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2025年11月

木管四重奏 四声のガリアルド

木管四重奏 四声のガリアルド
エドワード・ジョンソン
Gagliarda a4
Edward Johnson(作曲)/ William Byrd(編曲)

編成はFl.、Ob.、Cl.、Bsn.です。
クラリネット四重奏、サックス四重奏、金管四重奏版は発売中です。

ヴァージナル楽派特有の芸術的完成度の魅力をぜひ味わってください。

木管四重奏 四声のガリアルド
エドワード・ジョンソン
Gagliarda a4
Edward Johnson(作曲)/ William Byrd(編曲)

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参考音源
https://youtu.be/-oMA16io-PY

Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCbc_7CUTWTYOuyu_WQcflxQ

アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
https://animato-jp.net/rec-band/gakufu.html

1. Edward Johnsonについて
イングランドの作曲家・リュート奏者。Thomas MorleyやByrdと同時代に活動。
合唱曲・リュート音楽・舞曲を残している。
Byrdと同じく Elizabeth I時代の音楽文化圏に属し、互いに影響を及ぼし合った。

2. Byrdによる「set」の意味
「set by William Byrd」は、オリジナル素材(旋律や曲)を 鍵盤用に編曲・再構成したことを意味する。
当時は「consort曲」「声楽曲」「舞曲」を、オルガンやヴァージナル(家庭用鍵盤楽器)で弾けるようにするのが一般的。
Byrdは Johnsonの旋律や構造を尊重しつつ、自身の対位法技法で精緻化している。

3. 音楽的特徴
舞曲形式:3拍子系の活発な舞曲(ガリアルド)。
原曲の特徴:旋律や舞曲リズムはJohnsonに由来。

Byrdの寄与:
4声部を厳密に組み替え、模倣的処理を強化
和声進行を安定させ、鍵盤での響きを最適化。
舞踏的なシンプルさに「芸術的ポリフォニー」の要素を加えた。

4. 教育的要素
奏者にとっては:
ガリアルド特有の跳躍リズムを維持しながら、
声部独立性を表現する練習となる。
Johnsonの舞曲を通じて、Byrdがいかに「素材を芸術音楽へ昇華」したかを学べる。

5. 芸術的意義
Johnsonの世俗舞曲を、Byrdが鍵盤音楽の文脈に移植したことで、舞踏音楽と芸術的ポリフォニーの橋渡しとなった。
これにより、イングランド鍵盤音楽(ヴァージナル楽派)のレパートリーに組み込まれ、後世に伝わる形となった。
つまり、この作品は 共同的成果(Johnsonの旋律 × Byrdの技法) と言える。

まとめ
《Gagliarda a4, Edward Johnson》 は、Edward Johnson が作曲した舞曲を、William Byrd が鍵盤用に再構成(set)した作品。Johnsonのリズム感と旋律を活かしつつ、Byrdが対位法的技術で磨きをかけ、ヴァージナル楽派特有の芸術的完成度に高めています。

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  2025/11/30   animato

金管五重奏 6つの小品 Op.38から6.行進曲

金管五重奏 6つの小品 Op.38から6.行進曲
ルフェブール=ヴェリー
6 Organ Pieces, Op.38-6. Marche
Lefébure-Wély, Louis James Alfred
(3 Marches & 3 Élévations)

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.、Tubaです。
サックス五重奏、木管五重奏、クラリネット五重奏版は発売中です。

フランス・ロマン派の作品を演奏で味わいたいものです。
コンサートピースの小品に、ぜひどうぞ。

金管五重奏 6つの小品 Op.38から6.行進曲
ルフェブール=ヴェリー
6 Organ Pieces, Op.38-6. Marche
Lefébure-Wély, Louis James Alfred
(3 Marches & 3 Élévations)

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
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ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェブール=ヴェリー(Louis James Alfred Lefébure-Wély)の作品38は、
6つのオルガン曲からなる組曲です。この組曲は、「3つの行進曲」と「3つのエレヴァシオン」から構成されています。

1. マーチ(C長調)Marche (C major)

調性とリズム:C長調で書かれており、行進曲の特徴的なリズムが際立っています。明るく、軽快な曲調が特徴です。
テーマと変奏:簡潔ながらも活気に満ちたメロディが特徴であり、テーマが提示された後に短い変奏が展開されることが一般的です。
変奏部では、メロディの装飾やリズムの変化が見られます。
オルガンの響き:オルガンの管音やストップを用いて、明るく華やかな響きが楽しめます。

2. エレヴァシオン(E長調)Élévation (E major)

調性と雰囲気:E長調で書かれており、荘厳で神聖な雰囲気が漂います。
エレヴァシオンは、聖体拝領の際に演奏される静かで祈りに満ちた曲です。
テンポと表現:ゆっくりとしたテンポで演奏され、美しい旋律が静かに響きます。表現力豊かな演奏が求められます。

3. エレヴァシオン(A♭長調)Élévation (A♭ major)

調性と感情:A♭長調で書かれています。前のエレヴァシオンと同様に、静かで神聖な雰囲気が特徴ですが、
異なる旋律と和音進行が展開されます。
メロディと和声:美しい旋律が静かに奏でられ、和声の変化が豊かな表現を生み出します。

4. 軍隊行進曲(F長調)Marche militaire (F major)

この楽章は、F長調で書かれています。マーチの形式に則っており、明るく躍動感のある曲想が特徴です。
ルフェブール=ヴェリーのオルガン曲の中でも、特にこのマーチは人気があります。
調性とリズム:F長調の明るい調子で開始し、マーチの特有のリズムが続きます。
このリズムは、行進をイメージさせる活気に満ちたものです。
テンポと動き:一般的なマーチのテンポで演奏され、リズミカルかつ活気に満ちています。
演奏者は安定感のあるリズムを保ちながら、力強く曲を進めていきます。
テーマと変奏:独自の主題が提示され、その後、様々な変奏が展開されます。
変奏部では、リズムや和音の変化を通じて興味深い展開が行われます。
このマーチは、ルフェブール=ヴェリーのオルガン曲の中でも重要な位置を占めており、
そのエネルギッシュな雰囲気と技巧的な作曲技法によって知られています。

5. エレヴァシオン(B♭長調)5. Élévation (B♭ major)
調性と表現:B♭長調で書かれており、神聖な雰囲気が漂います。
前のエレヴァシオンと同様に、静かながらも感情豊かな旋律が特徴です。
テンポと表現:ゆっくりとしたテンポで演奏され、静かな響きが聴衆を包み込みます。

6. マーチ(F長調)Marche (F major)
この楽章についても既に解説済みですので、省略します。
これらの楽章は、それぞれ独自の魅力と表現を持ち、組曲全体として多様な音楽的体験を提供します。

●ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール=ヴェリー (1817年11月13日 - 1869年6月30日) は、
19世紀フランスのオルガン奏者、作曲家です。即興演奏の名手として知られ、数多くのオルガン曲を作曲しました。

初期の経歴
ルフェビュール=ヴェリーは、パリで生まれました。幼い頃から音楽に興味を持ち、ピアノとオルガンを学びました。
1836年、パリ音楽院に入学し、オルガンをルイ・ジメに、作曲をジョゼフ・オーギュスト・ダンジューに師事しました。

演奏家としての活動
1841年、ルフェビュール=ヴェリーはサン=ロッシュ教会のオルガニストに就任しました。
彼は、この教会でオルガン演奏の才能を発揮し、多くの聴衆を魅了しました。

1846年、ルフェビュール=ヴェリーはマドレーヌ教会のオルガニストに就任しました。
彼は、この教会でもオルガン演奏の才能を発揮し、さらに名声を高めました。

作曲家としての活動
ルフェビュール=ヴェリーは、数多くのオルガン曲を作曲しました。
彼の作品は、即興演奏的な性格とロマンティックな旋律が特徴です。
代表作には、「6つの小品」、「交響曲ト短調」、「幻想曲とフーガ」などがあります。

晩年
ルフェビュール=ヴェリーは、1869年にパリで亡くなりました。享年51歳。

ルフェビュール=ヴェリーの評価
ルフェビュール=ヴェリーは、19世紀フランスを代表するオルガン奏者、作曲家です。
彼は、即興演奏の名手として知られ、数多くのオルガン曲を作曲しました。
彼の作品は、今日でも多くのオルガニストによって演奏されています。

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  2025/11/29   animato

クラリネット四重奏 バターリャ第1番

クラリネット四重奏 バターリャ第1番
ホセ・ヒメネス
Batalla 1(Primera)
José Jiménez

編成はCl.4本、Bs.Cl.です。
サックス四重奏、木管四重奏、金管四重奏版は発売中です。

17世紀スペイン黄金期、世俗的劇的効果の融合の魅力をぜひ味わってください。

クラリネット四重奏 バターリャ第1番
ホセ・ヒメネス
Batalla 1(Primera)
José Jiménez

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スペイン黄金期のオルガン音楽家 José Jiménez (1601–1672) 
その代表的作品である 《Batalla 1 de sexto tono》、《Batalla 2 de sexto tono》 

José Jiménez (1601–1672)
スペイン・セビーリャ出身のオルガニスト、作曲家。
セビーリャ大聖堂のオルガニストであった Francisco Correa de Arauxo に師事。
1640年以降は トレド大聖堂のオルガニストを務め、当時スペインで最も権威あるオルガン奏者の一人に数えられた。
作風は、スペイン・オルガン楽派の典型として、厳格な対位法と劇的な即興的パッセージを融合させている。

Batalla(バターリャ)というジャンル
「Batalla」=スペイン語で「戦い(Battle)」を意味する。
16世紀後半から17世紀にかけてスペイン・ポルトガルのオルガン音楽で盛んに作曲された様式。

特徴:
金管ファンファーレ風の和音連打
リズミカルで戦闘的な模倣動機
左右手の掛け合いによる対抗効果
礼拝中に戦争や勝利を象徴的に表現するために用いられることもあった。

《Batalla 1 de sexto tono(Primera)》
調性:「第6旋法」(モード的解釈で ヒポリディア、現代的には F 旋法または近似的にニ短調/ヘ長調系に聞こえる)。
特徴:
開始部でオクターブの強奏を模倣的に繰り返し、戦いの開始を描写。
中間部では分散和音的モチーフが繰り返され、攻防の応酬を思わせる。
最後は荘厳な和音で締めくくられる。

教育的要素:対位法的模倣と和音の強調を両立させる練習曲的性格を持つ。

《Batalla 2 de sexto tono(Segunda)》
第1番に比べてより発展的で、複雑なリズム処理と多声部的展開が目立つ。

特徴:
戦闘的リズムが次第に音域を広げ、オルガン全体を響かせる。
ティエント(自由対位法的オルガン曲)の技法とバターリャの戦闘的効果を融合。
和声的な緊張と解放を繰り返しながら、勝利の高揚感を強調する。
芸術的完成度:第1番が比較的単純で「典型的バターリャ」であるのに対し、第2番はより壮大で発展的な構築を持つ。

まとめ
José Jiménez はスペイン黄金期オルガン楽派の中核的存在であり、その Batalla 作品は当時の「戦いを描く音楽」の代表。
《Batalla 1 de sexto tono》:典型的な戦闘音楽、明快で教育的。
《Batalla 2 de sexto tono》:発展的・壮麗で、劇的効果が強い。
両曲は、礼拝と世俗的劇的効果の融合を示す17世紀スペイン・オルガン音楽の典型であります。

José Jiménez(ホセ・ヒメネス, 1601–1672) は、17世紀スペインの作曲家・オルガニストで、スペイン黄金時代(Siglo de Oro) に活躍した宗教音楽と鍵盤音楽の作曲家として知られています。彼はイベリア半島のポリフォニー伝統を継承しつつ、バロック初期の和声的・装飾的なスタイルへと移行する過程に大きな役割を果たした人物です。

生涯
生没年:1601年ごろ – 1672年ごろ
出身地:スペイン南部と考えられています(正確な出生地は不明)。
職業:オルガニスト、作曲家
活動拠点:主にセビーリャ大聖堂(Catedral de Sevilla) に所属していたとされます。
セビーリャ大聖堂は当時、スペイン最大級の宗教音楽の中心地であり、ヒメネスはそこのオルガニストとして活躍しました。

音楽スタイルの特徴
José Jiménez は、スペインのオルガン音楽の中でも特に対位法的な精密さと強いリズム感、華やかな装飾音が特徴的です。
彼の作品は、後の**Juan Cabanilles(フアン・カバニリェス)**に繋がるスペイン・オルガン楽派の伝統の中で重要な位置を占めています。

主な特徴
厳格な対位法:ルネサンス的なポリフォニーの技法を保持している。
リズミカルな活力:「Batalla(バターリャ=戦い)」などの作品で見られる軍楽的・祝祭的なリズム。
装飾的旋律線:鍵盤音楽に特有の即興的装飾(グロッサ)を多用。
和声の明確化:バロック的な調性感の萌芽を示す。

代表作
《Batalla 1 de sexto tono》および《Batalla 2 de sexto tono》
ジャンル:オルガンのための戦闘的作品(Batalla=戦い)
「Batalla」は当時のスペインで人気の形式で、トランペットのファンファーレや軍隊行進を模倣しています。
ヒメネスの《Batalla》は、明確なリズム、力強い和声、装飾的な即興風のパッセージが特徴で、聴く者を惹きつける英雄的・祝祭的な響きを持ちます。
曲名にある「de sexto tono」は、「第6教会旋法(mode 6)」を意味し、調性概念が未確立だった時代の旋法的音楽構造を示しています。

スペイン・オルガン楽派との関係
José Jiménez は、フランシスコ・コレア・デ・アラウホ(Francisco Correa de Arauxo, 1584–1654)の後継世代にあたります。
彼はその伝統を受け継ぎ、後のJuan Cabanillesへと続くスペイン・オルガン音楽の系譜を形成しました。
この系譜は次のように整理できます:
Correa de Arauxo → José Jiménez → Juan Cabanilles
この流れの中で、ヒメネスはルネサンス的厳格さと初期バロック的自由さの橋渡しをした人物です。

まとめ
名前    José Jiménez(ホセ・ヒメネス)
生没年    1601–1672
出身/活動地    スペイン(主にセビーリャ)
職業    作曲家・オルガニスト
代表作    《Batalla 1 de sexto tono》《Batalla 2 de sexto tono》など
音楽様式    スペイン・バロック初期、対位法的・旋法的・装飾的
影響    Juan Cabanilles など後のスペイン鍵盤音楽家に影響

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  2025/11/28   animato

サックス四重奏「至聖の乙女にして最も優しき母(聖母マリア)」

サックス四重奏「至聖の乙女にして最も優しき母(聖母マリア)」
ボナヴェントゥーラ・チェッリ
Sanctissima Virgo dulcissima Mater
Bonaventura Cerri(1629-1685)作曲

編成はソプラノ、アルト、テナー、バリトンです。
クラリネット四重奏、木管四重奏、金管四重奏版は発売中です。

イタリアにおけるルネサンス音楽の魅力をぜひ味わってください。

サックス四重奏「至聖の乙女にして最も優しき母(聖母マリア)」
ボナヴェントゥーラ・チェッリ
Sanctissima Virgo dulcissima Mater
Bonaventura Cerri(1629-1685)作曲

編成はソプラノ、アルト、テナー、バリトンです。
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イタリアにおけるルネサンス音楽の魅力をぜひ味わってください。

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Bonaventura Cerri (1629–1685) は17世紀後半のイタリア作曲家で、フランチェスコ会の修道士・聖職者として宗教音楽を中心に活動していました。
《Sanctissima Virgo》は彼の聖母賛歌作品のひとつで、清らかで礼拝的な性格を持つモテットです。
ボナヴェントゥーラ・チェッリ
Bonaventura(ボナヴェントゥーラ)=「幸運な旅」や「良き運命」の意味
Cerri(チェッリ)=イタリア語で「樫の木々」などを意味する姓です。

1. 背景
作曲時期:17世紀後半(ローマや北イタリアで活躍中の時期)
用途:聖母マリアの祝日や晩課(Vespers)での奉献歌、または修道院内の特別礼拝で演奏。
音楽的潮流:ポリフォニー後期から初期バロックへの過渡期。パレストリーナ様式を基盤としつつ、感情表現や和声の彩りが加えられている。
Sanctissima Virgo dulcissima Mater はラテン語で、直訳すると
「至聖の乙女、至愛の母」となります。
Sanctissima = 「最も聖なる(至聖の)」
Virgo = 「乙女(処女)」
dulcissima = 「最も優しい/最も愛らしい/最も甘美な」
Mater = 「母」
宗教曲では「乙女」は聖母マリアを指すため、意訳すると
「至聖の乙女にして最も優しき母(聖母マリア)」となります。
典礼や賛歌の文脈では「聖母マリアよ、至聖にして最も優しき御方」という祈りの呼びかけとして使われます。
Sanctissima Virgo の読み方は、

2. 構成と音楽的特徴
構造
冒頭(荘厳な提示部)
「Sanctissima Virgo」というテキストをホモフォニック(全声部同じリズム)で荘厳に開始。
教会旋法を基調にし、平穏な雰囲気を醸す。

中間部(模倣的展開)
「Virgo」や「Mater Dei」といった重要語で旋律が模倣される。
ソプラノ→アルト→テノール→バスの順に動機が移ることが多い。

終結部(静謐な閉じ)
長い音価と安定和音による終止。
最後は完全終止(V–I)で明確に閉じるが、音量は抑えめ。

和声と旋律
モード:多くはドリアまたはミクソリディア系で、柔らかい終止感を持つ。
和声:不協和は準備・解決が丁寧、教会音楽的な透明感。
メロディ:大きな跳躍よりも順次進行中心。重要語では上昇形を使用し賛美感を強調。

リズム
主に長い音価が中心。重要部分でやや速い動きに転じ、感情の高まりを演出。
「Sanctissima」では静、
「Virgo」や「Mater」ではやや活動的になる。

3. 表現と演奏上の留意点
テキスト理解が最優先。ラテン語の意味とアクセントを声のニュアンスに反映させる。
ブレス位置はテキストの文法区切りに合わせ、流れを途切れさせない。
音色の統一:修道院での演奏を想定し、柔らかく、響きすぎない声で。
装飾の節度:初期バロック的に僅かなアジリタ(速い音型)があっても、過剰にしない。

4. 音楽的意義
この曲は、パレストリーナ直系のポリフォニー様式と
17世紀的な感情的和声運びを融合させた好例です。
バロック期の「感情表現」とルネサンス期の「清浄さ」が共存し、宗教音楽の過渡期を体感できます。

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  2025/11/27   animato

木管五重奏 12のヴォランタリーから第9曲

木管五重奏 12のヴォランタリーから第9曲
サミュエル・ウェズリー
12 Voluntaries, Op. 6
Wesley, Samuel

編成はFl.、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
サックス五重奏、クラリネット五重奏、金管五重奏版は発売中です。
イギリスの格式と感性を味わえる音楽を、ぜひお楽しみください。

木管五重奏 12のヴォランタリーから第9曲
サミュエル・ウェズリー
12 Voluntaries, Op. 6
Wesley, Samuel

編成はFl.、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
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サミュエル・ウェズリー作曲の「12 Voluntaries, Op. 6」は、オルガン演奏における重要な作品集の一つです。
1820年に作曲され、1822年に出版されました。全12曲からなり、自由な形式の前奏曲、ファンタジー、フーガなどの形式で作られています。

作品の特徴
ウェズリーの豊かな音楽性と高度な作曲技法が存分に発揮されており、オルガン音楽の様々な可能性を探求した作品集と言えます。
対位法、和声、リズム、音色など、様々な要素を用いて、表現豊かな音楽を作り上げています。
難易度が高く、演奏には高度な技巧と音楽性が要求されますが、同時に大きな音楽的喜びを与えてくれる作品です。

各曲の特徴
12 Voluntaries, Op. 6の各曲は、それぞれ異なる形式で作られており、様々な表情を見せてくれます。

第1曲: 堂々としたフーガ
第2曲: 優美なカノン
第3曲: 力強いト短調の前奏曲
第4曲: 華麗なロンド
第5曲: 哀愁漂うアダージョ
第6曲: 軽快なスケルツォ
第7曲: 荘厳なパッサカリア
第8曲: 明るい変ロ長調の前奏曲
第9曲: 瞑想的なト短調の前奏曲
第10曲: 華麗なフーガ
第11曲: 優美なカプリッチョ
第12曲: 力強いフィナーレ

演奏
「12 Voluntaries, Op. 6」は、多くのオルガニストによって演奏されています。
有名な演奏家には、ピーター・ハーヴェイ、フランク・ヴィーガント、ロビン・ラッセンなどがあります。

録音
「12 Voluntaries, Op. 6」の録音は多数存在します。
近年では、オルガンの新しい録音技術を用いた高音質な録音もリリースされています。

評価
「12 Voluntaries, Op. 6」は、オルガン音楽史における重要な作品として高く評価されています。
その豊かな音楽性、高度な作曲技法、そしてオルガンという楽器の可能性を最大限に引き出した表現力は、
多くのオルガニストや音楽愛好家を魅了し続けています。

日本での演奏
日本でも、多くのオルガニストによって「12 Voluntaries, Op. 6」が演奏されています。
近年では、オルガン演奏コンクールの課題曲としても取り上げられることがあります。

サミュエル・ウェズリー(1766年2月17日 - 1837年4月11日)は、19世紀イギリスのオルガニスト・作曲家です。

ウェズリーはロンドンで生まれ、父親のチャールズ・ウェズリーから音楽教育を受けました。
1789年から1837年まで、ロンドン各地の教会でオルガニストを務めました。

ウェズリーは、オルガン演奏家としてだけでなく、作曲家としても活躍しました。
オルガンのための作品を中心に、アンセム、合唱曲、室内楽など、様々な作品を残しています。

ウェズリーの作品は、豊かな旋律と高度な対位法技法によって特徴付けられます。
また、オルガンの音色を効果的に使った作品も多く、オルガン音楽の発展に大きく貢献しました。

代表作

12 Voluntaries, Op. 6
6 Fugues, Op. 7
Rejoice in the Lord, Op. 39
Watch with Me, Op. 47

同時代の作曲家との比較
1. ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (Ludwig van Beethoven)
時代背景: 古典派からロマン派への架け橋として位置づけられる。
スタイル: 力強い感情表現や革新的な形式が特徴。特に交響曲やピアノソナタでの革新が際立つ。
ウェスリーとの違い: ベートーヴェンはオーケストラ音楽や器楽曲での影響力が大きいのに対し、
ウェスリーは主にオルガン音楽や宗教音楽に焦点を当てている。

2. フランツ・シューベルト (Franz Schubert)
時代背景: ロマン派の初期に活動し、歌曲や室内楽で知られる。
スタイル: メロディの美しさと感情の深さが特徴。特に歌曲(リート)での表現力が高い。
ウェスリーとの違い: シューベルトは声楽作品に特化しており、オルガン音楽のような器楽的な作品は少ない。
ウェスリーは宗教的なテーマを持つオルガン音楽に特化している。

3. ロベルト・シューマン (Robert Schumann)
時代背景: ロマン派の作曲家で、特にピアノ音楽と歌曲に貢献。
スタイル: 感情的で個人的な表現が強く、音楽の中に詩的な要素を取り入れる。
ウェスリーとの違い: シューマンはピアノ曲や歌曲が中心で、オルガン音楽に特化した作品は少ない。
ウェスリーは教会音楽の伝統を重視している。

4. フェリックス・メンデルスゾーン (Felix Mendelssohn)
時代背景: ロマン派の作曲家で、オーケストラ音楽や宗教音楽でも知られる。
スタイル: 古典的な形式を重視しつつ、ロマン派的な感情を表現。
ウェスリーとの共通点: メンデルスゾーンも宗教音楽に力を入れており、オルガン作品も残しています。
ウェスリーと同じく、宗教的なテーマを持つ作品がある点で共通しています。

このように、サミュエル・ウェスリーは、19世紀初頭の音楽界において独自の位置を占めており、
特にオルガン音楽や宗教音楽に特化しています。
他の作曲家たちは、より広範なジャンルで活動しており、器楽曲や声楽曲において革新をもたらしました。
ウェスリーの作品は、宗教的なテーマやオルガン音楽の伝統を重視している点で、特異な存在と言えます。

ウェズリーは、イギリスのオルガン音楽史において重要な人物として評価されています。
その作品は、現代でも多くのオルガニストによって演奏されています。

日本では、ウェズリーの音楽はあまり知られていませんが、近年その評価が高まりつつあります。
近年では、オルガニストによる演奏会や、CDのリリースなどが行われています。
サミュエル・ウェズリーは、モーツァルトと同時代に活躍し、「イングランドのモーツァルト」と称賛されることもあります。

生い立ちと音楽教育
ウェズリーは、ブリストルで、著名なメソジスト牧師であり賛美歌作曲家であるチャールズ・ウェズリーの息子として生まれました。
祖父は詩人のサミュエル・ウェズリー、伯父はメソジスト教会の創設者であるジョン・ウェズリーです。

幼い頃から音楽的才能を発揮し、6歳でオルガン演奏を始めました。
10代前半にはロンドンに移住し、作曲家兼オルガニストのトマス・アーネスト・アトウッドに師事しました。

音楽活動
ウェズリーは、ロンドン、ブリストル、グラスゴーなどの主要都市でオルガニストとして活躍しました。
また、数多くの合唱曲、オルガン曲、ピアノ曲、室内楽などを作曲しました。

彼の作品は、古典的な形式とロマン派的な感性を融合させた独自のスタイルで知られています。
特に、オルガン曲には高い評価を得ており、今日でも演奏され続けています。

ウェズリーとモーツァルト
ウェズリーは、モーツァルトの音楽を深く愛しており、その影響を強く受けています。
彼の作品には、モーツァルトの音楽に通じるメロディーの美しさや形式的な完成度が見られます。
また、ウェズリーはモーツァルトのピアノソナタの編曲なども行っています。

晩年
ウェズリーは晩年、精神的な病気を患い、音楽活動から遠ざかりました。
1837年、ロンドンで61歳で亡くなりました。

ウェズリーの音楽的遺産
ウェズリーは、イギリス音楽史における重要な人物であり、その作品は今日でも高く評価されています。
特に、オルガン音楽は、イギリスのオルガン演奏の伝統に大きな影響を与えました。

ヴォランタリー(Voluntary)は、オルガン演奏における自由な形式の作品です。
特定の礼拝の儀式に関連付けられることなく、演奏者の任意で演奏されるのが一般的です。

ヴォランタリーの起源は16世紀イングランドに遡ります。当初は、礼拝の開始前や終了後に演奏される短い即興演奏でした。
その後、徐々に形式化され、作曲されたヴォランタリーも登場するようになりました。

ヴォランタリーには、特定の形式はありません。
前奏曲、フーガ、ファンタジー、コラール前奏曲など、様々な形式の作品がヴォランタリーとして演奏されます。

ヴォランタリーは、オルガニストの技量を披露する場としてだけでなく、礼拝堂の雰囲気を盛り上げたり、
聴衆の祈りを深めたりする役割も担っています。

代表的な作曲家

ヴォランタリーを代表する作曲家には、以下のような人物がいます。
ディートリヒ・ブクステフーデ:ドイツのバロック時代の作曲家。華やかで技巧的なヴォランタリーで知られています。
ヨハン・セバスチャン・バッハ:ドイツのバロック時代の作曲家。深みのある音楽性と高度な作曲技法を駆使したヴォランタリーを残しています。
ウィリアム・ボイス:イギリスのバロック時代の作曲家。優美で洗練されたヴォランタリーで知られています。
フェリックス・メンデルスゾーン:ドイツのロマン派時代の作曲家。ドラマティックで表現豊かなヴォランタリーを残しています。
シャルル=ヴィドール:フランスのロマン派時代の作曲家。瞑想的で詩情豊かなヴォランタリーで知られています。

現代におけるヴォランタリー
現代でも、多くの作曲家がヴォランタリーを作曲しています。
また、オルガニストによる即興演奏も盛んに行われています。

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  2025/11/26   animato

金管五重奏 5声のパヴァーヌ 第5番

金管五重奏 5声のパヴァーヌ 第5番
アルフォンソ・フェッラボスコ 2世
Pavan à5 No.5
Alfonso Ferrabosco II(c.1575–1628)

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.、Tubaです。
木管五重奏、サックス五重奏、クラリネット五重奏版は発売中です。

イギリス宮廷を彩った名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。

金管五重奏 5声のパヴァーヌ 第5番
アルフォンソ・フェッラボスコ 2世
Pavan à5 No.5
Alfonso Ferrabosco II(c.1575–1628)

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1. 背景
フェッラボスコ2世はエリザベス朝からジェイムズ1世期にかけてイングランド宮廷で活動し、
ヴァイオル・コンソート(viol consort)のための器楽作品 を多数残しました。
彼のパヴァーヌは、単なる舞踏音楽を超えて、対位法的練習曲・芸術的な合奏作品として扱われています。
《Pavan à5》シリーズは、教育的意図(特定の音や動機に基づくもの)と芸術的意図(旋律的自由さ)を兼ね備えています。

2. 形式と編成
形式:パヴァーヌ特有の三部形式(AABBCC)。
編成:5声のヴァイオル・コンソート(トレブル、アルト、テナー×2、バス)。

3. No.5 の特徴
主題素材
No.1(4音主題)、No.2(7音主題)のような「音数制限主題」ではなく、
より自由な旋律素材 を展開。
No.4同様に旋律的な広がりが見られるが、No.5はさらに モチーフの展開力 が強い。

対位法処理
主題が各声部で模倣的に現れ、声部の交差が多用される。
特に内声(アルト、テナー)の動きが活発で、響きの厚みを生み出します。

和声と響き
モード的な響きに基づきつつ、終止部では明確に調的安定感を持たせる。
和声の進行は荘重ですが、局所的に半音階的な表現も見られる。

音楽的性格
No.5は、全体に 威厳と緊張感 を湛えた性格が強い。
舞踏的要素は薄く、むしろ 瞑想的・荘厳な合奏曲 としての性格が前面に出ています。

4. 音楽史的意義
《Pavan à5 No.5》は、フェッラボスコ2世の後期パヴァーヌ群に属し、
「教育的」から「芸術的」へと移行した典型的な例。
対位法練習曲としての性格を保持しながら、音楽的完成度が高く、後のジェンキンスやギボンズらイングランド作曲家に影響を与えました。

まとめ
《Pavan à5 No.5》は、フェッラボスコ2世のパヴァーヌの中でも特に荘重で対位法的に密度の高い作品。舞曲としてよりも芸術的合奏曲として位置づけられ、イングランド・ヴァイオル音楽の成熟を象徴する。
フェッラボスコ2世のパヴァーヌ群は、当時のイングランドで「器楽ポリフォニーの粋」とされ、バードやジェンキンス、ギボンズらの作品にも影響を与えました。

Pavan(パヴァーヌ)という舞曲形式について(音楽史的背景から特徴まで)
1. 起源と時代
起源:16世紀初頭のイタリア。語源は「パドヴァの舞曲(Padovana)」に由来するとも、スペイン語の「pavón(孔雀)」に由来するとも言われています。
普及:ルネサンス後期から17世紀初頭にかけて、ヨーロッパ各地で非常に人気がありました。特にイングランド、フランスで多く作曲されています。
役割:宮廷の公式行事や儀式で演奏される荘重な舞曲。バロック時代初期には次第に衰退しました。

2. リズムと拍子
拍子:通常は二拍子(2/2 =カットタイム)。
テンポ:ゆったりとした歩くようなテンポ。
リズム:均整のとれたフレーズが特徴で、しばしば2小節または4小節単位で進行。

3. 形式
三部構造(AABBCC) が一般的。
各部は反復される(リピート付き)。
しばしば次の「Galliard(ガイヤルド、跳躍的で速い三拍子舞曲)」と対で組まれることが多い。
多声音楽との融合:声楽的パヴァーヌや器楽合奏用のパヴァーヌも多く作られ、模倣や対位法的処理が多用されました。

4. 音楽的特徴
荘重で静かな雰囲気:宮廷的で威厳を持ち、祝典の入場行進曲のような性格を持つ。
旋律:平穏で流麗。しばしばカデンツは明快で、典礼音楽にも使えるほど整然としている。
対位法:イングランドの作曲家(フェッラボスコやバード)は、短いモチーフを展開して緻密なポリフォニーを構築しました。

5. 代表的な作曲家と作品
イタリア:Andrea Gabrieli, Claudio Merulo など。
イングランド:William Byrd, Alfonso Ferrabosco II, John Dowland。
フランス:Claude Gervaise など。
ドイツ:Michael Praetorius(舞曲集『Terpsichore』に収録)。

6. 意義
舞曲としての役割:宮廷社会における儀礼・格式を象徴する舞曲。
芸術的発展:単なる舞踏音楽に留まらず、主題展開や対位法練習の題材としても重要視された。
音楽史的な位置付け:ルネサンス舞曲の代表格であり、後の「組曲(Suite)」の冒頭曲に選ばれることもありました(ただしフランス組曲ではアルマンドなどに置き換わっていく)。
つまり「Pavan」は、ゆったりとした歩みのような二拍子舞曲であり、荘重さと対位法的構築性を兼ね備えた、ルネサンスを象徴する舞曲形式なのです。

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  2025/11/25   animato

クラリネット六重奏 第12番ソナタ《ラ・アンジョレッタ》

クラリネット六重奏 第12番ソナタ《ラ・アンジョレッタ》
ジョヴァンニ・バッティスタ・グッサーゴ
Sonata duodecima "L’Angioletta"
Giovanni Battista Gussago (c. 1560–c. 1612)

編成はCl.5本、Bs.Cl.です。
サックス六重奏、木管六重奏、金管六重奏版は発売中です。

イタリアにおけるルネサンス音楽の魅力をぜひ味わってください。

クラリネット六重奏 第12番ソナタ《ラ・アンジョレッタ》
ジョヴァンニ・バッティスタ・グッサーゴ
Sonata duodecima "L’Angioletta"
Giovanni Battista Gussago (c. 1560–c. 1612)

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Giovanni Battista Gussago《Sonata duodecima "L’Angioletta"》
1. 作曲者について
ジョヴァンニ・バッティスタ・グッサーゴは、ブレシア(北イタリア)出身の作曲家・オルガニスト。
活動時期は16世紀末~17世紀初頭。
代表作は器楽曲集 《Sonate a quattro, sei, otto, dieci, et dodici voci, op. 1》(1608, ブレシア刊)。
タイトルの通り、編成は4声から12声まで様々。
これは器楽ソナタの最初期の出版物の一つであり、ガブリエーリ以後の北イタリア器楽音楽の重要な証言とされる。

2. 《Sonata duodecima "L’Angioletta"》の概要
収録:上記作品集の第12番(12声ソナタの一つ)。
編成:12声(通常は複数の合奏群に分けて演奏)。
コルネット、サックバット、ヴァイオリン、声楽器など柔軟に選べる。
オルガンが通奏低音を支える。

題名 "L’Angioletta"(小さな天使)
当時の習慣として、器楽曲に親しみを込めたニックネームを与える例が多く、本作もその一つ。
曲調が軽快・華やかであることから、愛称的に付されたと考えられる。

3. 音楽的特徴
多重合唱様式(cori spezzati)
12声が2群または3群に分かれて呼応する。
サン・マルコ大聖堂(ヴェネツィア)で発展した様式をブレシア風に展開。

舞曲的リズム
快活な2拍子や3拍子が現れ、ダンス音楽的要素がある。
小節ごとに拍感が変わる「セクション構造」が特徴。

対位法と和声の融合
各群が短いモチーフを模倣的に展開する。
最終的に全声部が和声的に合流し、堂々とした終止を築く。

4. 音楽史上の位置づけ
Gussagoのソナタは 「初期バロックの器楽ソナタ」 の成立過程に属する。
ガブリエーリの《Canzoni per sonare》と同様、声楽的カンツォーナから器楽的ソナタへの移行を示す。
特に《L’Angioletta》のような12声の作品は、後の 大規模合奏協奏曲 の萌芽とみなされる。

まとめ
**Gussago《Sonata duodecima "L’Angioletta"》**は、
1608年刊行の初期器楽ソナタ集に含まれる12声合奏曲
多重合唱様式と舞曲的リズムを融合させた華やかな作品

題名「小さな天使」は愛称的で、曲の軽快さを反映しており、
ガブリエーリ以後の北イタリア器楽の伝統を示す重要な楽曲です。

L’Angioletta はイタリア語で 「小さな天使」 を意味する愛称。
音楽作品の邦題としては、通常はカタカナ表記(《ラ・アンジョレッタ》)が多く使われますが、解説文中では意味を添えて 「《小さな天使》」 と併記されることもあります。

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  2025/11/24   animato

サックス四重奏「神はわがやぐら」

サックス四重奏「神はわがやぐら」
ヨハン・フリードリヒ・ドーレス
「Ein feste Burg ist unser Gott」 
Johann Friedrich Doles(1715–1797)

編成はサックスのソプラノ、アルト、テナー、バリトンです。
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ヨハン・フリードリヒ・ドーレス
「Ein feste Burg ist unser Gott」 
Johann Friedrich Doles(1715–1797)

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サックス四重奏「神はわがやぐら」
ヨハン・フリードリヒ・ドーレス
「Ein feste Burg ist unser Gott」 
Johann Friedrich Doles(1715–1797)

編成はサックスのソプラノ、アルト、テナー、バリトンです。
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1. 作曲者について
ドーレスはバッハの弟子のひとりで、1749年からライプツィヒの聖トーマス教会のカントール(J.S.バッハの後任)を務めた人物です。
宗教音楽、特に合唱作品やカンタータ、モテットを多く作曲し、バロック後期から古典派初期への移行期にあたるスタイルを持っています。
教会伝統を重んじながらも、明快で古典派的なフレーズ感を持つのが特徴です。

2. 曲の概要
「Ein feste Burg ist unser Gott」 は、マルティン・ルター作詞作曲の有名なコラール(1529年頃)をもとにした作品。
ドーレスの版は、このルターの賛美歌旋律を主題として、合唱または器楽で展開するコラールモテットまたはカンタータの一部として書かれています。
原曲は「神はわがやぐら」という意味で、宗教改革の象徴的賛美歌です。

3. 音楽的特徴
コラール旋律の扱い
コラール旋律が長い音価でソプラノ(または特定の声部)に置かれ、他の声部が模倣や対旋律で装飾するバッハ的手法が見られます。
各節ごとにポリフォニック(対位法的)に展開される部分と、同時和声的な部分が交互に現れます。

和声と構造
和声はバロック後期の豊かさを保ちつつ、古典派的な明快さを持っています。
調性は原調(ルター旋律のト長調またはヘ長調系)で進行し、各節の終わりに明確なカデンツ。

テキスト表現
「Ein feste Burg」(堅固な城)の歌詞に合わせ、力強いリズムや堂々としたテンポ感を持つ。
戦いや守りのイメージが音型にも反映され、跳躍進行や強いアクセントが特徴。

4. 演奏解釈ポイント
テンポ感:荘厳さを保ちつつ、古典派的な軽やかさも意識すると時代性に合います。
テキストの明瞭化:ルター語の強勢をしっかり感じさせ、母音の響きを大切に。
声部バランス:コラール旋律が埋もれないように、他声部は支える役割を意識。
アーティキュレーション:強靭なテーマに合わせ、フレーズ頭をしっかり立てる。

ヨハン・フリードリヒ・ドーレス(Johann Friedrich Doles, 1715-1797)は、ドイツの作曲家、オルガニスト、指揮者です。彼は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの弟子であり、その死後、ライプツィヒのトーマス教会のカントル(合唱長)を務めたことで知られています。

経歴
ドーレスは、ゲッティンゲン大学で神学と音楽を学びました。その後、ライプツィヒに移り、バッハから直接指導を受けました。彼の才能は認められ、1756年にはトーマス教会のカントルに任命され、バッハの遺産を守り、教会音楽の伝統を継承する重要な役割を果たしました。彼はまた、ライプツィヒ大学の音楽監督も兼任しました。

音楽的特徴
ドーレスの音楽は、師であるバッハの複雑な対位法と、当時の流行であったより単純で感情的なギャラント様式(ロココ様式)を融合させたものです。彼は多くの教会カンタータ、オラトリオ、受難曲、モテットを作曲しましたが、これらの作品はバッハのような深遠さよりも、聴き手にとって親しみやすい旋律と明快な構成が特徴です。

貢献
ドーレスは、バッハの作品の熱心な擁護者であり、彼がカントルを務めていた間、トーマス教会でバッハの多くの作品を演奏しました。これにより、バッハの音楽が忘れ去られることなく、後世に伝えられる上で重要な役割を果たしました。彼の功績は、単なる作曲家としてだけでなく、偉大な師の音楽遺産を守り、次世代に伝えた教育者、そして指揮者としての役割にもあります。

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  2025/11/23   animato

木管六重奏「アリゲーター・クロール」

木管六重奏「アリゲーター・クロール」
ファッツ・ウォーラー作曲
Alligator Crawl
Fats Waller

編成はFl.2本、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
サックス六重奏、クラリネット六重奏、金管六重奏、鍵盤打楽器とベース四重奏版は発売中です。
アーリー・ジャズを彩った楽曲を、ぜひお楽しみください。

木管六重奏「アリゲーター・クロール」
ファッツ・ウォーラー作曲
Alligator Crawl
Fats Waller

編成はFl.2本、Ob.、Cl.2本、Bsn.です。
サックス六重奏、クラリネット六重奏、金管六重奏、鍵盤打楽器とベース四重奏版は発売中です。
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概要
作曲者: Fats Waller
発表年: 1934年
ジャンル: ジャズ、ストライドピアノ

「Alligator Crawl」は、1934年にアメリカのジャズピアニストで作曲家のFats Wallerによって作曲された楽曲です。
この曲は、彼のユニークなスタイルとエネルギッシュな演奏を象徴する作品の一つです。
「Alligator Crawl」は「ワニの這い方」や「ワニが這う様子」という意味です。
このタイトルは、曲のリズムや動きに関連していると考えられます。
曲のリズミカルな要素や軽快なメロディは、ワニが水面を這うような動きを連想させるものです。

Fats Wallerと「Alligator Crawl」の作曲背景
Fats Wallerは、アメリカのジャズピアニスト、作曲家、歌手として知られ、特に1920年代から1940年代にかけて活躍しました。
彼の音楽は、ストライドピアノのスタイルを代表するものであり、彼のユニークなリズム感、メロディーセンス、
そして即興演奏の技術は、多くのミュージシャンに影響を与えました。
「Alligator Crawl」は、Wallerの代表作の一つであり、その背景には彼の人生、音楽的影響、そして当時の社会的文脈が深く関わっています。

Fats Wallerの人生
Fats Waller(本名:Thomas Wright Waller)は、1904年にニューヨーク市で生まれました。
彼は幼少期から音楽に親しみ、特に教会音楽やジャズに影響を受けました。彼の父親は牧師であり、母親は音楽教師でした。
この家庭環境が、Wallerの音楽的才能を育む土壌となりました。

若い頃からピアノの腕を磨いたWallerは、1920年代にストライドピアノのスタイルを確立し、次第に注目を集めるようになります。
彼は、ジャズクラブやバンドで演奏し、録音も行うようになりました。
1922年に初めてのレコーディングを行い、その後も数多くのヒット曲を生み出しました。
Wallerの演奏には即興の要素が強く、ライブパフォーマンスでは特にその魅力が発揮されます。

作曲の背景
「Alligator Crawl」は1934年に作曲されました。この時期、アメリカは大恐慌の影響を受けており、経済的な困難が広がっていました。
しかし、同時にジャズは大衆文化の中で急速に成長し、特に都市部ではジャズクラブが賑わっていました。
このような社会的背景の中で、Wallerは人々に楽しさや希望を提供する音楽を作り続けました。

「Alligator Crawl」というタイトルは、アメリカ南部の文化やフォークロアに根ざしたもので、
特にアリゲーター(ワニ)の動きにインスピレーションを受けたと考えられています。
曲のリズムやメロディは、アリゲーターが水面を這うような動きを表現しているとも解釈できます。
このように、Wallerは自身の音楽にユーモアや遊び心を取り入れ、聴衆を楽しませることを重視していました。
曲は軽快でリズミカルなメロディが特徴で、聴く人を楽しませる要素が多く含まれています。

音楽的スタイル
「Alligator Crawl」は、ストライドピアノの特徴が色濃く反映された楽曲です。
ストライドピアノは、左手でベースラインを弾きながら、右手でメロディを奏でるスタイルで、
リズミカルかつダイナミックな演奏が求められます。Wallerはこのスタイルを極め、多くの作品でその技術を駆使しました。

曲の構成は、明るく軽快なメロディが特徴で、聴く人を惹きつけます。
特に、リズムの変化や即興演奏が多く、Wallerの個性が際立っています。
彼の演奏には、ジャズの即興性が強く表れており、同じ曲でも毎回異なるアプローチが見られるのが魅力です。

文化的影響
1930年代のアメリカにおいて、ジャズは単なる音楽ジャンルではなく、社会的な現象として広がっていました。
特に、アフリカ系アメリカ人の文化が大きく影響を与え、ジャズはその表現手段として重要な役割を果たしました。
Wallerの音楽も、その一環として位置づけられ、彼の作品は多くの人々に愛されました。

「Alligator Crawl」は、Wallerのユーモアや遊び心を反映した楽曲であり、聴衆に楽しさを提供することを目的としています。
このような姿勢は、当時の社会において人々が直面していた困難を乗り越えるための一助となりました。

影響と遺産
Fats Wallerは、ジャズの発展において重要な人物であり、彼の作品は多くのミュージシャンに影響を与えました。
「Alligator Crawl」は、Wallerのスタイルを象徴する楽曲として、今なお多くのジャズミュージシャンによって演奏され続けています。
「Alligator Crawl」は、1930年代のアメリカのジャズシーンにおいて、Wallerの影響力を示す作品であり、
彼の楽曲は多くのジャズミュージシャンにカバーされています。

彼の音楽は、ストライドピアノの技術や即興演奏の重要性を広め、後の世代のミュージシャンにとってのインスピレーションとなりました。
また、Waller自身が映画やラジオ番組にも出演し、ジャズの普及に寄与したことも、彼の影響力を高める要因となりました。

結論
「Alligator Crawl」は、Fats Wallerの才能と独自のスタイルを示す重要な作品です。
彼の音楽は、当時の社会的背景を反映しつつ、聴く人々に楽しさや希望をもたらすものでした。
Wallerの影響は今なお続いており、彼の作品はジャズの歴史において特別な位置を占めています。
彼のユニークなスタイルとエネルギーが詰まったこの曲は、今なお多くの人々に愛されています。
ジャズファンや音楽愛好者にとって、「Alligator Crawl」は、Fats Wallerの魅力を感じることができる貴重な楽曲であり、
彼の遺産を称える一曲と言えるでしょう。

●ファッツ・ウォーラー
ファッツ・ウォーラー(Fats Waller, 1904日-1943)は、アメリカ合衆国のジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家です。
本名はトマス・ライト・ウォーラー(Thomas Wright Waller)であるが、大食漢であり太っていたため、Fats(太っちょ)の愛称で親しまれました。

ニューヨーク生まれ。6歳でピアノを始めました。1922年にオーケー・レコードから発表した、
「Birmingham Blues」と「Muscle Shoals Blues」の2曲入りシングルでデビュー。
その後、ビクタートーキングマシン(後のRCAビクター)での録音を開始しました。

1929年1月、ウォーラーが音楽を担当し、ルイ・アームストロングが出演したミュージカル『Hot Chocolates』が初演されました。
同年、シングル「Ain't Misbehavin'」がヒット。その後も「Honeysuckle Rose」(1934年)等をヒットさせました。
1936年には、ウォーラーが俳優として出演した映画『バーレスクの王様』が公開されました。

1943年、ウォーラーがキャブ・キャロウェイ等と共に出演した映画『ストーミー・ウェザー』公開されました。
同年12月、コンサート・ツアーの途中で肺炎に罹り、列車がミズーリ州カンザスシティに到着した頃に車内で急死しました。

《詳細》
本名はThomas Wright Wallerという。1920年代のジャズシーンにおいては、ピアノ奏者、オルガン奏者、作曲者として大きな存在感を示しており、
その後のスウィング期になると歌手としても成功しました。

父親は教会の牧師であり、母親は教会でオルガンを弾いていたという。Fats Wallerは6歳の時にピアノを始め、学校の楽団でも演奏をしていました。
牧師であった父親は息子に宗教音楽を弾いて欲しかったようですが、Fats Wallerが惹かれたのはポピュラー音楽や
James P. Johnsonが弾くようなストライドピアノでありました。

1918年春に学校を中退したFats Wallerは、様々な日雇いの仕事をしていましたが、ニューヨークのRoosevelt Theatreで開催された
タレントコンテストで「Carolina Shout」を演奏し、優勝しました。
このことがきっかけになり、Fats WallerはJames P. Johnson夫妻と親交を持つようになり、非公式なレッスンを受けるようになりました。

1919年になると15歳になっていたFats Wallerは、Lincoln Theatreでオルガン奏者として雇われることになり
、サイレント映画の為の即興演奏をする中で、オルガンを使ったジャズ演奏の技術を磨いていきました。
若き日のCount Basieにオルガンを教えたのもこの頃の話です。

1920年代初頭にピアノ・ロールの吹き込みを始め、その後、1922年には初のソロ・レコードをリリースしました。
Fats Wallerの手による最初の楽曲である「Squeeze Me」が作曲されたのもこの頃です。
レントパーティでJames P. JohnsonやWillie "The Lion" Smith等とセッションをしていました。

1920年代のFats Wallerは多忙な日々を送っており、多くの歌手の伴奏者として録音に参加しました。
(Alberta Hunter、Sara Martin、Hazel Meyers、Gene Austin、Rosa Henderson、Caroline Johnsonなど)

また、1926年と1927年にはFletcher Henderson楽団と共演しています。

1928年にはJohnny Dunnと演奏した他、Louisiana Sugar Babes名義のレコードではJames P. Johnsonと共演しています。
(James P. Johnsonがピアノを弾き、Fats Wallerがオルガンを弾くという録音でした)

1929年にはMcKinney's Cotton Pickersの録音に参加した他、自身のリーダー名義での録音も行ないました。

1920年代を通して、ほとんど歌うことのなかったFats Wallerであるが、1931年には、自身のピアノで伴奏して歌った「I'm Crazy ABout My Baby」や
「Draggin' My Heart Around」の他、Ted LewisやJack Teagardenとのセッションにおいても、歌手としての頭角を現し始めました。

1931年から1932年にかけてはOtto HardwickとElmer Snowdenのバンドに参加しました。

1932年8月にはSpencer Williamsと共にフランスを訪問しています。

1932年にはラジオ番組への出演で人気が出始めており、このことでFats Wallerに注目したVictorレーベルが複数のレコードを録音する為
にFats Wallerと契約を結びました。
(George Gershwinが開いたパーティでFats Wallerがピアノを弾いた際に居合わせていたVictorレーベルの重役が感銘を受け、契約に繋がりました)

Fats Waller And His Rhythm名義での一連のレコードは、Fats Wallerの陽気な人柄や華麗なストライドピアノの演奏もあって、人気を集めました。

1930年代はニューヨークを拠点としていたFats Wallerですが、1938年7月には渡欧し、同年8月からイギリスでツアー、デンマークも訪問しています。
同年10月にはニューヨークに戻るが、1939年3月から6月にかけて、再びイギリスを訪問しました。

その後も精力的に活動をしていたFats Wallerですが、1943年にミズーリ州カンザスシティの近くを走行中の列車の中で亡くなりました。
死因は肺炎であったようです。

ファッツ・ウォラー【Fats Waller/1904-1943】。近現代ジャズ・ピアノのスタイル完成に絶大な影響を及ぼしたピアニストであり、
数多くのスタンダード曲の作曲家でもあります。また、オルガンをジャズに導入した先駆者でもあります。

ファッツ・ウォラーのスタイルは、James P. Johnsonと同じStride。
ウォラーはジョンソンからピアノの手ほどきを直に受けたキャリアを持ちます。つまり、ウォラーはジョンソンの直弟子です。

ファッツ・ウォラーは、1904年ニューヨーク生まれ。父が運営する教会で6歳からピアノを弾き始め、4年後にオルガンへ転向。
母親から手ほどきを受けたとのこと。14歳の頃には、ハーレムのリンカーン・センターでオルガンを弾き、15歳で最初のラグタイム曲を作ったそうです。

父の反対を押し切ってファッツは15歳でプロの道へ。キャバレーや劇場で演奏をスタート。
1918年にタレント・コンテストで優勝しましたが、その時に彼が弾いた曲はジェームズ・P・ジョンソンの代表曲"California Shout"でした。
ウォラーは、自動ピアノが演奏する"California Shout"を目で見て覚えたそうです。

ウォラーは米国はもちろん欧州までもその名を轟かせます。ピアニストとしての評価はもちろん作曲家としても人気曲を連発。
中にはスタンダードとして現在でも知られている曲もあります。

作曲家ウォラーに関しては面白いエピソードがあります。彼の息子Maurice Wallerは1977年に発表した父ファッツの伝記の中で
以下のようなエピソードを披露しています。

「私が"I Can't Give You Anything But Love,Baby"Jimmy McHugh作曲をピアノを弾いていた時のことです。
2階から父が文句を言う声が聞こえ、降りてきてこう言いました。
『息子よ、その曲を私の耳に入る場所では2度と弾いてくれるな。その曲はわしが書いたのじゃが懐が寂しかった時に売ってしまったものなのだ』と。」

モーリスによると"On The Sunny Side of the Street"Jimmy Mchugh作曲】を聴く度に同じことを言っていたそうです。

事実、ウォラーは1920年代から30年代にかけて自作曲を音楽家仲間に格安で売り渡したことがあったとのこと。
その中には上に挙げたようにスタンダードとして知られている曲もあったそうです。

もうひとつウォラーには驚愕のエピソードがあります。1926年シカゴでのこと。4人組の男がウォラーを襲撃し、クルマに押し込みました。
誘拐されたウォラーが連れて行かれたのはHawthorn Innというホテル。そのホテルの持ち主はなんとシカゴの裏社会を取り仕切るマフィアの大ボス、
アル・カポネでした。背中に銃を突きつけられたウォラーは、ホテルの一室で開かれているパーティー会場に連れていかれピアノの前に。
彼が誘拐されたのは、なんとピアノを弾くためでした。カポネの誕生日パーティーのサプライズ・ゲストとしてウォラーは連れて来られた訳です。
殺されることはないと知ったウォラーは胸をなで下ろしたそうです。

噂によると、ウォラーは3日間パーティーでピアノを弾きつづけ、開放されたときには泥酔状態だった上に疲れ果てていました。
そのかわり、カポネとその仲間のギャングスターたちからたっぷりとチップを受け取り、総額数千ドルになったそうです。
驚愕エピソードです。

ストライド・スタイルのピアニスト、オルガン・ジャズのパイオニア、優秀な作曲家、以上の3つポイントでファッツ・ウォラーは歴史的なジャズメンです。

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  2025/11/22   animato

金管六重奏 ミュージック、サム・シンク・ノー・ミュージック・イズ

金管六重奏 ミュージック、サム・シンク・ノー・ミュージック・イズ
トーマス・ベイトソン
Music, some think no music is
Thomas Bateson

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.2本、Tubaです。
サックス六重奏、木管六重奏、クラリネット六重奏版は発売中です。

キリスト教の宗教音楽に属さない美しい世俗音楽をぜひ味わってください。

金管六重奏 ミュージック、サム・シンク・ノー・ミュージック・イズ
トーマス・ベイトソン
Music, some think no music is
Thomas Bateson

編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.2本、Tubaです。
サックス六重奏、木管六重奏、クラリネット六重奏版は発売中です。

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「Music, some think no music is」は、トーマス・ベイトソン (Thomas Bateson) が作曲したマドリガルの一つです。

この曲は、彼の2つ目のマドリガル集「Second Set of Madrigals in 3, 4, 5 & 6 parts」に1618年に収録されています。

「Music, some think no music is」について
このマドリガルは通常6声(Soprano, Alto, Tenor, Bass の組み合わせ)のために書かれています。

歌詞の内容とテーマ:
このマドリガルは、音楽の本質や、真の音楽とは何かという、やや哲学的なテーマを扱っています。タイトルにある「Music, some think no music is」(ある者は音楽ではないと考えるような音楽)というフレーズは、一見矛盾しているように聞こえますが、これは当時の音楽論や美的感覚、あるいは特定の音楽形式に対する批評的な視点を反映している可能性があります。
この曲名は「音楽を理解できない人もいる」や「音楽を音楽と思わない人もいる」というニュアンスになります。
具体的な歌詞の内容は、「耳に心地よく響くものだけが音楽ではない」とか、「調和や規則性だけではない、もっと深いところにあるものが音楽である」といった、より複雑な音楽の定義を探るものかもしれません。もしかしたら、ある種の不協和音や、当時の慣習から外れた音楽的表現に対する弁護や考察が含まれている可能性もあります。

音楽的な特徴:

テキストへの深い傾倒: トーマス・ベイトソンは、歌詞の内容を音楽で表現するワードペインティングの達人です。この曲では、「music」「no music」といった対比や、音楽の本質に関わる抽象的な言葉に対して、どのような音楽的表現(和声、旋律の動き、リズムなど)が用いられているか注目すると面白いでしょう。
複雑な対位法とハーモニー: 6声という編成は、ベイトソンが複雑なポリフォニーと豊かな和声を駆使できることを示しています。異なる声部が織りなす繊細な対話や、時に意図的な不協和音(ディソナンス)を用いて、歌詞の哲学的な内容や感情の機微を表現していると考えられます。
当時の音楽理論の反映: この時代の作曲家は、音楽が持つ数学的な調和だけでなく、感情や言葉の意味をどう音楽で表現するかを深く探求していました。この曲は、そうした探求の一端を示している可能性があります。
「Music, some think no music is」は、単なる牧歌的な愛の歌とは異なり、音楽そのものについて考察する、知的な奥行きを持ったマドリガルと言えるでしょう。トーマス・ベイトソンの後期のマドリガルに見られる、より洗練された、そして時に実験的な側面を垣間見ることができます。

この曲は、単に美しい旋律を楽しむだけでなく、歌詞と音楽の深い関係性、そしてルネサンス期の人々が音楽にどのような意味を見出していたのかを考えるきっかけを与えてくれるでしょう。
●トーマス・ベイトソン (Thomas Bateson, c. 1570 – 1630) という、イングランドとアイルランドで活躍したルネサンス後期から初期バロックにかけての作曲家がいます。彼は特にマドリガル(Madrigal)の作曲で知られています。

トーマス・ベイトソンは、2つのマドリガル集を出版しました。

"The First Set of English Madrigales to 3, 4, 5 and 6 Voices" (1604年)
"Second Set of Madrigals in 3, 4, 5 & 6 parts" (1618年)

トーマス・ベイトソンの「Madrigali a6」について
トーマス・ベイトソンのマドリガルは、当時のイギリス・マドリガル楽派の優れた例として評価されています。彼の作品は、イタリアのマドリガルの影響を受けつつも、英語の詩に合わせた独特の表現や、緻密なポリフォニー(多声)が特徴です。

「Madrigali a6」として具体的に作品を挙げるならば、彼のマドリガル集には例えば以下のような6声のマドリガルが含まれています。

"Ah, Cupid, grant" (ああ、キューピッドよ、与え給え) - 彼の初期の作品の一つで、情熱的なテキストと豊かな和声が特徴です。
"Her hair the net of golden wire" (彼女の髪は金糸の網) - 愛の苦悩を歌ったもので、声部の絡みが美しい作品です。
"Fond love is blind" (盲目の恋は) - 視覚的なイメージと音楽的な表現が結びついた、典型的なマドリガルの特徴を持つ作品です。
"When Oriana walk'd to take the air" (オリアーナが散歩に出かけた時) - これは、エリザベス1世を称えるマドリガル集『トリウムフズ・オブ・オリアーナ (The Triumphs of Oriana)』のために書かれたものですが、実際にそのコレクションには採用されなかった作品です。
マドリガルの特徴
マドリガルは、16世紀のイタリアで発展し、後にイギリスにも伝わった無伴奏の多声世俗声楽曲です。

歌詞: 通常、恋愛や牧歌的なテーマを扱った詩が用いられます。
声部: 3声から6声(またはそれ以上)で構成され、各声部が独立した旋律線を持ちながらも、全体として複雑で豊かなハーモニーを形成します。
ワードペインティング: 歌詞の内容を音楽で描写する「ワードペインティング(Madrigalism)」が多用されます。例えば、「昇る」という歌詞があれば音程が上がったり、「ため息」という歌詞には不協和音や休符が使われたりします。
感情表現: 詩の感情を深く掘り下げ、音楽によって表現しようとする点が特徴です。
トーマス・ベイトソンの「Madrigali a6」も、これらのマドリガルの特徴を色濃く反映しており、ルネサンス音楽の豊かな響きと感情表現を楽しむことができる作品群です。

アトリエ・アニマート
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  2025/11/21   animato