金管六重奏 サーシス・オン・ヒズ・フェア・フィリスズ・ブレスト・リポウジング
トーマス・ベイトソン
Thirsis, on his fair Phillis' breast reposing
Thomas Bateson
編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.2本、Tubaです。
サックス六重奏、木管六重奏、クラリネット六重奏版は発売中です。
キリスト教の宗教音楽に属さない美しい世俗音楽をぜひ味わってください。
金管六重奏 サーシス・オン・ヒズ・フェア・フィリスズ・ブレスト・リポウジング
トーマス・ベイトソン
Thirsis, on his fair Phillis' breast reposing
Thomas Bateson
編成はTp.2本、Hn.、Tbn.またはEup.2本、Tubaです。
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参考音源
https://youtu.be/Xet4nkz8648
Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCbc_7CUTWTYOuyu_WQcflxQ
アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
https://animato-jp.net/rec-band/gakufu.html
Thomas Bateson(c.1570–1630)は、イギリス後期ルネサンス期の作曲家で、特にマドリガルの作曲家として有名です。
マドリガルは当時、イギリスでも非常に流行していた多声音楽(声楽アンサンブル用の無伴奏作品)で、恋愛や牧歌的な詩をテーマにしたものが多く作られました。
Thirsis, on his fair Phillis' breast reposing"
「サーシスは、美しいフィリスの胸に寄りかかって安らいでいる」
Thirsis(サーシス) は牧歌詩によく出てくる羊飼いの男性キャラクター(理想化された恋人像)。
Phillis(フィリス) は理想化された女性キャラクターで、愛や純粋さ、美の象徴。
reposing は「横たわる」「安らぐ」という意味で、恋人同士の親密で甘い瞬間を描写しています。
詩の内容(イメージ)
このマドリガルでは、サーシスという羊飼いが恋人フィリスの胸に身を預けて、夢の中で幸せな情景を味わっている様子が歌われています。
当時のマドリガルではこうした牧歌的、理想的な恋愛描写が人気で、「自然と愛の調和」を象徴する情景としてよく用いられました。
詩的ニュアンスと感情
この作品は単なる恋愛歌というより「理想の愛の静かな幸福」を表す小さな詩的ドラマです。
聴いている人は、サーシスの安らぎとフィリスの優しさ、そして夢のような幸福感に共感できます。
声部編成とテクスチャ
6声部(a6)
英国マドリガルでは比較的多めの声部数。
豊かなハーモニーと、より立体的な音響空間を生むために6声が選ばれている。
テクスチャは、緻密に重なり合うポリフォニーと、ところどころで見られるホモフォニー(同じリズムで進む部分)の対比が特徴。
模倣(イミテーション)の技法
冒頭は 模倣的に各声部が順にモチーフを提示 する構造が多い。
「Thirsis」と「Phillis」といった言葉が呼応するようにメロディが引き継がれることで、恋人同士の親密さを音楽的に表現している。
ハーモニー
調性はG系またはD系(多くのマドリガルがこの音域にある)。
全体的に明るい長調的和声感を持ち、牧歌的で穏やかな響きを作り出している。
「reposing」(安らぐ)の箇所ではしばしば和声が柔らかく沈むように動き、心地よい解決感を表現。
リズム
基本的に柔らかく流れる拍感(拍子は4/4や2/2系に近い感覚)。
感情を強調したい単語の部分でリズムを伸ばしたり、装飾的な動きを加えている。
テキスト表現(ワードペインティング)
「breast reposing(胸に安らぐ)」の部分で、メロディが下降し、ハーモニーが溶け合うように進む=安らぎと落ち着きを聴覚的に描写。
「fair Phillis」の部分では、より明るい響きや跳躍音程を使って、フィリスの美しさと輝きを象徴。
フレーズ構造
短い詩句に合わせてフレーズが小分割されており、歌詞の意味と音楽が密接に結びついている。
フレーズ終わりにはしばしば カデンツ(終止) が明確に示され、区切りと安堵感を作る。
感情的効果
6声の厚みある響きが、「夢見心地」 のようなふわっとした感覚を作り出す。
同時に、各声部が緻密に絡み合うことで「二人の親密さ」を象徴する構造的美しさがある。
●トーマス・ベイトソン (Thomas Bateson, c. 1570 – 1630) という、イングランドとアイルランドで活躍したルネサンス後期から初期バロックにかけての作曲家がいます。彼は特にマドリガル(Madrigal)の作曲で知られています。
トーマス・ベイトソンは、2つのマドリガル集を出版しました。
"The First Set of English Madrigales to 3, 4, 5 and 6 Voices" (1604年)
"Second Set of Madrigals in 3, 4, 5 & 6 parts" (1618年)
トーマス・ベイトソンの「Madrigali a6」について
トーマス・ベイトソンのマドリガルは、当時のイギリス・マドリガル楽派の優れた例として評価されています。彼の作品は、イタリアのマドリガルの影響を受けつつも、英語の詩に合わせた独特の表現や、緻密なポリフォニー(多声)が特徴です。
「Madrigali a6」として具体的に作品を挙げるならば、彼のマドリガル集には例えば以下のような6声のマドリガルが含まれています。
"Ah, Cupid, grant" (ああ、キューピッドよ、与え給え) - 彼の初期の作品の一つで、情熱的なテキストと豊かな和声が特徴です。
"Her hair the net of golden wire" (彼女の髪は金糸の網) - 愛の苦悩を歌ったもので、声部の絡みが美しい作品です。
"Fond love is blind" (盲目の恋は) - 視覚的なイメージと音楽的な表現が結びついた、典型的なマドリガルの特徴を持つ作品です。
"When Oriana walk'd to take the air" (オリアーナが散歩に出かけた時) - これは、エリザベス1世を称えるマドリガル集『トリウムフズ・オブ・オリアーナ (The Triumphs of Oriana)』のために書かれたものですが、実際にそのコレクションには採用されなかった作品です。
マドリガルの特徴
マドリガルは、16世紀のイタリアで発展し、後にイギリスにも伝わった無伴奏の多声世俗声楽曲です。
歌詞: 通常、恋愛や牧歌的なテーマを扱った詩が用いられます。
声部: 3声から6声(またはそれ以上)で構成され、各声部が独立した旋律線を持ちながらも、全体として複雑で豊かなハーモニーを形成します。
ワードペインティング: 歌詞の内容を音楽で描写する「ワードペインティング(Madrigalism)」が多用されます。例えば、「昇る」という歌詞があれば音程が上がったり、「ため息」という歌詞には不協和音や休符が使われたりします。
感情表現: 詩の感情を深く掘り下げ、音楽によって表現しようとする点が特徴です。
トーマス・ベイトソンの「Madrigali a6」も、これらのマドリガルの特徴を色濃く反映しており、ルネサンス音楽の豊かな響きと感情表現を楽しむことができる作品群です。
アトリエ・アニマート
https://animato-jp.net/
