[はじめに]
音程(Interval)とは、二つの音の隔たりのことです。二つの音(両方)の音を含めて数えた数に完全・長・短・増・減を添えてあらわします。その音程の集まりで音階が出来上がります。
●全音階
12半音から7音を選んだものを七音音階、7音目で元の音名に巡回します。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの全音階は、2箇所の半音の間に2全音と3全音が交互に挟まれています。これを全音階 Diatonic Scale と呼んでいます。
●長音階と短音階
クラシック・ポピュラー・ジャズ・ロックなど現在あらゆる音楽の基礎となっているのが、 長音階(Major Scale)、短音階(Minor Scale)です。全音階のドから始まる音階を長音階(イオニアンモード)、ラから始まる音階を短音階(エオリアンモード)といいます。
短音階(エオリア)
長音階(イオニア)
長音階は「全全半全全全半」、短音階は「全半全全半全全」の間隔で並んでいます。全=全音、半=半音、半音×2=全音です。
●全音階的音程
「完全」という名前の音程は、特によく溶け合って響く音程です。完全一度(同じ音)、完全八度(1オクターブ)、完全五度、完全四度の4種類(倍音列の基音を含めて4つの音でできる音程)が完全音程です。その他の音程(二、三、六、七度)には、長(Major)・短(Minor)の2種類で計8種類あります。1オクターブを2等分した音程(6半音)は、全音階に2種類存在します。ファ〜シの増四度とシ〜ファの減五度です。これら14種類の音程が、全音階に存在する音程で全音階的音程といいます。
●半音階的音程
重減 ― 減 / 完全 \ 増 ― 重増 \ 短 ― 長 /
♭
←
→ ♯
全音階的音程と半音の数が同じでも度数の違う(音階音の数が違う)音程があります。臨時記号の♯・♭がついてできる音程で半音階的音程と言います。
半音の数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
重増
1
2
3 4
5
6
↑
異
名
同
音
程
↓増
1
2
3 4
5
6
7 度数 完1 短2 長2 短3 長3 完4
完5 短6 長6 短7 長7 完8 減 2
3
4
5 6
7
8
重減
3
4
5 6
7
8
●音程の試聴
1半音
2半音
3半音
4半音
5半音(完全4度)
6半音
7半音(完全5度)
8半音
9半音
10半音
11半音
12半音(完全8度)
■試聴MIDIデータは平均律です。
●協和音程と不協和音程
音程の種類は、次のように分類されます。
協和音程
完全協和音程
絶対協和音程
完全1度
完全8度完全5度
完全4度不完全協和音程
長・短3度
長・短6度不協和音程
上記以外すべての音程
■完全4度は和声法的には協和音程ですが、対位法的には不協和音程です。
■「協和音程以外はすべて不協和音程」だとも言えます。