2002年冬のウィーン・ザルツブルク・プラハ・ドレスデンの旅

カラヤンが眠るアニフ

楽壇の帝王と呼ばれたカラヤンもザルツブルク生まれである。その墓標が郊外にあるのだ。モーツァルトの住居やザンクトペーター教会を棒に振っても、行ってみたかった。待ち合わせ場所のレジデンツ広場でも、うまく出会えず馬車を撮ってみる。噴水も春を待ち侘びているようだ。早速バスに乗り、アニフに向かう。所要時間は約10分だ。ザルツブルクも少し離れると田舎町の風景に早変わりする。都会の歴史的な建物も目を引くが、ありのままの生活が見える田舎町は是非行ってみたい。それもカラヤンが眠るとなれば殊更惹かれるのだ。期待に違わず馬糞の香漂う農家前でバスを下車、小さな町の教会はすぐに見えた。美しい山々が遠くに望める筈なのだが朝靄もまた格別の演出である。古めかしい石造りで飾りのない教会を入って、奥にあるカラヤンの墓標には色鮮やかな献花が絶えないそうだ。近くの辻には八方を囲むように銅像が立っていた。その中にも巨匠カラヤンを見つけることが出来た。貴重な時間であったことに疑いはない、しかし帰りのバスが来ない。1時間は待ったと記憶している。もう列車に乗らなければ今晩のオペラに間に合わないかも知れない。

レジデンツ広場で待ち合わせたが、広すぎてうまく出会えなかった。

アニフのバス停に到着、右前方の農家からは芳しい香が。

今日はクリスマスだった。サンタが家を登る人形はそこここで見かける。

程なく教会が見えてきた。

今まで見てきた教会とは趣が違う。

何と素朴な雰囲気だろうか。

教会の敷地奥にカラヤンの墓標があった。真っ赤なバラの献花が印象的。

教会の中に入ってみる。

祭壇回りも家庭的な空気を感じる。

好感のうちに教会を離れ、バス停に向かおうとした出口でふと左手を見ると、

教会に面した辻に銅像群があるではないか。もちろんカラヤンの姿もあった。

待ちに待って待ちくたびれてしまった末、待望のバスに歓喜のシャッター。

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