R6インプレッション
■YZF-R6への経緯
2004年2月24日、筆者のバイク歴で初めてのYAMAHA車と出会った。ZZR1100での十分すぎるパワーと228kgの車重を持て余し、スーパースポーツのミドルクラス600ccに乗り替える。
全てにおいて余裕のあるリッターバイクでツーリングに出掛けるのは確かに心地良いものだ。しかし小柄な筆者にとってリッターバイクは少々扱いに手間取ることがあった。「次は軽量化の方向で選定しよう」と常々考えていた。各社が威信をかけてフラッグシップモデルを送り込む600ccクラスに跨ることが結論となった。
このクラスではFZ6-S
Fazerというオールラウンダーも候補であった。スーパースポーツというカテゴリではHONDA
CBR600RRやKawasaki
ZX-6Rという選択肢も考えられる。3モデルともに2004年のフルモデルチェンジ車だ。
敢えてマイナーチェンジのR6を選んだのはサーキットでのレースを主眼に置かず、街乗りや長距離ツーリングを視野に入れた上で、適度なパワーと足周りの軽快さを優先させたことになる。倒立フォークやセンター出しサイレンサーなど、過激な先進性を避けたともいえる。
■第一印象
さて、実際に乗り替えてみると思いの外ハンドルが近い。シート高は少々高めの設定なので筆者には厳しいのであるが、車重が以前のZZRと比較して66kgも軽く400ccクラスよりも15kgは軽いので取り回しに苦を感じることはない。
ただ、最小回転半径は3.4m。街の道路でUターンする際に、このスペックがレース車仕様であることに気付く。思い切ってハンドルを切るとタンクに手が挟まる。車庫入れなどタイトな取り回しでは逆にZZR1100以上の困難性を感じるのだ。
03モデルからはキャブレターではなくインジェクション車になり、チョークも無い。ここまで電子制御が進むと一抹の不安も過ぎるのは筆者だけだろうか。
さすがにEURO2の排ガス規制をクリアしているモデルだけに、排気音も静粛そのものだ。音だけではワイルドな性格を計り知ることはできない時代である。快適な加速(特に低速時)は手にしたいが周囲に騒音を撒き散らしたくない筆者は純正サイレンサーで不満はない。
ガソリンは95オクタン価のハイオクが指定されている。気になる燃費(納車後1回目)はリッター16.8km、2回目は18.1kmであった。低速でのトルクは街乗りに支障は感じないし、素直に旋回し制動も良好である。エンジンはモーターのように静粛を保ちながらスムースに回る。アクセルレスポンスも良好。慣らし期間は第1段階が1000kmまでで7000回転以下、次の段階では1600kmまでで9000回転以下が指定されている。注目の高回転域は走行距離1000km時のオイル・オイルエレメント交換後1600kmで慣らし期間完了時に譲るしかない。
■積載性
改めて言うまでもないがレプリカ車の積載性は良いはずがない。それでも軽量とパワーの共存を優先したのだから仕方がない。後から多額の出費を伴った社外品オンパレードで軽量化することを思えば納得のいく結果だ。
通勤時に最低限必要な積載物は雨具である。ナンバープレートフック(Moto
Fizz製)を利用してタンデムシートにゴムで括る。年に数回の長距離ツーリング時は別途ボックスを積むことで積載能力を確保するしかない。これについては改めて紹介したい。
■セキュリティ対策
ワイヤーロックでフェンスに固定している。意外にも純正でイモビライザーが付属していた。有り難いことだ。残念ながら盗難防止には特段の注意が必要な時世のようである。
■その他のパーツ
リスク回避グッズとしてベビーフェイス製のフレームスライダー(14,500円)、タンクプロテクター(自作)を装着。LEDポジション追加
■フォトギャラリー
Vol.1 Vol.2
外観や部分的なイメージから「R6のフォルムと自然の対比・融合」をテーマにしたフォトイメージなどを随時掲載。
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