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クラリネット五重奏「愛の悲しみ」クライスラー

クラリネット五重奏「愛の悲しみ」クライスラー
Liebesleid
Fritz Kreisler

編成はCl.4本、Bs,Cl.です。
サックス五重奏版、金管五重奏版、木管五重奏版は発売中です。

20世紀初頭の美しい名曲を、ぜひお楽しみください。

クラリネット五重奏「愛の悲しみ」クライスラー
Liebesleid
Fritz Kreisler

編成はCl.4本、Bs,Cl.です。
サックス五重奏版、金管五重奏版、木管五重奏版は発売中です。

20世紀初頭の美しい名曲を、ぜひお楽しみください。

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参考音源
https://youtu.be/N5oiwy0p3dc

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

『愛の悲しみ Liebesleid』は、オーストリア出身の音楽家フリッツ・クライスラー(Fritz Kreisler/1875-1962)による
ヴァイオリンとピアノのための小作品です。

同じくクライスラーによる作品『愛の喜び Liebesfreud』と対を成す楽曲であり、さらに『美しきロスマリン』を加えて
三部作として扱われています。

クライスラーは、ロシアのピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフと親交があり、ラフマニノフは『愛の喜び Liebesfreud』と
この『愛の悲しみ Liebesleid』の2曲をピアノ独奏用に編曲しています。
中学生のピアニストとヴァイオリニストが切磋琢磨し互いに成長する姿を描いた漫画作品「四月は君の嘘」では、
クライスラー『愛の悲しみ Liebesleid』が挿入曲として使われています(原作・アニメ・実写映画)。

ピアニストとヴァイオリニストの交流といえば、ヴァイオリニストのクライスラーも、ピアニストのラフマニノフと
親交と交流を深めていました。
他にも、ラフマニノフは『コレルリの主題による変奏曲』をクライスラーに献呈しているほか、クライスラーはラフマニノフの歌曲に
ヴァイオリンのオブリガードを追加した編曲を残しています。

ラフマニノフはピアノ独奏の為に、自身の歌曲やシューベルト、メンデルスゾーンやビゼーといった作曲家の作品を編曲しました。
編曲作品の大半は、ラフマニノフが1917年に祖国のロシアを離れてから書かれたものです。ちょうどこの頃のラフマニノフは、
それまでは自作中心の演奏活動であったところから、他人の作品の演奏も積極的に行うようになっていて、ピアニストとしての
キャリアを本格化させていた時期でした。

原曲の冒頭には「レントラーのテンポで Tempo di Landler」と発想指示が書かれていて、ワルツの前身である南ドイツ発祥の
「レントラー」を意識したことが窺えます。ラフマニノフによる編曲の冒頭には「ワルツのテンポで Tempo di Valse」と書かれています。
その為、ラフマニノフはこの作品に田舎風の踊りというよりも、都会的で洗練された雰囲気を求めたのでしょう。
実際に音楽を見てみると、主題の旋律に休符を入れて遅らせるなどしてリズムに手を加えていて、原曲とセットで演奏されることが多い作品です。
同じくヴァイオリン独奏とピアノのための「愛の喜び」に通ずる華やかなウィンナ・ワルツの要素が見受けられます。
また、内声に何度も半音階の音型を入れ込むなど、原曲に漂う哀愁を、より複雑な感情の描写へと拡張させています。

「愛の悲しみ」は、原語(ドイツ語)では「Liebesleid」と表記されます。「Leid」は日本語では「悲しみ」をはじめ、
「心痛」や「苦難」と訳され、画一的なイメージを与えますが、同じドイツ語圏でも、ドイツとオーストリアでは大きく捉え方が
違っています。ドイツでは、日本人が思い描く「悲しみ」に非常に近い感覚でこの言葉を捉え、悲愴感や絶望を感じていますが、
オーストリア人にとっては、どこか望みがあり、憧れを含んでいます。ラフマニノフ編曲によるこの作品を見ると、そうした「悲哀」と
「憧憬」の交錯がより効果的に表現されてます。

アトリエ・アニマート
https://animato-jp.net/

  2022/04/02   animato
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