西祖谷と言えばかずら橋を通過することはできない。何せ人でごった返している。四国の観光地でこれ程までに高い人口密度に初めて出くわした。当惑しながらも傍までバイクで行くことができた。一応押さえておかねばとの本能だけでカメラを肩に歩きだした。
かずら橋を出て東祖谷に向かうと一気に静けさが戻った。しかし、そこで燃料警告燈が点灯したのだ。この先は剣山を降りるまで集落は無い。不安のうちに東祖谷の二重かずら橋でパトカーに出会った。すかさず残り何キロかを尋ねる。すでに25kmは走っているが、木屋平村まではあと25kmあると言う。かなりの勾配で登っていく峠道を6速で燃費走行。時速30kmを下回るとノッキングを起こすので前の車を気にしながら静かに定速走行を続けた。峠には剣山の登山口が開かれ5/1とは今日のことである。時間があれば是非登ってみたかったが、精神的にも落ち着かない。早くスタンドまで到達せねばと下り始めた。
木屋平村側は先程にも増して絶壁が続き、路面の至る所に窪みと落石がある。もちろん1車線の狭い道だ。これまでにも1車線の国道は通過してきたが、これが国道かと疑うほどにひどい状態である。秘境そのものを心細く下るしかなかった。幸いスタンドまで無事に到達、徳島には18時30分に着くことが出来た。
20時発のフェリーに乗船することはできたのだが、京都まで戻る力が残っていない。おまけに往路の乗船券を提示しても180円の値引きに肩を落とした。22時に和歌山着、三泊目の野営をして翌日(5/2)早朝に無事帰宅したのだった。
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