厳寒の奥能登 1/2

― 粛然たる初春 ―

 2010年1月2日、厳寒の奥能登を訪れた。今回は1泊2日のバス旅行だ。筆者の父方は越前町の出身である。冬の日本海がどれほど厳しい様相かは心得たつもりだった。

 早朝9時、京都駅八条口を出発した。名神から北陸道を経由して能登有料道路に入る。名神彦根インター付近からは雪化粧となり、千里浜なぎさドライブウエイでは荒天のため通行禁止である。渋滞もあって見附島 (みつけじま)には19時ごろになってしまった。

 この島は弘法大師が布教のために、佐渡から能登へと渡る際に発見したといわれている。最初に「目についた島」というのが名前の由来。能登のシンボルであり、先端部分が突き出たその姿から軍艦島とも呼ばれている。島の周辺に、レストハウス、園地、遊歩道も整備されていて夏には海水浴場やキャンプ場が開設され、海岸に沿って国民宿舎「能登路荘」などもある。

 今回はストロボも無く、脆弱なライトアップに向かってISO1000で手持ち、という無謀なシャッターを強いられた。

 宿は能登半島の突端、ホテル海楽荘である。翌朝のホテル前で曽々木海岸を撮影。零下のシベリアおろしが雪と波の花を撒き散らす。「垂水の滝」は白糸のような滝が絶壁から直接海に流れ落ちる全国的にも珍しい豪快な滝。輪島と珠洲の境目にあり、境界線にもなっている。冬には吹き上げられて、凍結することもあるそうだ。

 強風から逃れバスで10分、白米千枚田で停車した。こちらも冬の休耕期でひっそりとした佇まいである。これから輪島市へと向かう。

 


時化の千里浜なぎさドライブウエイ


見附島


真浦海岸(西) 垂水の滝が見える


真浦海岸(東)


垂水の滝


白米千枚田

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