西洋音楽の歴史50

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近代・現代の音楽
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■■第一次大戦後のフランス音楽

 第一次大戦後のフランスでは,詩人コクトーのもとに集まった六人の作曲家(六人組)によって,新しいフランス音楽の伝統が作り出されようとしていた。彼らは反ワーグナー,反ドビュッシーの考えのもとに新古典主義の旗を掲げ,音楽の本質を古典的な規範の中に求め,簡潔で明瞭な形式の作品を作った。ミヨー(l892〜l9フ4)の作品には複調技法が目立ち,オネゲール(l892一l955)の作品には重厚な中にも格調の高さが示されている。またプーランク(l899一l963)の作品には簡明さとともにフランス的な繊細さが備わっている。 六人組よりやや年長の作曲家に,簡素かつ特異な作風と作品で知られるサティ(1866一1925)がいるが,彼の作品は,六人組の指導者的存在となったコクトーに,新古典主義の思想を抱かせるきっかけとなった。また時代は下って第二次大戦後になると,音高のみならず音価や強度までもセリー化したメシアン(l908一l992)や,さらに新しい世代ではブーレーズ(l925一)などが活躍している。

 

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