西洋音楽の歴史17

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古典派の音楽
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■■バロックから古典へ

 バロックの終わりはl750年ごろであるが,その後に和声音楽を中心的様式とする古典派の時代が続いた。和声様式自体はバッハやヘンデルの活動期と重複しながら既にその基本的な形を整えてきていたが,この偉大なる二人の死を境として,大きく世に現れるようになったのである。社会的には.これまでの絶対主義的な王権のもとに統一された国家体制には何の変化もなかったが,人々は,神もしくは神への信仰といった問題には懐疑的になっていた。そしてそれに代わるものとして,人問の理性を尊重するいわゆる啓蒙主義の思想が強く浸透し始め,やがてはフランス革命に代表されるような市民革命への母体を準備することとなった。我々のいう古典派の音楽は,こういう時代に生まれ,育まれていった音楽である。

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