西洋音楽の歴史22

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古典派の音楽
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■■べ一トーヴエン

 ベートーヴェンについてはあまりにも多くのことが語られているので,いまさら説明する必要もないと思われるが,技法上から特に取り上げられるべき第一の功績は,主題の設定と主題操作による展開技法に優れた模範を残していることである。さらにその完壁なまでの技法を駆使した作品の中に,これまでの作曲家には見ることのできなかった人間性移入を成し遂げたことも,第二の重要な功績として考えることができるだろう。ペートーヴェンにおいて,芸術としての音楽が本来あるべき姿としての自律性を備えるに至ったのである。つまり,音楽白体の持っている外側の枠を,パーソナリティの注入によって崩していくという行為が,ロマン主義へとつながっていく道であったわけである。

 

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