このページでは学校現場で創作に取り組む先生方との交流の場になればと思います。とりあえず京都府宇治市中学校音楽研究会で取り組んでいる「作曲ノート」の「まえがき」と目次を掲載します。また、いくつかのページもご覧になってください。ご意見やお取り組み内容をお寄せ戴ければ幸いです。
創作活動の進め方には色々な考え方があると思いますが、宇治市では記譜ができる力を付けながら進めています。
研究報告 中学校音楽教育における創作領域のこれまでと今後の展望
1998年8月22日に「日本学校教育研究会・第3回全国大会」で発表したもので、発表者が現在に至るまでの創作領域での実践をまとめると共にDTM(コンピュータミュージック)を導入し始めるにあたって、基本的な活用のスタンスを模索し、方向性について一定の見解を示すものです。
作曲ノートまえがき
作曲ノートで学習を進める皆さんへ 皆さんには、心に残っている1枚の絵はありませんか。感動のあまり、涙した り身震いを覚えた物語に出会ったことも、きっとあるでしょう。また「なんて素 敵なメロディーなんだろう」「なんて力強い曲なんだろう」と心に深く響いた音 楽や、いつしか口ずさんでしまう大好きなメロディーがあることでしょう。
音楽とは「いろいろな音によって人間の思いや感情を伝える時間の芸術」だとい われています。「音楽は国境のないことばである」ともいわれることがよくあり ます。すなわち音楽は、ことばと同じように人から人へ心の内側を伝え、感動を 分かち合う手段として、また美しいものへの憧れの表現として、この上なく素晴 らしい芸術だということができます。
また音楽は楽譜として書き残すことや、録音しておくことはできても、その場にずっと留めておくこと はできません。
しかし昔から私たちにとって、音楽がなくてはならない存在なの はいったい何故なのでしょう。どうして今ここに音楽はあるのでしょう。このことは、決定的な答えを出すことのできない大変難しい問いです 。一人一人によって幸福のとらえ方が違うように皆さん一人一人にとっての音楽 もそれぞれのとらえ方がきっとあるのです。 皆さんが音楽を学習するとき、歌ったり演奏をするなかで、また色々な曲を鑑 賞する中で音楽に親しみ、その味わい方が深まって行くにつれて「なぜだろう」 といった疑問がわいてきます。そしてその仕組みや特徴、成り立ちなどの学習を 積み重ねることによって音楽の味わい方がより深まり、本当に心から感動できる ようになって行くのです。もちろん音楽は頭の中や机の上で覚えるのではな く心で味わうものなのですが、ただ漠然と歌ったり演奏しているだけでは本当に 音楽のよさや美しさ、楽しさがわかったとは言えないのです。
本来、作曲をするためには多くの楽典(音楽の約束ごと)を学ばなければなり ませんが、このテキストブックではハ長調の小さな曲を和声課題にそって作曲す るために必要な知識だけを、わかりやすく学習できるように編集してあります。
さあ、音楽の楽しさや素晴しさを知っている皆さん! 音楽の新しい世界への 扉をたたきましょう。そこにはきっと初めて出会う感動があるに違いありません 。
このテキストが皆さんの進んでゆく上での道標になれば幸いです。
目 次 このテキストで学習をはじめる皆さんへ 3
目 次 4
自分の手でオリジナル曲を作曲するために 6
【1】音楽の三要素 6
【2】音符と休符 6
音符各部の名前 6
符点・三連符 8
【3】五線と音部記号 8
【4】音符を書くときの注意 9
《おさらいワーク1》11
【5】拍子とリズム 14
小節と終止線 14
拍子記号 14
リズム 15
ことばとリズム 16
《おさらいワーク2》16
自由にリズムを演奏しよう
●ロックのリズム
●ボサノヴァのリズム
【6】旋律(メロディー) 24
【7】和音と和声 25
《おさらいワーク3》27
三和音 25
主要三和音と属七の和音 25
【8】各和音の性質やはたらき 26
《おさらいワーク4》30
和声音と非和声音 29
非和声音の種類 34
Option もう一歩前進してみよう 33
【1】歌曲の創作 36
【2】リコーダーアンサンブル曲の創作 37
【3】曲目紹介、工夫した点や苦労したこと 39