☆光のオ−ケストラの部屋☆

 このページでは当HPのMIDIの部屋でもお馴染みの吉川氏が発案されているでファンタジックな夢のプラン「光のオ−ケストラによる見える音楽」システムについての企画書を掲載しています。研究目的の教育活動や将来的な商業利用(アミューズメントやカラオケ)など、可能性を秘めたプランです。
 音楽に関わる者として、できることならば実現させたいものだと考えているのですが、資金が必要な点と技術面で何とか支援してくださる方や法人がいらっしゃれば嬉しく思います。もし興味をもって戴けるのであれば直接、吉川氏(瀬 浩明にMailでも可)にお問い合わせください。


 

「吉川善雄 略歴」

1944年、京都生まれ。

1980年、カシオトーンの1号機を入手.以後電子音楽の世界に没入。

1982年、ローランド・シンセサイザーコンテストBクラス入選。

入賞曲=ペートーヴェン「運命第一楽章」

リットーミュージック・オリジナルテープ音楽祭に最高得点にて入選。

入賞曲=バッハrパディネリィ」

1983年、ローランド・力作コンテズト、オリジナル部門グランプリ獲得。

入賞曲=自作「白雪姫」

1973〜1974年、10回に渡り月刊誌「サウンド&レコーディングマガジン」に「シンセサイザー・マルチレコーディング入門」なる記事を執筆。

1985年、コロムピアレコードより「SFXシンフォニー・運命」「SFXシンフォニー・アピーロード」のLP同時出版。

1992年、富士通FMタウン用としてMIDIデータ(10曲)採用さる。

1993年、スタジオ・コムよりCD「クラシック名曲版」出版。

1993年、リットーミュージックよりCDROM「春の祭典」出版。

1994年、NEC発売外付けCDROMの付録として上記「春の祭典」採用さる。

1995年、ミュージカル・プランに「新世界交響曲」のMIDIデータ採用さる。

1997年、カモンミュージックに「第九」他数曲のMIDIデータ採用さる。

以上 吉川氏のMIDIへ

 

「主旨」

● 求む;スポンサー並に共同開発者。

● 「光のオーケストラによる見える音楽システム」開発にご協力を。

● 集客施設として最適!

● ただしアイディア段階のプラン。

● コンピュータの音楽データと照明システムの直結。音と光のシンクロ演奏。

● 目標;光のオーケストラと合唱団によるベートーヴェン「第九」の共演。 

● この仮想システムの為のデータをいくつか作成。

● 「第九」以外に春の祭典,新世界,その他小品数十曲。

● 詳しくは下記までTEL(PM7時半以降)又は手紙。資料等ご送付。

● インターネット不可 (電話・郵送のみ)

● (0774)21−6541 吉川 善雄

● 〒611−0013 宇治市菟道大垣内28−1 マンション幸B−103


● 企 画 書 ●

「光のオ−ケストラによる見える音楽」システムについて

(或は音楽コントロ−ルによる照明システムについて)

はじめに

先ずお断りしておかねばならないのですが、以下に提唱する案件に関して私が完璧な設計図を用意しているわけではない,ということです。いわばその骨組み程度の「素案」に過ぎません。従って、それがもし価値あるアイディアであるとしましても、その実現には(特に大規模システムの場合は)音響,照明,あるいはコンピュータ関連の専門家による「肉付け」が必須となります。

電子楽器(シンセサイザー)と音響照明といえば、冨田勲や喜多郎に代表される、レーザー光線等を駆使した、いわゆる「音と光の饗宴」が各地のイベント等で盛んですが、ここに提唱する音響照明システムは、その二番煎じではありません。それは、既存のやり方とは異なり、私の知る限り、未だ誰も試みたことのない、全く新しい発想に基くものであり、もし実現すれば、かなりのインパクトを持つものになるのではないかと考えております。(後に詳しく述べますが、このシステムは、100%コンピュータ・コントロールによるものですから、イベント・ショーの場合のように一回ポッキリに限らず、恒常施設として稼動可能です。)又、これは「照明ディスプレイの効果増大」という面を併せ持つと思いますが、そういう観点から捉えれば、小は店舗照明から大はタワーや船舶のライトアップまで、それこそ無限の活用が可能なのではないか,更にその規模さえ十分ならば、集客の為の「呼び物」施設にも十分なり得るのではないか,などと想像したりしております。しかしながら、その実現には(私の思い描く理想的システムの場合)コンピュータ信号を光の信号に変換する為のインターフェイスの開発等資本と時間が必要で、私如き一個人の力の到底及ぶところではありません。それ故、システム開発に向けての協力者ないし支援者を求めたい気持から、この構想について広く人様に訴えるべく思い至った次第です。とは申しますものの、何分今のところ私の脳裏にしか存在しないシステム,いわば「絵に描いた餅」であり、ことによると全くの独り善がりに過ぎないとも限りません。従って以下の説明に併せ、添付資料等御参照の上、この構想が果してその開発の為のお力添えを願うに値するものかどうかを御検討下さいますようお願い申し上げる次第です。

 

1,システムの概要

先ず、ここで言う音楽とは、コンピュータと電子楽器による演奏でも、特にクラシック音楽(あるいは現代音楽)を想定していることをお断りしておきます。さて、ここに私の提唱しようとしているシステムの基本は、コンピュータから出力される音楽情報(音程,強弱,音長等)を照明設備に結びつけ、音楽進行に伴うその刻々の変化をダイレクトに照明変化として表す,つまり「音と光を完全にシンクロさせる」というものです。例えば、音の強弱に伴い明るさを変化させたり、音程の変化に伴い光点を移動させたりという具合に、言わば音楽を視覚化させる訳です。(各楽器音ごとに独立に照明コントロ−ルしますから、ディスコなどにある、音圧に反応してランプ群が一斉に点滅するシステムとは原理的に違います。)このことは、「照明システムを音楽によりコントロ−ルする」ことと全く同義でもあります。世にあまたある照明設備は殆どの場合静的なもので、ネオンサインのように動的なものもあるにせよ、それといえども簡単なパタ−ンの繰り返しに過ぎませんが、それを音楽コントロ−ルすればどういうことになるのか(現実には存在しませんが、イメージは出来ます)。後に詳しく述べますように、相当のインパクトある照明効果が期待できると考えます。

2,方法

繰り返しますが、音楽における一つの音には、音程(の連続的変化),音長,音量(の連続的変化),それに音色(の連続的変化)等の要素が考えられます。それ等諸要素の変化を光の変化として表わす方法は、私なりに考えているのは以下の通りです。

 

1.先ず、楽器音別に色彩を割り付けます。(オーケストラの場合20種程の色彩)

 

2.音長:これをスイッチング信号とします。(例えばスタッカートではパッ,パッと

断続的に点滅)

 

3.強弱:これは光量に変換します。(●→pp< ffのような変化も)

 

4.音程:これには二通りの変換が考えられます。

a・色合乃至色彩の変化として一個のランプで表わす。(特殊ランプの開発が必要)

b・音程変化ぶんのランプを用意する。──この場合はシステムが大規模になりますが、音程変化を位置変化として捉えられますので(例えば、ド,レ,ミと鳴れば光点も上昇)、音程の動きが見えることになります。

 

5.音色:一音内での音量と倍音のエンヴェロープカーブを、明るさと色彩の連続的変化として表わす。──これを一個のランプで表わすのは、非常な難題かも知れませんが、スペクトルアナライザーなる機器のあることを思えば、あながち不可能とも言い切れない気がするのですが。

6.その他:コンピュータ・コントロールによる様々な音響照明効果。──例えば、パンニング(音像移動)による光点のシンクロ移動,或はレーザー光線により空間に絵を描けるというシステムと組み合わせるなど。

※上記4.についてもう少し詳しく述べますと、例えばフルオーケストラを完璧に光に置き換えようとする場合、一つの楽器につき余裕をみて三オクターブとして約百人分,ざっと3600個のランプ(1オクターブ゙・12音×3×100=3600)が必要となる勘定です。

※上の「3600個のランプ」というのは、あくまで最小限をいっているのであって、巨大システムを構築するとすれば、それこそ何万,何十万個のランプ(また非現実的なことですが、理想的には、音の位置と点灯位置を完全に一致させるため、それと同数のスピーカー)を広大な空間に配置するのが望まれます。

※上記4.以外はインターフェイスを介さなくともオーディオ信号変換で間に合います。

※なお、これはあくまで基本的な案であって、(冨田勲や喜多郎のような)音と光の同調以外の効果的な照明コントロール(それがどういうものか、私には具体的に思い浮かばないのですが。)も必要かと思われます。

 

システム概略図

 

  |--インターフェース-------電子音源----音響システム
 |                 |
 |                 |
コンピュータ----インターフェース------照明システム
  |
コンピュータ----インターフェース----レーザーシステム

 

 

3,意義と効果

例えば、冨田勲の場合も喜多郎の場合も、それ等は何れも「はじめに音楽ありき」で、光の動きはあくまでその補助効果として、独立の照明プログラミングによっています。別の表現をすれば、音楽と照明は厳密な意味ではシンクロしていません。音と光が連動することだけがベストというつもりはありませんが、ただ既存のやり方では、聴覚と視覚が二兎を追う形になり、音と光による一体感といった面に限れば、少々物足りない気がしないでもありません。(そもそも彼等の場合は、録音済のテープ演奏,または人の手になる生演奏であり、私のいうコンピュータによるダイレクト演奏ではありません。)おかしな例えですが、ファミコンがあれほど子供達を虜にした理由の一つに、画面上のアクションとその効果音が連動する点もあるような気がします。つまり、敵を殴ったときやジャンプしたときなど、そのタイミングでそれなりの効果音が鳴ることにより、ゲームとの一体感をより高めるのに大いに役立っているように思われます。又、例えばダンスを踊るとき、その音楽とシンクロしなくては踊りにはなりませんが、将にそのような意味で「音と光の連動」による効果の大きさを考えるのです。

 ここで、少し具体的にイメージしてみましょう。例えば、資料テープにある「春の声」のデータによって、オーケストラと同様に配されたスピ−カー群と照明群をコントロールする場面を想定します。暗闇と静寂のなか、突如として大音響とともに色鮮やかな光の洪水が出現します。それは全合奏,最強奏の曲のスタートです。スタッカートにより歯切れよく明滅しつつ、曲がディミニッシュするに伴い、光の勢いも暫時弱まっていきます。(なお音程によっても変化させるなら、その色彩と点灯位置はその間にも目まぐるしく変転していることになります。)短い序奏に続きコントラバスとホルンが「ズンタッタ」のワルツのリズムを刻みだしますと、右方でコントラバスに割り当てた大きなブルーのランプが「ズン」のタイミングで光り、中央奥ではホルンの黄色のランプが「タッタ」と点滅します。その視覚化されたリズムに乗って、すぐにオーボエの赤,クラリネットの緑のライトが主旋律を奏ではじめます。それは上昇音程とともにクレッシェンド,下降音程とともにディミニッシュを繰返しますから、赤と緑のランプも明るさを増しながら上昇(空間を)し、またその逆と変動を繰返すことになります。

このように、音楽データを百パーセント照明信号に変換し、連動することができれば、将に「光のオーケストラ」により音楽が見える(?)訳です。これは、本物のオーケストラを目のあたりにしたとき以上にオーケストラが見えることを意味するといっては言い過ぎでしょうか。その和音構成,対位的音の動きなど、専門家でないと聞き分けられない要素も一目瞭然と思われます。映画「未知との遭遇」の、オルガンによる宇宙人との交信場面を想起しますと、鍵盤状に配された巨大なライトが、単音メロディーのオルガン演奏に連動し、その音階に応じて点灯位置が目まぐるしく移動するといったものでしたが、たったそれだけでも相当な迫力がありました。況や、「光のオーケストラ」においておやです。その聴覚と視覚による相乗効果は、さぞかし強烈だと想像されます。

 

4,活用法

先ず、コンピュータ・データとしてのメリットから考えてみます。これは、「データ化された音楽」ですから、レコードやCDなどの録音ソース,または一回ポッキリの生演奏とは訳が違います。つまりユーザー側から演奏に手を加えコントロールできる──例えば、弦楽四重奏を金管四重奏に変えてみたり、テンポを速めたり、移調,ダイナミックスを圧縮又は伸張する等の芸当も可能です。又、これが即ち照明コントロールでもありますので、たった一つの音楽データでも様々な照明効果が期待できます。

 次に照明ディスプレイの効果アップの為の活用ですが、冒頭にも申しましたように、タワーなどの大規模なイルミネーションのコントロールにはうってつけに思われますし、店舗やホールなどの照明を、BGM的に柔らかく光らせる,といった方法も考えられます。

 顧客誘致の 為の「呼び物」施設としての活用を考えますと、結婚式等イベントでは大いに受けそうな気がしますし、又ダンスホールやエアロビクスでは、そのリズムを強調し躍動感をアップさせてくれることが期待できます。競技場のスタンドの上段にグルリ三百六十度ランプ,スピーカーを巡らせ、音と光を走らせるなどしても面白そうです。或は劇場の幕間などに利用すれば、喜ばれそうです。クリスマス・ツリーに活かせばその魅力は格段にアップすることでしょう。 又、カラオケに応用しようと思えば出来なくもありません。「通信カラオケ」とは、まさにコンピュータ・データそのものですから容易ではないでしょうか。 その他いくらでも思い付かれますが、想像を逞しゅうすれば、都市の夜景をたった一枚のフロッピーにより音楽コントロールすることも原理的には可能でしょう。 なお、余談になりますが、私の提唱しているのと 類似の常設のイヴェント施設として、阿蘇山麓のリゾートに「アスペクタ」なる巨大な音響照明設備がありますが、その照明はコンピュータ・コントロールによっているものの、音楽はテープ録音されたものを流しております。

 

5,問題点

 ところで、もし上記のようなシステムを実現するとして、問題がないわけではありません。それが営業的に成り立つかどうかが大前提ですが、これは人様の御判断に委ねるより他ありませんので、以下成り立つものと仮定して、その問題点を考えてみます。 先ずこれは、初めに申しましたように、また上記の拙い説明でもお解りのように、素案段階のアイディアに過ぎないものです。(特に大規模システムの)具体化のためには、照明デザイナー,音響やイヴェントのプランナー,更にはソフトウェア開発者といった多方面の専門化のノウハウの結集が求められます。

次に、音程変化を光点移動として表そうとすれば、音の情報を光の情報に変換する為のインターフェイスの開発が必要になります。ただし、非現実的ですがコンピュータと音源を莫大な数量用意すれば、その限りではありません。(これは又聞きですので確たることは申せませんが、既にそのようなインターフェイスが存在しているらしいです。)

電子楽器についても問題がないわけではありません。オーケストラのシュミレーションに限っていいますと、残念ながらまだまだ本物には及ばないのが現状です。が、高級機を使用すれば、現時点でも素人耳には本物と紛うばかりの演奏も可能です。(電子楽器のことですから、シュミレーションばかりが能でないのは勿論ですが。)

 又、そういうシステムが開発されたとして、それを稼動させる為の音楽データの問題です。これが何よりの問題点といえます。イヴェントなどの為の特設大規模システムの場合は、冨田さんのような超一流にその為のオリジナルを依頼するといった手段があります。また小,中規模システムの場合には、コンピュータ・ミュージックの最近の隆盛ぶり(コマーシャル音楽の8〜9割はそうだと言われています。)と、優秀なプログラマーも続々誕生してきている現状を見れば、システムの為の音楽データに関しては、不足することはないと思われます。

次のことは、本当は言いたくないのですが正直に申し上げます。

 これはコンピュータの音楽ソフト制作関係者から聞いた話ですが、私の構想と似たことをコンピュータグラフィック上で試みたそうです。特に音程変化により光点をシンクロ移動させることに主眼を置いて試したそうです。すると、パートが多いと光点が目茶苦茶に動き過ぎて「音楽が見える」どころか何が何だかわからなくなり、結局そのソフト開発は断念したとのことでした。ということは、つまり私の構想の半分は否定されたようなものです。しかし、『狭いディスプレイと広大な空間とを同列に比すわけにはいかないのではないか,またオーケストラの音も楽器一つ一つに分離して聞いているわけではなく、合奏をいわば「圧力」として聴いているのだから、「光のオーケストラ」も、様々な色彩の融合,動き全体の「圧力」として捉えられるのではないか。』などと気を取り直したことでした。しかし本当のところはどうなのかは実験してみる他ないと思われます。

※以前自宅ミニスタジオにて超簡略システムを試したことがありました。それは(複数の)アンプのスピーカ端子に豆球(12ボルトのマーカーランプを使用)を接続しコンピュータの音楽データを駆動しますと、ほぼ音圧に比例した明るさで明滅してくれますが(音程による光点移動は勿論なし)、それでも音のみよりもはるかに迫力がありました。慣れてくると光なしでは音楽がすごく頼りなくさえ感じられたほどです。(念のため言い添えますが、複数のランプが一斉に点滅するのではなく、各楽器の鳴るタイミングでそれぞれ別々に点滅するわけです。「「こんな簡略システムなら、一日もあれば組み上げてしまえるでしょう。)

 

 終りに、これはこの頃脳裏に焼き付いて離れない夢想ですが。........広大な空間に何千何万と散りばめられたイルミネーションとスピーカーシステム,それらがフルオーケストラサウンドの躍動と完全に一体となり、明滅し大乱舞する。パンニングさせた音が光点と化して空を駆けめぐり、グリッサンドは天へ昇っていく。ビブラートに光りは震え,パーカッションはあちらこちらで花火となって弾ける。ピアニッシシモに始まった弦のスタッカートに、初めは弱く暗くゆっくりと脈打っていた光群は、楽器の増加につれその色彩を豊かにし、クレッシェンドと共にアッチェランドして次第にその光輝と脈動の速度を増し、やがて加速度のついた連続フラッシュのような烈しい拍動に変わりフォルティッシシモに至り耳を聾する大音響と瞼を射抜く極彩色の光の大洪水となって、ついには人々をその激流に呑みこんでしまう…。

 

 以上、大変舌足らずで要領を得ない説明に終始してしまい、意図するところを十分にはお伝えできなかったように思います。意味不明の箇所も多々あったに違いありませんが、甚だ不十分ながら、これで一応私の構想についての説明を終らせて戴きます。御検討の程よろしくお願い申し上げます。

 

●デモカセットテープについて(ご入り用の方は吉川までご連絡ください)

「光のオーケストラ」は、いかに「空想の産物」といえども、音楽データがなければ成り立ちませんから、それが何時の日か実現することを夢見て、その為の数々のデータ(春の祭典,新世界交響曲といった大曲や、クラシック小品ばかり数十曲)を作成して参りました。そしてその仮想システムの「看板」とすべく、ベートーヴェンの「第九交響曲」に取り組むという大愚挙に及び、悪戦苦闘の末最近どうにか曲がりなりにも仕上げました。(全くもってイイ歳をしたオッサンが完全にバーチャルな世界にのめり込んでいるのは、自身でも異常と思うときもあります。)同封テープはそれらのデータの中から「第九」(終楽章のみ)など、特に「光のオーケストラ」にうってつけではないかと思われる曲を選んで入れておきました。ご試聴いただければ幸いです。

 

1,先ずお断りしておきたいのは、そのサウンドが非常に貧しく質の悪いものである,ということです。私とて高級音源を何台も用いていい音でお聴かせしたいのはやまやまなのですが、なにぶん経済事情が許してくれません。

 

2,音源はRolandという電子楽器製造メーカーのSC−88Proという安価な機械(10万弱)を一台使用しています。(リアルタイム演奏)

 

3,いずれの曲もスコアに忠実な演奏ではありません。

 

4,音楽表現上おかしな部分,例えばレガートがレガートになっていないなど、ハード上の問題を除けば、その責は私の音楽能力に帰せられます。

 

5,これらのデータはまだまだ修正を施さねばならない不完全なもの(特にバランスとかテンポのとりかた等。)ですが、諸般の事情で未だ手をつけていません。

 

6,「第九」終楽章は本来はカラオケにすべきものですが、データ作成上の都合もあり合唱やソロは仮に音源にあるコーラスに似せた音で無理やり鳴らしてあります。(気持ち悪いでしょうが我慢願います。)

 

7,ドルビー(B)スイッチはOFFにして下さい。

 

●追伸

 私の構想の柱ともいうべき、「音程変化による光点のシンクロ移動」に関して、一言付け加えます。本文中でも触れましたが、音程変化を完全に光点移動させてしまうのは、(システム構築の困難さは言うに及ばず)オーケストラのようにパート数が多いと、確かに光点が動き過ぎて期待しているような効果が得られない可能性は大いにあります。それで最近に至り思い直したのですが、何も全変換せずとも主旋律あるいは要所、ポイント、聞かせどころのみに光点移動をプログラムした方がより効果的ではないかということです。全体的音楽の流れは、リズム的にそれぞれのパートの鳴るタイミングで光らせておくだけで充分のような気がしてきました。とすれば、システム構築の技術的あるいはコスト的課題は、大幅に改善(いや解消される)と考えられます。今は確信に近い気持ちで、そのように思い直すに至っております。しかし、だからといって「音と光のシンクロ演奏」という基本構想に揺るぎを生じたわけでは決してありません。

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