ようやく中村市に入った。四万十川を渡り、川を左に見ながら国道321号線で足摺岬を目指す。河口付近から一旦海岸を離れて更に南下、足摺スカイラインなる県道を20分程度走ってようやく足摺岬に到着した。ジョン万次郎の銅像が立つ広場は混雑していたが、そこでバイクを降りた。
神戸からの女性3ライダーはいぶかしそうに筆者のツーリングボックスをのぞき込み「すごーい、2段積みやでー」と関西弁。確かに危なっかしい積み方である。片やD100所有の男性ライダーとデジカメ談議を交わした後に岬の灯台目指して歩き始めた。
5分程で亜熱帯の林を抜けて岬の灯台に達した。室戸岬の灯台とは違ってスリムな出で立ちである。いくつもの展望台が自然遊歩道で繋がっている。全てを歩く時間は無かったが、潮騒を聞きながら柔らかな潮風に吹かれて、しばし休息。この頃に気付いたことであるが「潮の香が鼻を突くことがない」のだ。どこかで聞いたことがあったのだが、潮の香がしないのは何らかの条件(人の手によって自然が崩されていない)下の時だそうである。とにかく四国ではどこでも、ありのままの自然が保たれている努力に脱帽した。
足摺岬を後に土佐清水港で昼食のパンを噛り、中村市街を避けて三原村経由で四万十川中流域(国道441号線)に出た頃には15時を過ぎていた。