西洋音楽の歴史53

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近代・現代の音楽
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■■バルトークの音楽

 

バルトーク(1881〜1945)の音楽の持つ20世紀的意味合いは極めて大きい。ブダペストの音楽学校を出てしばらくの間は、先人たちとあまり違わない作風で作品を書いていたが、その後、当時のヨーロッパを包んでいた民族の独立という風潮に刺激されて、友人のコダーイ(1882〜1967)とともに民謡の収集を始め、民族色の濃い作品を書くようになっていった。もちろんそれと同時に、ドビュッシーやラヴェルの諸作品、あるいはストラヴィンスキーの原始的なリズム、そして新古典主義の影響も受けている。こうして当時の新しい語法を取り入れた上で、母国の民謡などに旋律やリズムを取材して作品を書いていったところに、バルトークの音楽の一つの特徴を見ることができる。有名な「ミクロコスモス」を始めとする諸作品には、こうした彼の特徴がよく表されている。

 

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