気まぐれ遍路ツーリング-7

 愛媛県広見町からは国道441号線に入り、野村町を経由して大洲市に到達した。そこからは197号線を八幡浜市に抜け、いくつものトンネルを通り伊方町と進めた。いよいよ佐田岬半島に入ったのだが、辺りは真っ暗で20時を過ぎた。細い半島の地形であることは感じ取れるが、相当高い場所を走っていることに加えて民家も見えない。敢え無くキャンプ場探しは諦めることにして、道の駅「伊方きらら館」の駐車場で野営する。

 これでも遠慮して駐車場の最も奥にテントを設営したににも関わらず、午前4時頃には九州ナンバーのトラックやワゴン車などが続々、エンジン音とともに「オーライ、オーライ」なんて叫んでいる。こうなれば静かに寝ていられるものではない。仕方なくバーナーに火を付けて朝食の準備に取り掛かった。全く前夜の室戸岬キャンプ場とは雲泥の差、もっとも使用料は払う必要がないのだが....。5時20分にはテントを収納して出発、三崎町を目指して一路西へ向かう。

 30分くらいであろうか、思いのほか長く走った。三崎町を通過して四国の最西端の佐田岬の駐車場まで到達した。ここからは徒歩で1.4kmある遊歩道だ。早朝の散歩にしてはアップダウンが厳しい。いつしかジャケットも脱ぎ捨てて息を弾ませていた。灯台から海原遠くに九州がかすんで見えた。あぁ、ここまで来たのか....と、しばし茫然。休む暇もなく駐車場へ戻った。

 駐車場を出ようとした時に地元の蜜柑売りのおばさんに声を掛けられる。清見タンゴールを勧められる。日本の温州みかんと、アメリカのトロビタオレンジを交配して生まれたのが清見タンゴールだそうだ。10kgが5000円と高いが、それでも市場の半値だ。交渉の結果サンフルーツ(新甘夏)と清見タンゴールを混ぜて10kgが4000円で妥結。サンフルーツは15kgが3000円で、これも半値。後日15kgの箱に混在して(5kgはサービス)して送ってきた(着払い1250円を追加支払)のだ。確かに清見タンゴールはジューシーで甘い。これが今回唯一の四国土産となったのだ。

 いよいよ帰路につく3日目となった。大洲市まで戻り、四国カルストを目指す。本日中に帰宅できるとは思っていないが、可能なところまで頑張る決意で四国最西端を7時に出発した。


伊方きらら館(道の駅)で20時に野営、翌朝4時には周囲の騒がしさに起床


国道197号線で佐田岬半島を西へ走る


三崎町からは九州へフェリーが出ている
今朝早くからのトラックはここから来たのだと今頃になって悟る


岬の駐車場から1.4kmの徒歩を開始


ついに四国の最西端まで到達した

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