カレル橋とも分かれて、いよいよプラハ城を目指す。ここからの坂道は長く辛い。先ほどから足元の恐怖は尚続くのだ。土産物を売る店が軒を連ね、人通りも多い。三脚を結わえたリュックは肩に食い込み、汗ばむ暑さに耐え切れずオーバーコートを脱いでしまった。トイレがてらカフェに入る。加えて王宮を過ぎると土産物も無いとのこと、一軒の店に入った。空港のシャトルバスが15コルナでトランスファー・チケット(メトロやトラムこと路面電車共通)だったのに対して購入したキーホルダーが一個100コルナとは、理解し難い値段だった。(レートは1コルナ= 約5円)これで踊る呼吸を整えることができ、再び坂道に向かったのだった。ようやく王宮と聖ヴィート大聖堂の高さまで登り詰めた時には、久しぶりの緩やかな下り坂である。足を踏ん張る筋肉がこれまでと違うことに気付いた。これまたよく滑るのだ。