西洋音楽の歴史7

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古代からルネサンス音楽
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■■世俗音楽の台頭

 ヨーロッパに建国したフランク王国は,やがて東フランク(後の独),西フランク(後の仏),イタリアの三つに分裂していくが,そのころから,国王とそれに隷属する諸候,その諸候から俸禄を受ける中小荘園主,という身分制の社会が確立されるようになった。そして,世は封建制の時代へと移っていった。

 11世紀末からl4世紀初めにかけてのヨーロッパには,トルバドール,トルベール,ミンネゼンガーといった騎士階級の歌人が輩出した。彼らの活躍した舞台はもっぱら宮廷で,これまで音楽が育てられてきた教会における音楽とはおよそ異なった,民衆の生活感情や男女の愛を内容とする歌を歌った。こうした世俗音楽の台頭は,後の音楽史の流れの中で教会音楽から世俗音楽へと主流が移り,我々のいう芸術音楽へと結びついていくことを考えると,その歴史的な意味は極めて大きいと言えるだろう。

 

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