白鳥の湖 あらすじ


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―3幕4場の幻想的バレエ「白鳥の湖」―

第1幕

第1場

宮廷の前の公園

ベンノと彼の仲間たちは、ジークフリート王子の成人を陽気に祝うために、彼を待っている。ジークフリート王子が、ウォルフガンクに付き添われて入場する。祝いの宴が始まる。農民の娘たちと若い男たちが王子に祝いを述べるために到着する。王子は若者たちに、自分でワインをとって飲むように指示し、娘たちにはリボンを与える。ほろ酔い加減のウォルフガンクは、ジークフリート王子の指示通りになるように気を配る。農民達の踊り。

 召使達が駆け込んできて、王妃(ジークフリート王子の母親)の到着を告げる。この知らせは、陽気に騒いでいた一同を慌てさせる。踊りは中止され、召使たちは急いでテーブルを片付け、祝宴の痕跡を隠す。若者達とウォルフガンクは禁酒を装う。王妃が、従者に先導されて入場する。ジークフリートは、王妃に会いに行き、恭しく挨拶する。彼女は、ジークフリート王子の隠し事を優しくたしなめる。王妃は、彼が祝いの最中である事をよく知っており、彼の友人との祝宴を止めさせるためではなく、王子に、今日は独身時代の最後の日であり、明日の結婚を思い出させるためにやって来たのだ。花嫁は誰かと王子が問うと、王妃は、明日の舞踏会に王妃の娘、王子の妻にふさわしい全ての娘達を呼んであり、花嫁はその時に決まるのであることを告げる。王子は最も気に入った娘を自ら選ぶことになっているのだ。

 中断していたパーティーを続けるよう促して、王妃は退場する。

 王子は、物思いに沈んでいる。自由奔放だった独身生活を終わらせる事が悲しいのだ。ベンノは、将来への不安は、楽しい今にとって何の意味もなさないと彼を説得する。ジークフリートは、祝宴の再開の合図をし、再び祝宴と踊りが始まる。酔っはらったウォルフガンクが踊りに参加し、みんなを笑わせる。

 だんだん日が暮れてくる。もう一度別れの踊りを踊り、散会する時間である。カップを持ちながらの踊り。

 白鳥達の群れが上空を飛んで行く。若者達は、まだ眠くはない。白鳥たちの姿は若者達に、狩によるこの日の終わりを考えさせる。ベンノは、白鳥たちが夜、飛んで行く場所を知っている。酔っはらったウォルフガンクを残して、ジークフリートと若者達は出発する。

第2場

岩の多い、荒れた場所。舞台の奥には湖。右手の岸には、荒れ果てたた礼拝堂。月に照らされた夜。

第1景

白い白鳥の一群が、湖を泳いでいる。正面に、頭に王冠を載せた一羽の白鳥。

第2景

ベンノが、何人かの王子の従者たちとともに入場する。彼らは白鳥達に気付き射ようとするが、白鳥達は泳ぎ去る。ベンノは、王子に群れを見つけた事を知らせるために仲間達を遣いに出し、一人残る。白鳥達は、美しく若い少女たちの姿に変わり、ベンノを取り囲む。彼は魔法の力に驚き、彼女達に魅せられる。ベンノの仲間達が王子とともに戻ってくる。彼らが到着すると白鳥達は退く。若者達は白鳥達を射ようとする。王子も入り狙いを定める。この時、荒れ果てた礼拝堂が魔法の光に照らされてオデットが現れ、赦しを嘆願する。

第3景

ジークフリートはオデットの美しさに打たれ、仲間達に撃つことを止めさせる。オデットはジークフリートに感謝の意を表し、王女オデットとそれに従う少女達が、彼女達に魔法をかけた邪な悪魔の不幸な犠牲者である事を訴える。昼の間、彼女達は白鳥の姿でいる運命を強いられ、夜には、この荒れ果てた礼拝堂の近くだけで人間の姿に戻る事ができるのだ。彼女達の支配者は、ふくろうの姿で彼女たちを監視している。彼の恐ろしい魔力は、誰かが彼女と、終身・真実の愛を誓うまで続く。他の誰にも愛を誓った事のない者だけが彼女を人間の姿に戻すことができるのだ。ジークフリートは一心にオデットの話に聞き入る。この時、一羽のふくろうが飛来し悪魔の姿に変身して会話を聞いてから消え去る。ジークフリートはオデットが白鳥の姿をしている時に彼女を殺してしまったかもしれないと考え、ぞっとする。彼は弓を折り、憤然と投げ捨てる。オデットは若い王子を慰める。

第4景

オデットは少女達を全て呼び集め、踊りで王子の気を晴らそうと試みる。ジークフリートはオデットの美しさにますます魅せられ、彼女を救う決意を述べる。彼は決して、誰にも愛を誓ったことなく、彼女を、ふくろうの魔力から救い出すことができるのだ。彼は悪魔を殺して、オデットを救うと誓う。しかしオデットは、不可能だと答える。オデットへの愛のために自らを犠牲にする男が現れた時にのみ悪魔の破滅が訪れるのだ。ジークフリートはその用意もある。彼女を救うためなら喜んで死のうと言う。オデットは、ジークフリートの愛と彼が他の誰にも愛を誓ったことがない事を信じる。しかし、明日は多くの美しい少女たちの集団がジークフリートの母親の宮廷にやってくる日である。彼はその中から誰かを花嫁に選ばなければならないのだ。ジークフリートは自分が結婚するのは、オデットが舞踏会に現れた時だけだと言う。しかし不幸なオデットは、それは不可能だと答える。なぜなら、舞踏会の時間には、オデットは白鳥の姿で、ただ宮廷の周囲を飛ぶことしかできないのだ。王子は決して彼女を裏切らないと誓う。オデットはジークフリートの愛に動かされ、彼の誓いを受け入れるが、悪魔が彼に、他の女性に忠誠を誓わせるためにどんな手段でも使うだろうと警告する。ジークフリートは、どんな魔力でも自分からオデットを奪う事はできないと誓う。

第5景

夜が明けはじめている。オデットは最愛のジークフリートにしばしの別れを告げて友達と一緒に廃墟の中に消える。夜明けの光が眩しく注ぐ。再び湖面を白鳥の群れが泳いでいく。そして、その上を大きなふくろうが、翼を重々しく揺らしながら飛ぶ。

 

 

第2幕

壮麗な広間。全てが祝宴のために準備されている。

第1景

式典長が召使達に最後の細かな指示を与えている。彼は、到着する客人達を迎えて座席に案内する。廷臣達を従えて王妃とジークフリートが入場する。花嫁達と彼女の親達の行進。花嫁候補達の円舞。

第2景

王妃が王子に、どの花嫁候補が一番気に入ったのかと尋ねる。ジークフリートは、彼女達はみんなとても楽しい娘達だが、永遠の愛を誓う相手は誰もいない。

第3景

トランペットが新しい客人の到着を知らせる。フォン・ロットバルトが、彼の娘オディールと共に入場する。ジークフリートは、彼女がオデットに似ているので驚き、オディールに熱狂的な挨拶をする。オデットが、白鳥の姿で窓辺に現れ、ジークフリートに悪魔の魔力に注意するよう告げる。しかし、彼はオディールの美しさに心を奪われ、オディール以外、何も見・聴きできない。新たな踊りが始まる。

第4景

ジークフリートの花嫁選びが行われる。オディールとオデットは同一人物だと確信し、彼はオディールを自分の花嫁に選ぶ。フォン・ロットバルトは勝ち誇って娘の手を取り、ジークフリートに与える。彼は参集者の前で永遠の愛の誓いを宣言する。

 その時、ジークフリートには窓辺のオデットが見える。彼は自分がだまされた事に気付くが、すでに遅すぎる。オデットは永遠に、悪魔の魔力の中に取り残されることになってしまった。悪魔はふくろうの姿で窓辺のオデットの上空に現れる。絶望の怒涛の中、王子は退場し参集者は混乱する。

 

 

第3幕

白鳥の湖の近くの荒れ果てた場所。遠くに魔法の廃墟。崖。夜。

第1景

少女の姿の白鳥たちが、心配そうにオデットの帰りを待っている。癒されることのない、苦痛の時間を凌ぐために、彼女達は踊りで自分達を気を紛らわそうする。

第2景

オデットが走ってくる。白鳥達は彼女に喜んで挨拶するが、ジークフリートの裏切りを知り彼女達は絶望する。全ては終焉した。悪魔は勝ち誇り不幸なオデットは解き放たれることはない。彼女は永遠に悪魔の魔力の奴隷であり続けることを運命づけられた。ジークフリートなしで生きるより少女の姿のうちに、湖に身を投げた方がいい。オデットの友人達は空しく彼女を慰める。

第3景

ジークフリートが走って入場する。故意ではない自分の裏切りに対して許しを乞うために彼女を探す。ジークフリートはオデットの足元にひれ伏す。彼が愛を誓ったのはオデットだけであり、オディールに忠誠を誓ったのは、オディールとオデットが同一人物だと見たからであった。オデットは恋人の姿を見ると悲しみを忘れ、二人とも再会の喜びに浸る。

第4景

悪魔が現れ、束の間の恍惚を遮る。ジークフリートはオディールとの結婚の誓いを実行せねばならない。そしてオデットは夜明けとともに永遠に白鳥の姿にならなければならないのだ。少女の姿であるうちに死んだ方がいい。ジークフリートは彼女と共に死ぬことを誓う。悪魔は恐れをなして消え去る。オデットへの愛のための死は悪魔の破滅を意味するのだ。不幸なオデットは最後にジークフリートを抱擁してから崖に駆け上り、その高さから自分の身を投げる。悪魔は彼女を白鳥に変えるため、ふくろうの姿で彼女の上空を飛び回る。ジークフリートは彼女を助けるためにに走り、彼女とともに湖に身を投げる。ふくろうが破滅し落下する。


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