「ここは一体どこだ・その2」の巻 いま自分が何処にいるのか、しっかりとした認識ができなくなってしまった。目に入ってくる景色の全てが驚きの連続、この世に生まれて今までの記憶を辿っても当て嵌まる風景は思い出せない。
日本海沿いをひたすら南下する。忽然と現れた風車群、思わず丘に登ってみる。
見上げれば大空にそびえ立つ風車の林、静かに音を立てて風を掴む。青と白のコントラストが美しく目に染み入る。
日本海をずっと眺めながら、風と共に時を刻んできた彼らに称賛の拍手を贈った。
ススキがたなびく風に遊ぶトンボの群れ、秋の気配を体中で感じながら丘を降りる時、彼らとの再会を淋しくも一人心で静かに誓った。