南宇治中学校吹奏楽部演奏曲解説

 南宇治中学校吹奏楽部が今までに演奏した曲の楽曲解説についてご案内致します。
コンサートに来てくださったお客様が興味を持たれて少し読まれることも嬉しいのですが
演奏者が楽曲を十分知り、深くまで表現をしようとする姿勢があってこそ指導者や指揮者の意図する世界が現実の音となって聴衆に感銘を与えるのだと思っています。
 プログラムの解説や、生徒達、楽団員の皆様の勉強に是非お役立てください。

皆さんにお願い

 もしこのようにお持ちのテキストがございましたら是非メールにて送ってください。提供してくださった方はお名前をご紹介して(匿名でもOK)掲載させていただきます。
 多くの方々が音楽を心から愛し、それをより深く知ることによって感動はさらに大きなものとなるでしょう。
 そのためにも共有の財産としてこれらのデータライブラリー、プログラムノートを皆さんとともに活用していきたいと願っています。
 「一度使ったら一つ出す」の精神でよろしくお願いいたします。


宇治市中学校吹奏楽部演奏曲解説

ポップス曲

■マイ・フェア・レディー

 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」は、イギリスの劇作家ジョージ・バーナード・ショウの風刺喜劇「ピグマリオン」をもとにした、心から楽しめるミュージカル・コメディです。しかもその中には恋心、あこがれ、失意といったさまざまな人間感情が、美しい音楽をバックに織りこまれています。

 花売り娘からレディへと変身するのは今世紀で最も美しい女優、オードリー・ヘップバーンです。1956年、ブロードウェイのマーク・ヘリンガー劇場で初演以来、8年間、2717回という史上空前のロングランが行なわれました。また、1963年には映画化され、全世界の人々に知れ渡るようになりました。

 優秀な言語学者なら生まれも育ちも卑しいロンドンの下町娘を貴婦人に仕立てあげられるでしょうか。ヒギンズ教授はできると賭けます。しかも社交界最高のレディにしてみせるというのです。骨身を削る、しかしユーモアあふれるシゴキの末、花売り娘イライザはみごと、絶世の美女として社交界にデビューしました。しかし教授との間は、前途多難、嵐の海に乗り出したも同じでした。

 アラン・ジェイ・ラーナーとフレデリック・ロウの音楽は、ストーリーとぴったり寄り添って、数々の名曲をうみだした。ロマンチックな「ステキじゃない?」「踊り明かそう」アイロニーのこもった「彼女のことで頭がいっぱい」コミカルな「スペインの雨」そして愉快な「時間通りに教会へ!」。

 アカデミー賞12部門でノミネート。最優秀作品賞を初めとして監督賞、主演男優賞、カラー撮影賞、カラー美術監督賞、編曲賞、衣装デザイン賞、サウンド賞と1946年度のオスカーを8つも獲得。アメリカ映画の名作として、今後も見る度に心を魅きつける作品となるに違いありません。

■ ディズニー・メドレー3

時代を越えて夢を語りつづけるディズニー映画です。美しいアニメーションとともに、時にはそれ以上に、印象深いのが表情豊かな音楽でしょう。「星に願いを」は1940年にディズニー2作目の長編アニメとして発表された『ピノキオ』のオープニング・ナンバーです。「4月の雨」は1942年の『バンビ』、「右から2番目の星」は1953年の『ピーターパン』、「ベラ・ノッテ」は1955年の『わんわん物語』、「いつか夢で」は1959年の『眠れる森の美女』から選曲しています。「くまのプーさん」は1960年代に生まれたキャラクター“プーさん”のテーマ。「お砂糖ひとさじで」は『メリー・ポピンズ』(1964年)のナンバーです。

■フックトオンクラシックス Vol.1

 古今のクラシックの名曲のさわりが、ドラムのディスコビートにのって次々にくりひろげられます。「春」「小フーガ」「ハレルヤ」「時計」「モーツアルトの40番」「田園」「運命」「未完成」「ウイリアムテル」「メンデルゾーンのバイオリンコンチェルト」「ハンガリー狂詩曲」「タンホイザー行進曲」「アイーダ」「白鳥の湖」「ハンガリア舞曲」「闘牛士の歌」「カルメン前奏曲」「展覧会の絵」「新世界」「ペールギュント」・・・の全20曲。どれだけご存じでしょうか。どうぞ楽しみながらお聞き下さい。

●ハロー・ドーリー 

 1964年、ブロードウェイのヒット・ミュージカル「ハロー・ドーリー」のテーマ曲です。ルイ・アームストロングをはじめとする色々なミュージシャンによって歌われ、演奏されています。「ドリー、あなたが戻って本当にみんなが喜んでいます。もう二度と行ってしまわないでください」といった歓迎の歌です。作詞・作曲はジェリー・ハーマンで、ミュージカル作家としての地位を得た、出世作になりました。 

■ ショウほどすてきな商売はない

 ミュージカル『アニーよ銃をとれ』のヒット・ナンバーで、アーヴィング・バーリンの歌曲を24曲とり入れて作られた映画『ショウほどすてきな商売はない』(1954年、ウォルター・ラング監督)では、この曲がテーマ的に使われました。 

●ホール・ニュー・ワールド●

“昔々、遠い国の果てしない砂漠の洞窟に、不思議なランプが隠されていました。

このランプを手に入れた者は、ランプの中に閉じこめられている魔人の力によって、三つ願いを叶えることができるのです。貧しいけれども陽気な青年アラジンの願いは、美しい王女ジャスミンと結婚すること。しかし、ランプの魔力によって王国を支配しょうとたくらむ大臣ジャファーが、ランプを手に入れたアラジンの前に立ちはだかります。
 そして、幾多の戦いの中から、アラジンは、魔法の力を持ってしても人の心を動かせないこと。どんな魔力や財宝を持っていても、自由でなければ何にもならないこと。見せかけを飾るのではなく、本当の自分を表現しなければ、真の愛を得ることはできないということ等など、たくさんのことを知り、次第に成長するのです。”
「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」のエキゾティックな世界を舞台に、スリリングでロマンティックな物語を構築したディズニー映画の傑作「アラジン」(1992年)。音楽を担当したのは、「リトル・マーメイド」「美女と野獣」でもコンビを組んだハワード・アシュマン(作詞)とアラン・メンケン(作曲)です。ただしアシュマンは「アラジン」製作中の1991年春に急逝したので、一部の作詞はティム・ライスが担当しました。この「ホール・ニュー・ワールド」はティム・ライスの詞によるものです。魔法の力によって王子の姿になったアラジンとジャスミン姫が、魔法のじゅうたんに乗って世界中の夜空を駆けめぐる、というファンタスティックなシーンで歌われます。美しいアニメーションの映像とともに、この作品の中でも最も魅力的な場面のひとつです。映画の中ではアラジンの歌声がブラッド・ケーン、ジャスミンの歌声がリー・サロンガという組み合わせでしたが、エンド・タイトル(映画のあとにつけられる出演者やスタッフなどのクレジット)のバックに流れるのは、ピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルのデュエットです。後者のヴァージョンは、1993年3月6日に、全米ヒットチャートで首位の座に輝きました。

■慕情

 朝鮮戦争を背景とした香港を舞台に、アメリカの新聞記者と町の病院で働く混血娘との悲恋を描いた、1955年製作、ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデン主役の同名映画の主題歌です。作詞ポール・フランシス・ウェブスター、作曲サミー・フェインによるこの曲は、同年アカデミー主題歌賞を受賞しています。

■カーペンターズ・フォーエバー

 カーペンターズは、妹のカレン(1950年3月2日生まれ)が亡くなるまでの間、兄のリチャード(1946年10月15日生まれ)とのコンビで息の合った暖かなハーモニーを聴かせてくれたグループです。
 1969年にA&Mレコードから「涙の乗車券」でデビューし、続いて発表したバート・バカラックの作品「遥なる影」が200万枚を超す大ヒットとなり、トップ・グループとして揺るがぬ地位を獲得しました。
 その後も、「愛のプレリュード」「スーパースター」など、次々とヒットをとばし、1971年にはグラミー賞の最優秀グループ賞にも選ばれました。また近年リバイバルヒットで再び世界中で注目を集めています。
 これら永遠のカーペンターズサウンドの中でも、特に親しみやすくヒットした「シング」「愛のプレリュード」「トップ・オブ・ザ・ワールド」「遥なる影」「スーパースター」「ふたりの誓い」の6曲を、メドレーでお楽しみください。 

●イン・ザ・ミラー・ムード●

この楽しい曲はアメリカのトロンボーン奏者であり、バンド・リーダーであったグレン・ミラーのバンドのヒット曲を集めて編曲したものです。グレン・ミラーは1909年3月1日アイオワ州クラリンダに生まれました。間もなく家族はネブラスカやオクラホマ州に転居し、オクラホマ州グラント・シティの中学生の頃13才でトロンボーンに興味をもち、牛の乳しぼりのアルバイト(週給2ドル)をしながらお金をため、はじめてこの楽器を手に入れました。高校はコロラド州のフォート・モーガンで卒業し、コロラド大学に入学しましたが、1926年17才でやめてしまいサンフランシスコに出て、トロンボーン奏者また編曲者として働きはじめました。
 間もなくベン・ポーラック(打楽器奏者でバンド・リーダー)のバンドに入り各地を旅行しました。そのバンドがニューヨークに来たときバンドをやめ、正式に編曲の勉強をはじめます。その後いくつかのバンドを経て1935年はじめて自分自身のバンドを持ち1939年に発表した“イン・ザ・ムード”の大ヒットで一躍有名になり、クラリネットのベニ−・グットマン・バンドと並んで大成功を収めました。 しかし第二次大戦に際して自分のバンド共にヨーロッパに従軍して慰問にあたり、パリからクリスマス番組を放送する準備のため、プロペラ機でドーバー海峡渡り、1944年12月行方不明となってしまいました。 1944年は死後50周年にあたったためこの曲が編曲、出版されました。この中には次の曲が使用されています。
 イン・ザ・ムード(1939年はじめてのベスト・セラーレコード、作曲はガーランド)
 ムーンライト・セレナーデ(1940年のベスト・セラー、ミラー自身の作曲・楽団のテーマ音楽)
 カラマズーで会った女(1942年、楽団が出演した映画「オーケストラ・ワイヴス」の主題歌。ウォーレン作曲)
 セレナーデ・イン・ブルー(1941年、楽団が名スケーターのソニア・ヘレンと共演した映画「サン・ヴァレイセレナーデ」の主題歌。ウォーレン作曲)
 茶色の小瓶(1869年イーストバーン〈本名ウイナー〉が作曲し、1939年ミラーの編曲で録音しミリオン・ディスクとなった)
 アット・ラスト(1942年ワーレンの作曲、ミラー楽団が「サン・バレイ・セレナーデ」の中で演奏。「オーケストラ・ワイヴス」の中でも使用)
 アンビル・コーラス(ヴェルディ作曲歌劇「イル・トロヴァトーレ・第二幕の鍛冶  屋の合唱の編曲)
 以上の7曲のメドレーで楽しい曲。編曲者のバーカー(1923〜)はハリウッドの作曲家として映画やテレビの作曲にあたっていたが、現在は引退して、サウス・キャロライナ州グリーンヴィルに住み、吹奏楽曲を多く作曲しています。ワーナー・ブラザース(ベルウィン)の出版。

●ジュラシック・パーク

 現代に、恐竜がはこびる楽園があったら、あなたはどう思うでしょう?ぜひ行ってみたいと思うでしょう。そしてそこで、およそ6500万年前に生息していた巨大な生物をその目で確かめ、地球上の驚異を体験するのです。そんな気分にしてくれるのが、この「ジュラシック・パーク」です。

 恐竜マニアのジョン・ハモンドは最新の遺伝子工学を利用し、ついに現代に恐竜を蘇らせることに成功し、コスタリカ諸島のイスラ・ヌブラル島でリゾート開発と銘打ってこの敷地に大恐竜帝国を作りだそうと建築が進められていました。開園に先立って、ハモンドが資金を提供して恐竜の研究をさせていた古生物学者グラント、古植物学者サトラー、数学者マルカム、そして彼の孫の二人を視察のため島へ招待することになりました。彼らは島の中に生きた恐竜たちが動き回っているのに驚き、魅了されるのです。園内のツアー中に、コンピューター・エンジニアの浅はかな野望により、制御が破壊され恐竜たちを仕切るフェンスの電流がストップしたから、さあ、たいへん。恐竜たちがフェンスを飛び越え、彼らに襲いかかりました。園内はたちまちパニックにおちいり、人間と恐竜の壮絶な戦いに発展していくのです。特に肉食のティラノサウルス、容赦無く集団で襲ってくるヴェロキラプトルなどと人間とのスリルあふれる死闘は、まさに恐竜版「ジョーズ」です。現代にこのような恐竜帝国を蘇らせたのは、小説家のマイケル・クライトン。彼は「アンドロメダ病原体」や「大列車強盗」、最近では"日本叩き"が話題となった「ライジング・サン」などの作者として注目を集めた人ですが、監督としても「ウエストワールド」や「コーマ」「大列車強盗」「未来警察」などで腕を振るった才人です。特に「ウエストワールド」は、テーマ・パーク人々を楽しませるはずのアンドロイドの制御が効かなくなり人々を襲いだすというパニックの味つけに、「ターミネーター」張りのしつこさで主人公を追い掛け回す展開には思わず手に汗を握ったものです。そんな怖さが、この「ジュラシック・パーク」にも生きています。

 そしてこの映画を監督したのは、優れたエンターテイメント作品をこの世に送り出している天才監督スティーブン・スピルバーグです。彼が「ジョーズ」張りのスリラーとアクションをダイナミックな映像で見せてくれるのです。その映像をリアルに再現するのが、ジョージ・ルーカス率いる特撮軍団ILMです。見事な恐竜のCGにコマ撮影、さらに「ターミネーター2」でオスカーを受賞したSFXメイクのスタン・ウェストンが参加し、豪華な装飾を映画に施しています。また、スピルバーグ映画では常連である音楽のジョン・ウィリアムズ、編集のマイケル・カーン、撮影のディーン・カンディが見事なチーム・ワークで参加し、スピルバーグ色にさらに磨きをかけています。

■テキ−ラ

テキーラとは,竜舌蘭(リュウゼツラン)の樹液から作られる蒸留酒で,特に,テキ−ラという町で取れる竜舌蘭を使用するところから,こう呼ばれるようになりました。このお酒は,アルコ−ル度が非常に高いことでも有名で,みんなでワイワイと飲めば,気分もよくなり,人生が楽しくなることうけあいというわけです。この「テキ−ラ」という曲も底抜けに陽気で楽しい酒場の雰囲気が出ています。

1958年,ザ・チャンプスの演奏で大ヒットし,その後ラテンのスタンダ−ド・ナンバ−として世界中で演奏されるようになりました。

■ヒロイン・ファンタジー 

 女性にちなんだ古今の名曲を7曲、メドレーにして綴ったものです。「乙女の祈り」「エリーゼのために」など有名なピアノ曲を吹奏楽で演奏しますと、どのようになるでしょうか。どうぞお楽しみに。 

 その他に「ハバネラ」「シェラザード」「アニトラの踊り」「亜麻色の髪の乙女」。最後に、蝶々夫人が夫ピンカートンの帰りを信じて歌う有名なアリア「ある晴れた日に」でこの曲はしめくくられます。 

 

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