ボートのススメ

 2004年5月下旬、念願であった小型ボートを入手した。小型船舶免許は未だに持っていない。2003年の法改正*1により小さなボートは免許、検査が不要になったのだ。ウォーカーベイ8F*2+ホンダ2馬力船外機*3が158,000円+送料12600円で手に入った。他にも20リットル携帯ガソリンタンク(3180円)、自動車でのキャリアベースRV-INNO(IN-AD、IN-177、B127)の中古品(7750円+送料1580円)や救命胴衣(2着で3200円+送料450円)も必要となり、急いで準備した。

 そもそも、どうしてボートが必要なのかと考えても答えは判然としない。2001年の夏に琵琶湖の近江八幡から沖島までカヌーで渡ったことがあった。2002年の釧路湿原でもラフティングボートで下った釧路川が印象的である。パドルを漕いで間近に見える水面を進む爽快感は今回に直近のボート体験であった。幼い頃の経験こそあれど釣りに凝っているわけでもなく、ヨットに憧れているとも言えない。ただ、これまでは見たこともない景色に出会いたくてバイクでのツーリングや山へのトレッキングに積極的であった。その延長線上にボートがあるとしか答えられない。アウトドアの同類項として決して陸からでは見られない景色を求めてボート購入の決断に至ったのであった。

 2時間ほどでウォーカーベイ8を組み立て、ガレージに吊して収納する環境を整えた。カートップへの積載は近日中にクリアの予定。水面にボートを走らせる前にやらなければならない事はまだまだある。輸送の関係で船外機にはエンジンオイルが装備されていない。オイルとガソリンを入れて慣らし運転(マニュアルでは10時間)をする必要がある。これは初出航の折りにするしかない。

 喧噪の都会を離れ無人島に渡ってテント設営、のんびり釣糸を垂れて広大な景色を眺め、自炊して星空を仰ぐ。鳥のさえずりで目を覚まして、眩しい朝日を浴びながら清々しい空気を胸一杯に吸い込む....なんて夢のような話も俄に現実味を帯びてきたのだ。セールキットでディンギーに変身させ、帆いっぱいに風を受けてセーリングさせることも視野に入れたい。

 時間が取れずになかなか出港できなかったが、試運転のため木津川に出掛けた。職場から帰って午後3時出港。エンジンの調子が今一つ良くない点が心残りとなった。

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[注記]

*1 平成15年11月29日より下記要件に合致する内容のものは船舶免許、船舶検査が不要となりました。
●免許が不要となるボート
長さ3メートル未満で、推進機関の出力が1.5kw未満のものでプロペラによる人の身体の傷害を防止する構造を有するもの
→人の身体の傷害を防止する構造とは次のものが該当します。
・非常停止スイッチ、キルスイッチ、遠心クラッチ、中立ギヤなどのプロペラの回転を直ちに停止することができる装置
・プロペラガード
●船舶検査が不要となるボート
長さ3メートル未満で、推進機関の出力が1.5kw未満のもの

*2 WALKER BAY8は定員 2名、最大搭載馬力 2.4kw(3.3ps)、材質 ポリプロピレン、標準装備品はオールセット、オール用クラッチ&ピボットとステンレスバウアイ、モーターマウント、キールローラ。サイズ:全長251×全幅132cm 重量:32kg 最大荷重:193kg 航行区域:限定沿海は3海里。手ごろな値段と、スタイリッシュなフォルムで人気のモデル。カートップにも載せられる大きさでヨットや手漕ぎボートとしても使用でき、船外機も取り付けられる。ポリプロピレンはUVカット加工がされ、耐久性を高めている。

*3 HONDA船外機BF2D4−SCHJ主要諸元 
エンジン型式 4ストローク単気筒立軸形ガソリン(OHV)
総排気量(立方センチメートル) 57
ボア×ストローク(mm) 45×36
推奨回転範囲(rpm) 5000〜6000
最大出力[Kw(PS)/rpm] 1.5(2)/6000
燃料供給装置 キャブレター
冷却方式 強制空冷
点火方式 トランジスタ式マグネット点火
始動方式 リコイルスターター
排気方式 水中排気
標準プロペラ[翼数・直径×ピッチ(インチ)] 3・7-1/4×4-3/4
標準プロペラ(翼数−直径×ピッチ) 3−184×120
全長×全幅×全高(mm) 410×280×1100
トランサム高(mm) 418
タイプ別乾燥重量(kg) 12.7

●遠心クラッチによるトローリングや作業時の超低速航行、アイドリング時の停泊が可能。
●グリップスロットル仕様の設定による優れた操船性。
●低燃費による経済的な航続距離。
●地球環境に優しく、静かに航走できる4ストローク。
●EPA(米国環境保護庁)マリーンエンジン排出ガス規制の最終年度値を下回るレベル。
●日本舟艇工業会マリーンエンジン排出ガスの自主規制値をクリア。
 

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