10000年以上前、北海道が地続きだった頃、北方民族が大陸から移り住んで来たのは遥か古代の話である。その時代でも津軽海峡は深く切れ込み、人が本州へ移動することを固くを阻んでいた。ただし、温暖化が進んだ現代よりも冬は低温だったため人や家畜が渡れるくらいの氷が張っていたらしい。しかし、我々が想像している以上に寒く厳しい自然との闘いが付きまとっていたに違いない。アシ葺きの竪穴式住居での生活はどんなだっただろう。7月にシュラフに包まって体験してみても解るわけがない。ともあれ、流氷の押し寄せる荒々しいオホーツク海、その海とサロマ湖を隔てる砂洲に位置し、競うように咲き誇る花々がどこまでも続くワッカ原生花園に身を投げ出してみたら、都会での悩みなど何と価値のないものかと筆者は感じてしまったのだ。時間をたっぷり取って、いつかまた佐呂間を訪れてみたい。