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組曲「王宮の花火の音楽」第2曲 ブレー 木管六重奏

組曲「王宮の花火の音楽」第2曲 ブレー 木管六重奏
編成はFl.、Ob.、Cl.、A.Sax.2本、B.Sax.です。
Ob.、A.Sax.はCl.に変更可能です。B.Sax.はBs.Cl.に変更可能です。

バロック期の軽快な名曲をコンサートピースの小品に、ぜひどうぞ。

組曲「王宮の花火の音楽」第2曲 ブレー 木管六重奏
編成はFl.、Ob.、Cl.、A.Sax.2本、B.Sax.です。
Ob.、A.Sax.はCl.に変更可能です。B.Sax.はBs.Cl.に変更可能です。

バロック期の軽快な名曲をコンサートピースの小品に、ぜひどうぞ。

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アトリエ・アニマート・ショップ
https://animato.official.ec/

参考音源
https://youtu.be/ksEsp4YhCm0

アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3

組曲は5つの楽曲で構成されています。

序曲(Ouverture, ニ長調)
ブレー(Bouree, ニ短調)
平和(La paix, ニ長調)
歓喜(La rejouissance, ニ長調)
メヌエットI(Minuet, ニ短調) - メヌエットII(ニ長調)
序曲は祝典曲にふさわしく華麗で、後に舞曲(軽快な「ブレー」とゆったりした「メヌエット I&II」)が配置されており、変化が楽しめます。

序曲の興奮冷めやらぬ中、フランス様式の壮麗な舞曲ブーレーが続きます。
2分の2拍子の速い楽章で、初演版では木管だけで作曲され、まさに前曲の盛り上がりを冷ます役目だったと考えられます。
前半と後半に分けられていて、それぞれ反復の指示がありますが、オーケストラ版では、
2度目は逆にオーボエとファゴットは無しで、と注記されており、
ヘンデルの本来の意図が伺えます。

ヘンデルが作曲したこの曲は,「アーヘンの和約(戦争を平和的に解決するための約束)」の祝典で行われる
花火大会のための音楽としてつくられたもので,初演は野外で行われました。
この組曲は,花火が打ち上げられる前に演奏される序曲と,
花火の合間に演奏されるいくつかの小品からできています。トランペットを中心としたはなやかなものや,
木管楽器を中心とした軽やかなものなどがあります。
ヘンデルはこのほかにも,「水上の音楽」という組曲をつくっていますが,
この曲も舟遊びをしている人たちを楽しませるために野外で演奏されました。

曲はフランス風序曲の形式をとっています。

ヘンデルはドイツのハレで生まれ、若くしてイタリアに留学、名声を得て、
ドイツのハノーヴァー選帝侯の宮廷楽長となりました。
しかし、楽長の仕事はさぼって、英国のロンドンでオペラを上演し、大人気を得ていました。
しかし、よりによって不義理をした主君のハノーヴァー選帝侯ゲオルクが、英国王に即位してジョージ1世となります。
そのご機嫌を取るために『水上の音楽』を作曲したというのは有名な逸話です。

優雅な宮廷文化とは無縁な英国にとって、大陸のフランス、イタリア両先進音楽を自在にあやつれるヘンデルは、
王室、貴族、市民いずれにとってもこの上なく頼りになる存在だったのです。
最後は英国に帰化し、英国人として亡くなり、栄光のうちにウェストミンスター寺院に葬られます。

8年に及んだこの泥沼の戦争は、1748年10月7日にアーヘンの和約で終結しました。
しかし、どの国も〝勝った〟と主張しているようなあいまいな終わり方だったので、国民の盛り上がりも今一つでした。
自ら戦ったジョージ2世としては、それに不満で、英国の勝利をはっきり国民に示すため、
盛大な 「平和条約祝賀行事」をやろう!と思いつきます。
イベントは、正式に講和が宣言される翌年の1749年2月のあと、4月に予定されました。
そして、会場となるヴォクソールのグリーンパークに、巨大な木造パビリオンの建設が始まりました。
それは、古代建築に範をとったパラーディオ様式で造られ、中央に勝利のアーチ、
周りにはギリシャ式の柱廊、ポセイドンやマルスといった神々の像、、
英国を擬人化した女神ブリタニアに〝平和〟を手渡している国王ジョージ2世の巨大な像が配置されました。
そして、イベントでは盛大な花火とともに壮大な音楽を演奏することになり、それがヘンデルに依頼されたのです。

ヘンデルが以前、プリンス・オブ・ウェールズの結婚祝賀のために作曲したオペラ『アタランタ』の中の花火の音楽は、
その後、花火大会の定番のBGMとして使われていて、すでに〝花火といえばヘンデル〟でした。
このイベントは、元祖〝音と光のページェント〟で、ジョージ2世は、
建設途中のパビリオンを何度も見に行くほどの熱の入れようでした。
国王は、ヘンデルの音楽にも注文をつけ『弦楽器を使わず、軍楽器の吹奏楽だけで行うように』との意向を示しました。
その方が勇ましく、戦勝記念にふさわしい、と考えたのでしょう。

しかし、ヘンデルはそれでは音量、音質ともに不足と考えたのか、どうしても弦楽器を加えるべき、と言って譲りません。
間に挟まった大臣は、ヘンデルの頑固さにいらだちます。
最終的にはヘンデルは国王の意向に従い、増強した吹奏楽で演奏することに決定しました。
それはトランペット9本、ホルン9本、オーボエ24本(!)、ファゴット12本、ティンパニ3対という編成でした。
自筆譜には、オーボエとファゴットに弦楽器を重ねるという指示が書き加えられているのです。
さらに後から、最後のメヌエットだけその指示が外され、管楽器だけになっており、紆余曲折のあとがうかがえます。
リハーサルは100人のオーケストラだったという記録がありますから、実際の演奏ではヘンデルは弦楽器を加えました。
4月21日に実現した公開リハーサルには、なんと1万2千人以上が詰めかけ、ロンドン橋は馬車の渋滞で3時間にわたって
通行止めとなった、ということです。
ヘンデルの演奏ののち、礼砲まではうまくいったのですが、花火はどうしたわけか一向に始まりませんでした。
間が悪いので、ヘンデルがもう一度演奏を繰り返したところ、ようやく花火が打ち上がり始めました。
しかし、観衆が歓声を上げたのもつかのま、また再び沈黙。
そのうちに木造のパビリオンに火が付き、国王の像も含めて焼け落ちてしまったのです。

アトリエ・アニマート
https://animato-jp.net/

  2020/08/29   animato
≪ アリア「御身がともにあるならば」木管四重奏  |  「大きな古時計」吹奏楽譜 ≫

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