厳寒の奥能登 2/2

― 粛然たる初春 ―

 輪島といえば漆器。輪島塗は厚手の木地に生漆と米糊を混ぜたもので布を貼って補強し、生漆と米糊、そして焼成珪藻土を混ぜた下地を何層にも厚く施した「丈夫さ」に重きをおいて作られている漆器である。筆者は2度目の訪問であり、懐かしさがよみがえってくる。

 稲忠漆芸会館で漆塗の青山ハープを発見。音や響きにはどんな影響があるのだろうか。弦が切れていて弾けそうもない状態であった。続いて千年以上も前から続いている朝市...と思ったら三が日はお休みだ。閑散とした朝市通りでレトロなポンプを見つけるも、使えない。使えなくても残してほしい風景である。

 続いて能登金剛厳門を訪れた。能登外浦の荒波に削られた能登金剛(厳門)の断崖や岩は迫力満点、出発までの15分で駆け足の散策道を楽しんだ。片山津インターに寄り道して雪国風情ともお分かれ。事故渋滞の中を帰路につき、京都帰着は20時であった。

 寒さこそ変わらぬ京都だが、日照時間は十分な生活が筆者の環境だ。それだけに今回は太陽を拝めない北陸の粛然とした冬を久しぶりに味わい、京都の冬なら何とか生きていけそうな思いで日常に戻った。


音を出してみたかった


朝市通り


井戸のポンプ


能登金剛厳門


散策道からの千畳敷岩


雪国風情ともお別れ

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