを上演しました。オペラ・コミック座は2月に一幕物のコメディー「ル・パン・ビス」を上演しました。
特に独創的ではありませんが、非常にエレガントで、優れたメロディーがいくつかあります。
フォーレと一緒に、デュボアは1880年7月にミュンヘンを訪れ、ワーグナーの タンホイザーとダイマイスターシンガーの公演に出席しました。
フォーレのように、デュボアはワーグナーの音楽に感銘を受けましたが、他のフランスの作曲家の多くがそうであったように、
それが彼自身の作曲に影響を与えることを許さなかったようです。

デュボアは、フランスの最高の家であるパリオペラ座でオペラを上演することに成功したことはありませんでしたが、1883年にロシタマウリを中心に、
デュボアの音楽に合わせた3幕のバレエ「ラファランドール」が上演されました。
音楽は目立ったインスピレーションや独創性はないものの、十分に書かれていて、全体の行動によく適していました。
この作品は人気があり、今後数年間にわたってオペラで頻繁に復活しました。同じ年にデュボアはのシュヴァリエに任命されたレジオンドヌール勲章を授与されました。

1884年、デュボアは4幕のオペラ「アベンハメット」で大成功を収めました。シャトレ広場のイタリア座劇場で開幕し、熱狂的に受け入れられましたが、
金融危機により劇場が廃業し、デュボアは歌手の未払い賃金を支払う個人的責任を負ったため、4回の公演後に閉館しました。

レオ・ドリーブが1891年1月に亡くなったとき、デュボアはコンセルヴァトワールの作曲教授として彼の後任に任命されました。
1894年にシャルル・グノーが亡くなった後、デュボアは芸術アカデミーのメンバーとして彼の後任に選出され、彼の伝記作家ジャン・パスラーによれば、
「彼の音楽の明晰さと理想主義」が認められた、と述べています。

1896年、1871年以来コンセルヴァトワールのディレクターであるトーマスが亡くなりました。対位法、フーガ、作曲の教授であるマスネは、
彼の後を継ぐことが広く期待されていましたが、フランス政府が拒否したとき、彼は学部を辞任しました。
デュボアは監督に任命され、トーマスの非妥協的な保守体制を継続した。オーバー、ハレヴィ、特にマイアベーアの音楽は学生にとって正しいモデルと見なされ、
ラモーのような古いフランス音楽やワーグナーの音楽を含む現代音楽はカリキュラムから厳しく排除されました。
デュボアは絶え間なく敵対的だったモーリス・ラヴェルは、コンセルヴァトワールの学生が学部の反モダニズムに従わなかったとき、
1902年にデュボアはドビュッシーの画期的な新しいオペラ、ペレアスとメリザンドの公演に出席することをコンセルヴァトワールの学生に禁じました。

1905年6月、デュボアは、ラヴェルがローマ賞を受賞するのを阻止しようとした教員の露骨な試みによって引き起こされた公のスキャンダルの後、
計画された引退を前倒しすることを余儀なくされました。フォーレは、デュボアの後任として任命され、フランス政府から機関を近代化するための簡単な
説明を受けました。

彼の私的な立場では、デュボアは彼が主宰した学問的レジームよりも反動的ではありませんでした。
ワーグナーのパルジファルが1914年に遅れてパリで初演されたとき、デュボアは同僚のジョルジュユエに、
これほど美しい音楽はこれまでに書かれたことがないと語りました。
個人的に彼はドビュッシーの音楽に魅了され、その「微妙なハーモニーとレ・プレシュー・ラフィネス」、つまり微妙なハーモニーと貴重な洗練を見出していました。

コンセルヴァトワールから引退した後も、デュボアはパリの音楽界でおなじみの人物であり続けました。彼はコンセルヴァトワール同窓会の会長であり、
毎年恒例の授賞式を主宰しました。彼の最後の年まで、彼は健康でした。1923年の彼の妻の死は彼が回復しなかった打撃であり、彼は短い病気の後、
1924年6月11日に86歳で彼のパリの家で亡くなりました。

1905年のデュボア
彼は多くの宗教的な作品を書きましたが、デュボアはオペラでの成功したキャリアに期待を持っていました。彼の中近東の主題への興味は、
彼の最初の舞台作品であるラグスレ・デ・レミールと彼の最初の4幕のオペラであるアベン・ハメットの作曲につながりました。
後者は、キャスト(エマ・カルヴェとジャン・ド・レシュケが率いる)と作品について素晴らしい注目を集めましたが、
通常のレパートリーでは場所を獲得しませんでした。
彼の他の大規模なオペラ、ザビエールは、「劇的な牧歌」と呼ばれ、オーヴェルニュの田舎を舞台にしています。
物語は、娘の相続を獲得するために彼女のフィアンセの父親の助けを借りて、娘のザビエールを殺そうと企んでいる未亡人の母親を中心に展開しています。
ザビエールは司祭の助けを借りて攻撃を生き延び、オペラは通常のハッピーエンドで終わります。

デュボアの音楽には、バレエ、オラトリオ、3つの交響曲も含まれています。彼の最も有名な作品は、
オラトリオ・レ・セプト・パロール・デュ・キリスト(「キリストの最後の七つの言葉」[1867])であり、これは時々演奏され続けています。
彼のトッカータは、通常のオルガンレパートリーに残っています。彼の残りの大きな作品群は、ほとんど完全に忘れられてしまいました。
彼の理論的作品であるTraitedecontrepointetde fugue(対位法とフーガ)とTraited'harmonietheoriqueetpratique(調和)は今日でも時々使用されていて、
彼は教育においてより永続的な影響力を持っています。

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  2024/05/13   animato

木管五重奏 6つの空想から「ジプシーの子守唄」Op.87a No.3

木管五重奏 6つの空想から「ジプシーの子守唄」Op.87a No.3
トマス・ダンヒル
3. A Gypsy Lullaby
Thomas Dunhill

編成はFl.、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
クラリネット五重奏、サックス五重奏、金管五重奏は発売中です。

ロマの音楽の特徴が感じられるノスタルジックな作品をぜひ味わってください。

木管五重奏 6つの空想から「ジプシーの子守唄」Op.87a No.3
トマス・ダンヒル
3. A Gypsy Lullaby
Thomas Dunhill

編成はFl.、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

「A Gypsy Lullaby」は、イギリスの作曲家トマス・ダンヒル(Thomas Dunhill)によって作曲されたピアノ連弾のための曲です。
この曲は、ダンヒルの作品集「Four Hand Fancies, Op. 87a」の中の第3曲として位置づけられています。
ダンヒルは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活動した作曲家であり、ピアノ音楽や室内楽、歌曲などのジャンルで作品を残しました。
トマス・ダンヒル(1877年-1946年)は、イギリスの作曲家で、主に歌曲や室内楽を手がけました。
彼はイギリスの音楽教育者としても知られ、ロンドン王立音楽院で教鞭をとりました。
ダンヒルは、古典的なスタイルとロマンティックな要素を取り入れた作品を数多く作曲しました。

6つの空想と題された組曲は次のように構成されています。
1. An April Pastoral「四月の牧歌」
2. Phyllis and Corydon「フィリスとコリドン」
3. A Gypsy Lullaby「ジプシーの子守唄」
4. By the Sunlit Stream「陽だまりの小川のほとりで」
5. Cowslip Meadow「ヤマブキソウの草原」
6. Sligo Fair (A Reel)「スライゴの祭」

「A Gypsy Lullaby」は、ロマの子守唄をテーマにした作品で、ピアノのための連弾曲として作曲されています。
ピアノ連弾とは、2人のピアニストが1台のピアノで演奏するための形式であり、4つの手が交錯して複雑な音楽を奏でることができます。

この曲は、情熱的でメロディアスな旋律と、ロマの音楽の特徴であるノスタルジックなリズムや民族的な要素を取り入れています。
ダンヒルは、ロマ音楽の影響を受けつつも、自身の音楽スタイルを取り入れています。
「Four Hand Fancies, Op. 87a」は、連弾のための作品集であり、さまざまなスタイルやテーマを取り入れた楽曲が収められています。
ダンヒルの音楽は、ロマンティックな情熱やメロディの美しさが特徴であり、彼の時代の音楽の一部として高く評価されています。

この曲のテンポは緩やかで6/8拍子、三部形式で書かれています。
哀愁漂う美しいメロディーと複雑な和音進行、自由なリズムが特徴です。
「3. ジプシーの子守唄」は、ピアノ2台で演奏されます。演奏難易度は中程度です。
「3. ジプシーの子守唄」は、ダンヒルの代表作の一つとして知られています。
その哀愁漂う美しいメロディーと複雑な和音進行は、多くの聴衆を魅了しています。

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  2024/05/12   animato

クラリネット五重奏 プリモローザ(優美な)ワルツ

クラリネット五重奏 プリモローザ(優美な)ワルツ
Primorosa, Valsa
エルネスト・ナザレ
Ernesto Julio Nazareth

編成はCl.4本、Bs,Cl.です。
木管五重奏、サックス五重奏版、金管五重奏、鍵盤打楽器とベース四重奏版は発売中です。
「ブラジルの魂そのもの」と讃えられるナザレの音楽を、ぜひお楽しみください。

クラリネット五重奏 プリモローザ(優美な)ワルツ
Primorosa, Valsa
エルネスト・ナザレ
Ernesto Julio Nazareth

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

Primorosa, Valsa  プリモローザ(優美な)、ワルツ
 この曲のナザレの草稿には、"Albingia" という曲名を付けたものがあります。
ナザレは1886年にTeodora Amalia Leal de Meirellesと結婚しましたが、この曲は彼女の妹の
Dona Maria Emilia Meirellesに献呈されました。原調はニ長調です。題名通りの優美なワルツで、
美しく着飾った女性の姿を連想させる作品です。Bメロはロ短調、Cメロはト長調で重厚な和音で豪奢な響きを味わえます。
男女二人が組になって優雅に踊る様が目に浮かんでくるようで、流麗な雰囲気が出せると良いのではないでしょうか。

「ブラジルの魂そのもの」と讃えられるナザレの音楽を知らずしてブラジル音楽は語れません。
南国ののどかな風光と、アフリカの野性的なエネルギーと、ロマンティシズムが渾然と混じり、甘美で、ちょっぴり切ない独特の音楽が聞こえてきます。
ミニョーネはこう述べています。「私は1917年頃にEduardo Soutoの楽譜店でナザレに会ったことがある。ナザレは自作曲を決して急がず、
カンタービレで弾いていた。彼はこう言っていたよ、『私の作品はあちこちでメチャメチャに弾かれている。みんな速く弾きすぎだ。
特に "Apanhei-te, Cavaquinho" は酷いことになっている。あの曲はゆっくりと、左手はカヴァキーニョを思い浮かべてアルペジオで弾くもんだ』と。」

エルネスト・ジュリオ・ナザレー (Ernesto Julio Nazareth (またはNazare とも), 1863年3月20日 - 1934年2月4日)は、ブラジルのピアニスト・作曲家です。
一生をリオ・デ・ジャネイロで過ごしました。「ブラジル風タンゴ」やショーロなど、国内の民族音楽に影響されたピアノ曲を量産しました。
そのような作曲姿勢から、しばしば「ブラジルのショパン」と呼ばれています。ピアノ以外の音楽教育は学ばなかったため、
残された作品はサロン小品と声楽曲ばかりであり、管弦楽曲や室内楽・カンタータやオラトリオのような分野の大作はなく、作曲技法も必ずしも洗練されていません。
しかしながら、民衆音楽の影響のもとに切り開いた独自の素朴な詩境は、のちにヴィラ=ロボスから、「ブラジルの魂」と称賛されました。
中産階級ながらもあまり豊かでない下級官吏の家庭に生まれ、ショパンを愛する母親からピアノの手ほどきを受けました。
早い年齢でたぐい稀な音楽的才能が認められ、家族ぐるみで付き合いのあったアフロ=アメリカンの作曲家、
リュシアン・ランベールにも音楽の手ほどきを受けました。
1873年に母親が亡くなってからもピアノを学び、間もなく作曲も手がけるようになりました。
最初の出版作品のポルカ『ボセ・ベン・サービ"Voce Bem Sabe"』 (あなたはよく御存知)は、14歳になるまでに作曲・出版されました。
その後は、ショーロの楽士たちとたむろして、敏感で独特なリズム感を身につけました。マシシェ maxixe やルンドゥ lundu 、ショーロ choro 、
アフリカ系住民のダンスなど、さまざまな民族舞曲に影響されました。

長年ナザレーは、映画館オデオン座の待合室でピアニストとして働き、ここで最も有名な作品の一つ『オデオン』を作曲しました。
外国から数少ない音楽家がブラジルを訪問した際、オデオン座のナザレーの演奏を見学したといわれています。

1920年代初頭には、音楽ショップにピアニストとして雇われました。顧客が購入する際に持ち寄ってきた楽譜を見ながら、演奏し、
客の要望に沿うかどうかを確認して見せるのが任務でした。客の中に、ナザレー作品の楽譜を手ずから弾こうとする者がいると、止めさせて、
解釈が誤っていると苦情を言うのが常だったそうです。

ナザレーは、心底からのブラジル人音楽家であり、音楽は楽しまれるべきであるとして、それ以上を望みはしませんでした。
ほとんど独学であり、音楽活動のほとんどは、劇場や映画館の伴奏ピアニストとして、あるいは小劇場のアンサンブルでのピアニストとして、
演奏するのに振り当てられました。
そのような劇場アンサンブルの楽団員の知り合いには、後の大作曲家ヴィラ=ロボスがいて、当時はチェリストとして活動していました。
ナザレーはショーロの発展のおおもとであり、ヴィラ=ロボスは、これに基づき、後に自らの創作活動を繰り広げていったのです。

ナザレーは、ブラジルの民族音楽以外にも明らかに影響されていて、子供時代にむさぼるようにして学んだショパンの影響が中でも顕著です。
また、1869年にきら星のようにリオ・デ・ジャネイロにデビューして、瞬く間にブラジル楽壇を席巻したゴットシャルクの作風もナザレーにはお馴染みでした。
作品には、19世紀ヨーロッパのクラシック音楽の豊かな和声法がこだましながら、ナザレーの生地ブラジルの、シンコペーションをともなう
民族舞曲のリズム法に織り込まれてゆくのが認められます。そのうえ、アメリカ合衆国のラグタイムや初期のジャズの、小気味よいリズム感も健在である。これらの要素を統合して一つの有機体へとまとめ上げたことがナザレー独自の能力で、結果的には、ピアノ曲のレパートリーだけでなく、20世紀の音楽にも重要な貢献を果たしている。

ナザレーはショパンやその他のヨーロッパの作曲家から霊感を受けたように、逆に自らも、間接的とはいえ、ヨーロッパの作曲家に何かしらの影響を与えています。
フランス人作曲家のダリユス・ミヨーは、自伝の中で、ブラジル滞在中にリオ・デ・ジャネイロの映画館でナザレーがピアノを演奏する風景を回想しています。
ミヨーはその音楽のリズムにたちどころに虜となって、ブラジル音楽をきわめてやろうと決心したというのです。
その最終的な成果こそが、ミヨーのピアノ曲『ブラジルの想い出 Saudades do Brasil』でした。

ナザレーは「ブラジルのショパン」と呼ばれていますが、作品に副題を好んでつけた点で、ショパンとは違っています。
ショパンやフォーレよりもヨーロッパのサロン音楽の伝統に忠実だったといえます。
しかしながら19世紀から20世紀初頭まで、ヨーロッパではサロン小品にフランス語の題名をつける慣習がまだ根強く残っていたのに対して、
ナザレーは母語のポルトガル語に固執しました。
また題名によって、ドビュッシーやラヴェルのように、美術や文学からのインスピレーションをほのめかしたり、
リストのように詩的な連想を暗示することもありませんでした。
ナザレーの曲名には、しばしば第三者にとって謎めいた響きをもつものもありますが、それらは実在するスポーツチームやダンスクラブ、雑誌名など、
ナザレーの日常生活の周辺から切り取られたものばかりです。このような意味で、ナザレーは「ブラジルのショパン」と呼ぶよりは、むしろ
「ブラジルのクープラン」と呼んでこそふさわしいかも知れません。

およそ300曲のピアノ小品において、ナザレーはみごとに、大衆的なブラジル舞曲のエッセンスを捕まえています。
ナザレーは、厳密には都会の聴衆のために作曲したのですが、その作品には、(ブラジルで奴隷制が廃止された1888年以降の作品でも、)
アフリカ系民族音楽の豊かな影響が息づいています。ほとんどの曲に、スコット・ジョプリンが発想したようなシンコペーションが使われています。
ナザレーのピアノ曲には、ブラジルのありとあらゆるダンスが盛り込まれています。マシシ(英語版)、バトゥーキ(英語版)、 サンバ、
そして中でも重要なのがタンゴです。後に世界中を熱狂させ、席巻したタンゴが、ブラジル生まれだったというだけでなく、
実際にはナザレー自身の創り出したジャンルだったという証拠になるからです。
もしそれが間違いだったとしても、「ブラジル風タンゴ」の発展のほとんどにナザレーがかかわっていて、このジャンルに優に100曲を残しています。

最も有名な作品に、『ブレジェイロ(ろくでなし)"Brejeiro"』『アメノ・ヘゼダ"Ameno Reseda"』『バンビーノ(赤ん坊)"Bambino"』
『トラベッス(腕白坊主)"Travesso"』『フォン・フォン"Fon-Fon"』『テネブローズ(暗闇)"Tenebroso"』があります。
ナザレーが初めて「ショーロ」と呼んだ作品のうち、『アパニェイチ・カヴァキーニョ(頑張れカバキーニョ)"Apanhei-te Cavaquinho"』は、
さまざまな楽器アンサンブルによって演奏できる、古典的名作です。

晩年になって完全に聴覚を失うと、創作活動にも支障をきたしましたが、それでもブラジル国内ではなかなかナザレー人気は衰えませんでした。
ゴットシャルクやジョプリンを評価する人たちなら、ナザレーの残した魅力的な宝石たちをきっとたちまち気に入るに違いありません。

作曲者の死後から半世紀を経た近年になって、ナザレー作品を集めたアルバム制作が世界的にも相次いでいて、最近では伝記や、
作曲者に関するCD-ROMも発表されています。ナザレーは、クラシックとポピュラー音楽にまたがって活動したことから、ナザレーのピアノ曲は、
クラシックの学び手にも、ポピュラー音楽の学び手にも、有用な教材とされつつあります。

アトリエ・アニマート
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  2024/05/11   animato

金管五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2. 孤独なさすらい人

金管五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2
2. 孤独なさすらい人
Lyriske smastykker op.43-2
2. Einsamer Wanderer(Solitary Traveler)
Grieg, Edvard Hagerup

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.、Tubaです。
クラリネット五重奏、サックス五重奏、木管五重奏版は発売中です。

北欧グリーグの名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。

金管五重奏 グリーグ 抒情小品集 第3集 作品43-2
2. 孤独なさすらい人
Lyriske smastykker op.43-2
2. Einsamer Wanderer(Solitary Traveler)
Grieg, Edvard Hagerup

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.、Tubaです。
クラリネット五重奏、サックス五重奏、木管五重奏版は発売中です。

北欧グリーグの名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。

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参考音源
https://youtu.be/61l35_zK47I

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

1867年、《ピアノ協奏曲イ短調 作品16》で一躍有名になったグリーグは、この年から1901年にかけてこの作品集を書き上げました。
生涯にわたって作曲されているため、グリーグの作風、ピアニズム、その変遷すべてがその中にあらわれていて、グリーグの作品の中でも中心的な存在です。
いずれも1分~6分程度のかるめの小品であり、ステージ用というよりは、主にサロンや家庭で広く親しまれていました。
いずれの曲も標題がつけられていて、それぞれの曲に対して、一つの感情、気分、情景が表現されています。
1867年、第1集を発表しましたが、その後ピアノ、作曲、指揮など多忙だったこともあり、第2集が発表されたのは、その16年後でした。
第2集から第10集は間隔をおきながら続けて作曲されました。全10巻で、計66曲の作品がおさめられています。

エドヴァルド・グリーグ(Edvard Grieg)の「抒情小品集 第3集 作品43」は、ノルウェーの作曲家による
ピアノ曲のコレクションで、6つの小品から成り立っています。
この作品集は、19世紀末に作曲され、グリーグの音楽の特徴であるロマンティックなメロディ、
ノルウェーの民俗音楽からの影響、美しい自然への愛情が表現されています。

1. 蝶々 (Butterfly - Sommerfugl)
「蝶々」は、優美で軽快なメロディとアーペジオ(分散和音)を特徴とする小品です。
タイトル通り、蝶の羽ばたきをイメージさせる音楽で、自然の美しさと軽快な雰囲気を表現しています。

2. 孤独なさすらい人 (Solitary Traveler - Ensom Vandrer)
「孤独なさすらい人」は、静けさと孤独感が漂う小品で、静かなピアノ音色が心に響きます。
この曲は、一人の旅人が自然の中で孤独な冒険に出発する様子を表現しています。

3. 故郷にて (At Your Feet - For dine Fotter)
「故郷にて」は、ロマンティックな愛情をテーマにした小品です。
優美なメロディと優れた対位法の使用が特徴で、愛する人に対する献身と情熱を表現しています。

4. 小鳥 (Little Bird - Liten Fugl)
「小鳥」は、小鳥のさえずりや飛び跳ねるような楽しさを表現した小品です。
軽快なリズムと陽気なメロディが特徴で、自然界の生命力を感じさせます。

5. 愛の歌 (Erotikon - Erotikon)
「愛の歌」は、情熱的で情感豊かな小品で、愛と情熱のテーマが探求されています。
感情的なメロディと魅力的なハーモニーが特徴で、愛の情熱を表現しています。

6. 春に寄す (To Spring - Til Varen)
「春に寄す」は、春の訪れと自然の復活を祝う小品です。
明るく、希望に満ちたメロディが春の美しさと活気を表現しています。

これらの曲は、グリーグのロマンティックなピアノ音楽の魅力を存分に楽しむことができるもので、
各曲が異なるテーマや感情を表現し、ピアノ奏者や聴衆に感動を与えます。

「抒情小品集 第3集 作品43」は、グリーグのピアノ作品の中でも美しい作品の一つであり、
彼のロマンティックな音楽の魅力を堪能できるものとなっています。
各小品は、自然や愛情、孤独な旅など、さまざまなテーマを通じて感情を表現し、
ピアノ奏者や聴衆に感動と共感をもたらします。

アトリエ・アニマート
https://animato-jp.net/

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  2024/05/10   animato