「崩れ去った旅程」の巻 どこまで行けるか、とりあえず走るしかない。釧路を目指し、ひた走る。もう旅程なんてどこ吹く風、行きたいところに行くだけだ。今日4日目は何といっても道東の広さに圧倒され続けた旅である。同時に、地図上での旅程が如何に甘く無理のあるものだったかを思い知らされた。
ようやく昼には釧路市を通り抜け、湿原の東に位置する岩保木水門に到着。開拓の歴史を感じさせるレトロ調の鉄橋や水門を慰めるかのように野の花が人知れず咲き乱れていた。
細岡展望台から釧路湿原の南西方向を望む 釧路から知床を目指して進んだが、標津で夕暮れを迎えた。ここらで宿を取るしかない、こうなったら知床は明日にして、野付半島に向かった。トドワラ(海水の浸水と潮風によってトドマツ林が立ち枯れたもの)に優しく夕日が注いでいた。気が付けば東の端まで来たことになるのか。大幅にズレ込んだ旅程も忘れ、妙に自己満足の境地に至った瞬間。今日の宿は標津の民宿。