西洋音楽の歴史38

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後期ロマン派の音楽
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■■ワーグナー後のドイツ・オーストリア

 ワーグナーの没後,その流れをくむ作曲家には,ブルックナー(1824一l896),ヴォルフ(l860一l903),マーラー(1860一l9ll)などがおり,それに続いて20世紀の作曲家としても位置ろ20世紀の作曲家としてとらえたほうがよいだろ付けし得るR.シュトラウス(l864一l949)がいる。ブルックナーは九つの交響曲を書いているが,そのうちのいくつかは演奏に一時間以上もかかり,いかにもワーグナーもどきの大げさな感じを与えている。これはマーラーの場合も同じである。またマーラーは,歌曲作家としても優れた才能の片鱗を見せ,「亡き子をしのぶ歌」「さすらう若者の歌」「子供の不思議な角笛」などの代表作がある。ヴォルフも歌曲の分野に優れたものを残し,このドイツリートの伝統は,R.シュトラウスにもつながって,20世紀にまで持ち越されることになる。

 一方,ブラームスと同じ系列にはレーガー(l873一l9l6)がいて,ピアノ曲その他を残しているが,興味ある作品はあまり多くない。その他の作曲家としては,ヴァイオリン協奏曲で知られるブルッフ(l838一l920),オペラ「ヘンゼルとグレーテル」で親しまれているフンパーディンク(l854一l92l)ボーランド系のドイツ人でピアノのエチユードで知られるモシユコフスキ(l854一l925)などがおり,さらにはロマン派最後の作曲家ともいわれるプフィツナー(l869一l949)もいるが,いずれも両世紀にまたがって活躍した人たちである。

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