2002年冬のウィーン・ザルツブルク・プラハ・ドレスデンの旅

ドレスデン市民の誇り高き営み

旅行も5日目を迎えた。早朝のドレスデンを散策し、昨夜の道を辿ってみた。早々にヒルトンをチェックアウト、前の通りを滑り止めの石を踏み締めながら壁画「君主の行列」を時代とは逆に眺めていく。空が明るくなり始めドレスデン城にも次第に光が差すようになってきた。エルベ川は先の洪水で氾濫し、ドレスデンの街も少なからぬ被害を被ったという。もっと驚くことにはヒルトン前の建築現場は何をしているのか確かめてみれば、教会を修復しているそうである。それも第2次世界大戦の連合軍による空襲でメチャメチャに飛び散った石を丹念に積み重ねていく作業を今日でも続けているとの話に感動する。歴史への敬愛と街の再生にかける市民の誇り高い気質を垣間見た。バロック様式の壮麗な建築群は、このように守られて次代に継承されることへ一介の旅行者としても安堵の気持を感じながら歩いていた。ゼンパー歌劇場を通り、程なくツヴィンガー宮殿が見えてきた。

ヒルトンホテルは早々にチェックアウトする。

壁画「君主の行列」を右に見て歩く。

ドレスデン城の夜明け。

ドレスデン城のバロック様式の建築群。

石畳は完全に凍って、歩くことができない。

エルベ川も明るくなってきた。

上流を望む。この方向にはプラハがあるのだと感慨に浸った一瞬。

エルベ川とは一旦分かれて、ゼンパー歌劇場を右手に見ながら中央駅の方角に歩く。

ツヴィンガー宮殿の門に差し掛かった。

ザクセン王、フリードリッヒ・アウグスト1世の居城であった。

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